中居正広の独立で浮かび上がったジャニーズ事務所「崩壊の危機」
『嵐』の活動休止だけじゃない タレントが次々に流出する一大事に
2月21日に会見を開き、ジャニーズ事務所を退所することを明らかにした中居正広。自らが会場を仕切り、ウィットに富んだ話術で場を沸かせる姿勢に、会見を絶賛する芸能人や業界関係者は多かった。世間からも好意的に受け止められたようだが、そんな会見の中で明らかになったことがある。それは「ジャニーズ事務所の弱体化」だ。
これまでジャニーズ事務所を退所したタレントは、露骨にテレビ出演を減らされ、芸能界から〝干されて〟しまうことが多かった。『SMAP』の元メンバーである草彅、稲垣、香取ですらレギュラー番組を次々と降板させられ、一時、地上波から姿を消した。一方で中居は事務所からの円満退所に成功。今後も変わらずテレビに出演し続けることになる。
「『中居正広の金曜日のスマイルたちへ』(TBS系)、『中居正広のニュースな会』(テレビ朝日系)など、レギュラー番組への出演は継続の予定です。レギュラー継続にあたってとくに中居をバックアップしているのがテレビ朝日です。退所会見の会場はテレ朝でしたが、これは、『ウチはもうジャニーズ事務所には忖度(そんたく)しませんよ』という意志表示でした。
さらに、’19年7月にはジャニーズ事務所に公正取引委員会が入りました。『SMAP』元メンバーの3人を出演させないようテレビ局に圧力をかけた疑いがあるとして事務所が注意を受けたのです。これによって、事務所側が退所後の中居のテレビ出演を邪魔できなくなったという背景もあります」(テレビ局関係者)
そもそもここ数年、ジャニーズ事務所の影響力は目に見えて低下してきている。人気グループの『関ジャニ∞』からは’18年12月に渋谷(しぶたに)すばる(38)が、’19年9月には錦戸亮(35)が抜け、グループ解散が囁(ささや)かれた時期まであった。さらにジャニーズにとって一番の痛手となるのは、年末に訪れる『嵐』の活動休止だ。
「事務所の稼ぎ頭だった『嵐』が活動休止した後、その穴を埋められるほど新人が育っていない。この原因の一つは’17年、当時副社長だった藤島ジュリー景子社長(53)が『ジュニアをCDデビューさせない』という方針を打ち出したことにあるのではないでしょうか。これに危機感を抱いたのが滝沢秀明(37)でした。彼は新人教育に力を入れ、今年1月には『Snow Man』と『SixTONES』をCDデビューさせました。とはいえ、彼らもエースと呼ぶにはほど遠い。ジュリー派とタッキー派は今、役割分担をしながらうまくやっていますが、いつまた対立が表面化するかわかりません。ジャニーズ事務所内も一枚岩とは言えないのです」(スポーツ紙芸能デスク)
中居の円満退所を許したことにより、ジャニーズ事務所自体が弱体化している事実を露呈してしまった。今後、退所者が後を絶たなくなる恐れがある。
「ジャニーズでは新人を育てることにかなりの時間とカネをかけています。入所からデビューまでに10年近くかかることもザラにあります。それなのにデビューから数年ですぐに辞められてしまうと、商売にならないのです。
今、〝退所予備軍〟として噂されているのは山下智久(34)、『TOKIO』の長瀬智也(41)、『Hey! Say! JUMP』の知念侑李(ちねんゆうり)(26)です。彼らが中居の例を見て後に続く可能性は高いと思われます」(前出・芸能プロ幹部)
さらに、ジャニーズ事務所がこれまでのようにテレビ業界で幅を利かせることができなくなる可能性もあるという。
「今まで、テレビ局はジャニーズに忖度して、あまり使いたくないジャニーズタレントをバラエティーやドラマに起用することが多くありました。ですが、今後はテレビ局も遠慮することなく、他の事務所のタレントを起用できるようになります。逆に、人気や実力がないのに『ジャニーズだから』という理由だけでタレントがテレビに出ることは少なくなるでしょう」(前出・テレビ局関係者)
ジャニーズ事務所にとって、史上最大の危機が訪れようとしている。
『FRIDAY』2020年3月13日号より
- PHOTO:山田宏次郎(1~3枚目)