豪快な大ジャンプ ザトウクジラが東京湾で迷子になった

クジラと船の衝突に注意が必要 他にもある「心配事」とは

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6月24日、千葉県袖ケ浦市長浦の沖合にて。この後、ザトウクジラは海ほたるの方向へと泳いでいった

「6月24日の午後3時10分ごろ、海ほたるから2.4kmほどの千葉県袖ケ浦市長浦の沖合を船で航行中、前方1.6km先に波しぶきが見えました。船も通っていないのになんで引き波があるのかと疑問に思った瞬間にポンと跳ねて、『あっ! クジラだ』と。まさに映像で見るような跳ね方でした。ジャンプを繰り返しながらのんびり泳いでいました」(千葉県船橋市で釣り船を営む内木(ないき)章人氏)

6月18日、体長約15mのザトウクジラが葛西臨海公園沖で発見された。1頭で東京湾に迷い込んでしまったようだ。

「クジラが現れたのは葛西臨海公園沖で、26日の午前5時30分から20分間でした。友達と船で釣りをしていた時に、いきなり船の真横に潮を噴き上げて出てきました。30年以上東京湾で船を出していますが、こうした出来事は初めてです」(江戸川区葛西で釣り船を営む笹倉鉄士氏)

釣り船の船長らによると、クジラは浦安から羽田空港、海ほたる近辺に出没している。「次にクジラが現れるのもこの辺りでしょう。運が良ければ、海ほたるの駐車場でクジラが見られるかもしれません」(浦安市の漁業関係者)。

そもそも、何故クジラは東京湾に迷い込んだのか。和歌山県太地(たいじ)町立「くじらの博物館」の中江環(たまき)学芸員はこう話す。

「ザトウクジラは春から夏になると北上していって、北極海付近でたくさんのエサを食べるという生活をしています。本来だともっと北に行きたかったはずですが、イワシなどのエサを追いかけているうちに、湾の中に入り込んで出られなくなってしまったのかもしれません」

雄大に泳ぐクジラだが、危険はないのだろうか。前出・中江氏は言う。

「クジラも音を聞いて生活している動物ではあるのですが、静かな船の音だと気がつかないので、そのままぶつかったりすることもある。’13年に辛坊治郎さんが乗ったヨットが沈没した原因はマッコウクジラでした。からだも大きいので東京湾を往来する船は注意が必要です」

心配事は船の上だけではない。科学ジャーナリストの大宮信光氏は警告する。

「大地震の前になると、魚が岸に密集したり、盛んに跳ねたりなどの異常行動が確認されています。もしかすると、クジラはそれにつられて東京湾の中に入り込んでしまったのかもしれません」

27日朝には房総半島で地震が起きている。ただの迷子か何かの前触れなのか。東京湾クジラの動向を注意深く見守ったほうがよさそうだ。

写真:内木章人氏提供

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