中居正広のジャニーズ退所がもたらす「7つのポジティブな効果」

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たった一人で会見をやり遂げた中居正広。さすがの司会力だった

一芸能人の独立が「バタフライ効果」を呼び起こす

21日に行われたジャニーズ事務所退所会見から数日間が過ぎた今も、中居正広に関する記事が次々に報じられている。これは中居の記事はPVや部数が見込めるからであり、あらためて影響力の大きさを立証する形になった。

ただ、それらの記事は会見の内容に関するものが多く、「中居が退所することで今後どんな変化が生まれるか」を言及したものは少ない。

冷静に見れば、一芸能人が独立するだけのことにすぎないが、中居だからこそ「小さな動きがさまざまな出来事を大きく変化させる」バタフライ効果につながるのではないか。

ここでは中居本人、その他の芸能人、芸能界、メディアにもたらされるであろう、7つのバタフライ効果を挙げていく。

最も厳しい道を選んだリーダー中居

1つ目のバタフライ効果は、真の国民的MC誕生へ。

すでに中居を国民的MCとみなす人もいるが、それでも芸人がバラエティMCの大半を占めているように、絶対的なトップという位置には至っていない感がある。

だからこそ退所・独立で、人々の頭にうっすらと残っていた「ジャニーズ事務所のアイドルなのにMCができるなんて凄い」という枷を取り払えるのは大きい。

中居には、共演歴の多いタモリ、明石家さんま、笑福亭鶴瓶などの大物芸人やアナウンサーの進行を間近で体感してきた経験値がある。

言わば、アイドルの華、芸人の笑い、アナウンサーの技を併せ持つハイブリッドタイプのMCなのだ。中居自身ジャニーズ事務所や先輩後輩に遠慮することなく、自分なりのMCを極められるフェーズに入ったのだろう。

2つ目のバタフライ効果は、SMAPの再結成。

中居は会見で「再結成の可能性は1%から99%までの間」と語っていたが、これは偽らざる本音ではないか。解散から3年が過ぎてようやく「5人それぞれが自らのやりたい道を究め、高め合った上で再会する」という再結成への道を歩きはじめられるからだ。

もし報道されたような不仲があったとしても、私が取材で見聞きしてきた限り、感情にしばられて可能性を捨て去るほど彼らの器は小さくない。

何より、中居がSMAP解散時の「世界に一つだけの花」購買運動や、新聞応援広告への感謝と申し訳なさを語っていたように、「ファンへの恩返し」という5人共通の大義もある。

新しい地図の3人が新たな挑戦を続け、木村拓哉もソロデビューを成功させた。だからリーダーの中居は、「一人で勝負する」という最も厳しい道を選んだように見える。

3つ目のバタフライ効果は、芸能界の「共演NG」が減る。

中居自らジャニーズ事務所のタレントと共演し、新しい地図の3人とも共演すれば、その都度大きな話題となるはず。すると世間の人々は、「共演NG」という芸能界の商慣習がいかに時代遅れであるかを感じ、いまだに「あの人を出すならウチは引き上げる」などとにおわせる芸能事務所を糾弾していくだろう。

現時点でも芸能人の中には「共演NGを言う人はダサイ」という意識の人もいるが、中居がそれを立証していくことで、芸能界全体に広がるのではないか。中居のことだから「共演NG」という噂をネタにして世間の人々を笑わせながら、芸能界の悪しき商慣習を打ち砕いてくれそうな期待感がある。

テレビ番組の質向上も?

4つ目のバタフライ効果は、独立・移籍の活発化。

「あんなに明るい芸能人の退所・独立会見は見たことがない」という声が挙がっていたように、中居の会見は芸能人の独立・移籍にかかるハードルをグッと下げた。

これまで芸能人たちは、「独立・移籍するためなら、レギュラー番組終了や活動休止状態もやむなし」という苦しい選択を強いられていただけに大きな一歩と言える。

本来、契約の上では「芸能事務所と芸能人は対等」のはずだが、実際は芸能事務所に有利な上下関係があることは否めない。中居の独立をきっかけに所属事務所と対等な立場で交渉したり、独立・移籍を考えたりする芸能人は増えるのではないか。

芸能人は「自分に合う芸能事務所を探す」、芸能事務所は「選ばれる魅力的な会社を目指す」ことでいい関係性を築けるだろう。たとえばジャニーズ事務所も、今以上にアイドルのセカンドステージやライフプランを踏まえたマネジメントが求められている。

5つ目のバタフライ効果は、メディアの忖度軽減。

たとえば、テレビ局による芸能事務所への忖度は当然のように行われ、それは他業界と同様にビジネスとしての交渉であり、必ずしも悪いことではない。

ところがキャスティングや番組内容に関する忖度には明らかに過剰なものがあり、各局に出入りしていると「負担になっている」と嘆くテレビマンは少なくなかった。

今回の退所・独立によって、まず中居の出演番組で忖度が軽減されていくだろう。それが徐々に各局のさまざまな番組に波及し、数年後には自由にキャスティングできるプロデューサーが増えるのではないか。また、「忖度しなければいけない」という負担が減れば、その分だけ番組の質は上がるだろう。

6つ目のバタフライ効果は、テレビ業界の人材流出ストップ。

近年、「民放各局の優秀なテレビマンが退職し、ネット動画関連の仕事をはじめる」というケースが頻発している。つまり人材流出しているわけだが、その背景には「テレビ業界の古い商慣習や視聴率狙いの番組制作に疑問を感じる」という不信感があった。

中居がこれまでの古い慣習を打ち破る形で退所・独立をしたことで、芸能界もテレビ業界も健全化に向かいはじめている。

一人になって自由度の増した中居が現場でさまざまな発信をし、それにテレビマンたちが呼応する形でやりがいを見出していく。もともとスタッフ思いで知られる中居は自らの主戦場であるテレビ業界を変えていくのかもしれない。

芸能界とテレビ業界をSMAPが変える

7つ目のバタフライ効果は、公正取引委員会のさらなる監視強化。

すでに公正取引委員会は、「辞めると一定期間活動できない」という“競業避止義務”は独禁法違反であり、原則禁止することを表明していたが、中居さんの退所・独立は、まさにそのシンボル。

公正取引委員会にとっては、中居の退所・独立をスタンダードにすることで監視や注意がしやすくなったし、今後は契約書の問題などにも踏み込んでいくかもしれない。

もはや「芸能界だから」という特別扱いで大目に見てもらうことはできず、芸能人たちは一般人と同じように守られるようになった。そう遠くない未来に「芸能人の独立・移籍は円満なもの」というイメージが世間に浸透するのではないか。

ここまで中居の退所・独立がもたらす7つのバタフライ効果を挙げてきたが、いずれも決しておおげさではなく、数年後に振り返ったとき「あの会見がターニングポイントだった」と言われるだろう。

時代に合わせた変化が求められる中、「ようやく芸能界やテレビ業界が変わるきっかけが訪れた」と言えるのかもしれない。それをもたらすのがSMAPというグループなら、誰もが納得できるのではないか。

  • 木村隆志

    コラムニスト、テレビ・ドラマ解説者、タレントインタビュアー。ウェブを中心に月20本強のコラムを提供し、年間約1億PVを記録するほか、『週刊フジテレビ批評』などの番組にも出演。取材歴2000人超の著名人専門インタビュアーでもある。1日のテレビ視聴は20時間(同時視聴含む)を超え、地上波全国ネットのドラマは全作品を視聴。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』など。

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