バスケ日本代表は誰が? ご意見番が“帰化3選手”をズバリ判定

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米国出身のエドワーズ。身長206cm、体重110kg。ポジションはパワーフォワードだ

バスケットボール日本代表の『AKATSUKI FIVE(アカツキファイブ)』が2月24日にFIBAアジアカップ2021予選の初戦に臨み、チャイニーズ・タイペイ相手に96対57で圧勝した。

この試合は新型コロナウィルスの影響もあり、無観客試合で実施されるという異例なものとなった。だが五輪イヤーを迎えた日本代表にとって最初の公式戦だっただけに、最高のかたちでスタートを切れたといっていいだろう。

中でも活躍が光ったのが、昨年12月に日本への帰化申請が認可され、この日本代表デビューを飾ったライアン・ロシター選手(30、宇都宮ブレックス)だろう。相手チームに彼に対抗できる帰化選手がいなかったこともあり、17得点、19リバウンド、7アシスト(いずれも両チーム最多もしくは最多タイ)という個人成績を残し、フロントコートはほぼロシターの独壇場と化していた。

昨年予選を勝ち上がり21年ぶり(自国開催の2006年を除く)にFIBAワールドカップ出場を決めたことでFIBAから自国開催枠での東京オリンピック出場が認められ、実に44年ぶりにオリンピックに出場する日本代表にとって、大きな戦力が加わったのは間違いなさそうだ。

実は、日本代表に名乗りを挙げた帰化選手はロシターだけではない。彼に続くかのように今年1月、今度はギャビン・エドワーズ選手(32)の帰化申請が認可されたと、所属先の千葉ジェッツが発表している。

ちなみにFIBAのルールにより、国際試合の出場ロースターに入れられる帰化選手は1名のみ。今回のアジアカップ予選に合わせ実施された代表合宿にはロシター、エドワーズに加え、2018年8月に帰化し、ワールドカップ出場の原動力になったニック・ファジーカス選手(34、川崎ブレイブサンダース)も招集されていたが、今回はその中でロシターが選ばれたというわけだ。

すでにバスケットボール・ファンの間では、この3選手の中で日本代表に最も相応しいのは誰なのかというトピックが大きな関心を集めている状況だが、その分析をする上で、実に的確な人物がいるのをご存じだろうか。

帰化選手として彼らの先輩にあたる、アイラ・ブラウン選手(37、大阪エヴェッサ)だ。Bリーグの舞台で長年3選手と対戦してきたのみならず、自らもファジーカスが代表入りするまでフリオ・ラマスHCの下で帰化選手として日本代表を支えてきた人物だ。

「八村や渡辺のことを考えると……」

帰化3選手について診断したブラウン。米国出身で’11年のシーズンから日本で活躍している

そんなブラウンに日本代表における3選手の適性について尋ねると、以下のような答えが返ってきた。

「ギャビン・エドワーズがベストフィットすると思う。エドワーズはコート上を縦横無尽に走り回ることができる。だからと言ってロシターにその走力がないという意味ではない。ただ日本代表は、ディフェンス面で強力なプレーができ、ボールをプッシュしインサイドで決めきれるビッグマンを必要としている。

(3人比較すると)ファジーカスは決してフルコートを得意とする選手ではないし、ロシターは最高のオフェンス選手だが、ディフェンス面では(エドワーズほど)素晴らしい選手だとは思わない。エドワーズはまず強力なディフェンス選手であり、さらに得点もできるタイプで、彼こそがこれまで日本代表がずっと必要としてきた選手だ。

特に(現在の日本代表は)ルイ(八村塁選手)やワタナベ(渡邉雄太選手)と得点できる選手が揃っている状況を考えれば、エドワーズが彼ら2選手を上手く補足してくれるだろう」

ブラウンは迷うことなくエドワーズの名前を挙げ、3選手の中で最もディフェンス能力の高い彼こそが長年にわたり日本代表が必要としてきた理想の選手だと断言する。 確かにブラウンが指摘する通り、ファジーカスを擁して戦ったワールドカップでは5戦全敗で32チーム中31位に終わり、思い通りの結果を残すことができなかった。

走力に問題を抱えるファジーカスでは対応できない場面が多々あったのは明らかだった。 またロシターも今回のチャイニーズ・タイペイ戦で圧巻のプレーを披露しているものの、前述通り相手チームに彼に対抗できるような選手がいなかった。果たして彼のプレーが身長、パワーで上回る選手が揃う強豪チーム相手に通用するのかに関しては未知数だといえる。

それを踏まえた上で、ブラウンはさらに付け加えてくれた。

「国際試合というものは、普段のリーグの試合とはまったく違う。プレーが激しく、よりフィジカルが求められる。ビッグマンなら尚更だ。そうした面でもやはりエドワーズが一番だと思う」

ところでちょっと気になるところだが、帰化選手として日本代表の一員となって戦うことにどんな感情を抱くものなのだろうか。

「自分が帰化したのは、協会から代表でやって欲しいという要請があったことが最大の理由だった。実際に日本代表として戦っていても自分が日本人の1人であることに疑いはなかった一方で、日本で生まれ育っていない自分が代表に加わることに戸惑いがなかったわけではない。やはり代表チームは日本で生まれ育った人たちのものだと感じていた部分があったからだ。

でもルール上問題がないのなら、日本人の1人として代表として精一杯やりたかったのは事実だし、実際に代表としてプレーしたことは素晴らしい経験だったし光栄だと思っている。その気持ちは今も変わっていない。 日本代表が敬意を持って自分を代表に呼んでくれるのであれば、いつだって自分のベストを尽くしたいという気持ちを持ち続けた。

そして日本代表が強化されていく中で、自分やファジーカスは精一杯のことをしてきた。それはしっかり称えて欲しいと思っている」

ブラウンは現在、東京オリンピックの3×3日本代表の最終候補に選出されている。もし彼が代表チームに選出されたのなら、日本のためにベストを尽くしてくれることだろう。

’13年のシーズンから宇都宮ブレックスに所属するロシター。身長206cm、体重116kg
’12年から川崎ブレイブサンダースでプレーするファジーカス。ポジションはセンターだ

  • 取材・文・撮影菊地慶剛

    1993年から米国を拠点にライター活動を開始。95年の野茂英雄投手のドジャース入りで本格的なスポーツ取材を始める。20年以上に渡り米国の4大プロスポーツをはじめ様々な競技を取材。2017年から日本に拠点を移し取材活動を続ける傍ら、近畿大学で教壇に立ちスポーツについて論じている。

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