元刑事が警告!「あなたのスマホはこうして悪用される」

誰もが他人事じゃない理由

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佐々木さんは埼玉県警で、デジタル捜査班の班長を務めていた

今すぐやるべきはSIMカードロックの暗証番号変更

メールやSNSからネットショッピング、キャッシュレスの支払いまで、日々の生活に欠かせないスマホ。パスワードで本体にはロックがかかっているから情報が漏れることはない、とお思いの人も多いことだろう。しかし、「気をつけないと、大事な情報が抜き取られるだけではなく、事件や犯罪に巻き込まれる可能性も高い。それがスマホです」と話すのは、『あなたのスマホがとにかく危ない』(祥伝社)を上梓した佐々木成三さんだ。

元埼玉県警捜査一課でデジタル捜査班の班長を務めた佐々木さんは、ガラケー時代から携帯電話の中にある情報に注目してきた。容疑者の行動や人脈を携帯電話から解析し、捜査をしてきた経緯を持つ。

「たとえば、スマホを落としてしまった場合。恐ろしいのがクローンスマホをつくられることです。スマホにはロックがかかっているのでパスワードがわからないと使えませんよね。でも、別のスマホにSIMカードを移してしまえば、たいてい使えるようになるんです。多くの人のスマホは、SIMカードロック(SIM PINロック)の暗証番号がキャリアの初期設定のままになっており、ロックが簡単に解除できるんです。そうすると、SNSが乗っ取られたり、ネットで買い物をされたり、秘密の写真を抜き取られ、のちに『写真をバラ巻く』と脅される、なんてことが起きるんです」

普通に使っているだけ、と答える人がほとんどのスマホ。しかし、佐々木さんの目から見ると「危ない」と思うシーンが頻繁に見られるという。

「電車や居酒屋など公共の場でスマホのロックを解除しようと、パスワードやパターン認証を入れますよね。はっきり言って近くの人からは丸見えです。もし、スマホが奪われたらどうなると思います? 見たとおりのパスワードを入れればスマホの中の情報にアクセスできるわけです。なかには、各種サービスのパスワードがすべて同じなんて人もいます。そうなると、SNSからネットバンクまでぜんぶ荒らされてしまいます」

Androidの「SIMカードのロック」画面。多くの人のスマホは、SIMカードのロック(iPhoneの場合は「SIM PIN」と呼ぶ)がキャリアの初期設定暗証番号のまま。速やかに変更するべきだ

【設定の変更方法】

Androidの場合

【設定】→【セキュリティと位置情報】→【SIMカードロック】→【SIMカードロックをオン】

iPhoneの場合

【設定】→【モバイル通信】→【SIM PIN】→【SIM PINをオン】

※共にキャリアや格安モバイルの初期設定の暗証番号(数字)を入れることで、SIMカードのロックがオンになる。その後、他人から推測されない数字に変更する。変更した暗証番号はスマホ起動時に入力を求められるので忘れないこと。

 

SNSは個人情報が漏れる、ということを意識して使うべき

SNSは、様々な情報にアクセスでき、多くの人とつながりが持てるツールだ。便利な一方で、投稿する写真や「いいね」から、個人情報が特定されやすいと佐々木さんは話す。

「SNSは人脈が広がるいいツール。でも、リスクがあるんです。たとえば、投稿した写真に映り込む看板や電柱の住所、建物の形状などから居場所が突き止められます。また、『いいね』を押している人を念入りに辿っていくと、本人を特定できる情報が書かれていることが多い。SNSを『公開』にしている人は、個人情報が漏れていると思って使わなければいけません」

ニュースを見ていると、SNSを介した誘拐事件がしばしば報道される。佐々木さんはこう警笛を鳴らす。

「SNSでは、趣味を通じて簡単に見知らぬ人とつながりを持てます。年齢が離れていても、共通の趣味があるので、会ったことがなくても打ち解けるまでのハードルが極めて低い。特に経験値の浅い10代は、断片的な事象で相手を判断しがち。たとえば、ゲームの中ですごい人=いい人と都合良く考えてしまう。チャット機能のあるゲームではこうした勘違いから、誘拐や監禁事件に発展することがあるんです。SNSは今の時代に欠かせません。でも、メリットとデメリットを大人も子供も把握し、スマホのリテラシーを上げていかないと、最悪の場合、重大な犯罪に巻き込まれてしまいます」

佐々木氏はさらに、若者が特殊詐欺の加害者として巻き込まれたり、薬物取引に関わったりするのも、スマホへの知識があれば、かなりの確率で防げると語る。

もはや生活に欠かせないアイテムになったスマホだが、その先には大きな闇が広がっていることを忘れてはいけない。

<まとめ>今すぐやってほしいのはこの3つ

□SIMカード・ロックまたはSIM PINのパスコードを初期設定から変更

□スマホのロック解除パターンやパスワードを推測されにくく、外から見えないように変更

□SNS、インターネットバンク、キャッシュレス決済などでは、同じパスワードを使わない

 

佐々木成三(ささき・なるみ)

1976年、岩手県生まれ。元埼玉県警捜査一課の警部補。デジタル捜査班の班長として、携帯電話の精査や各種ログの解析を担当。また、捜査本部に従事し、被疑者の逮捕、取り調べ、捜査関係者からの情報収集、被害者対策、遺族担当として、数多くの実績を挙げた。2017年に「事件を取り締まるのではなく、培ってきたさまざまな情報を多くの人に伝え、犯罪を生まない環境をつくりたい」という思いから、埼玉県警を退職。現在はテレビ番組にコメンテーターとして多数出演するほか、学生を犯罪リスクから守ることを目的に設立された「一般社団法人スクールポリス」の理事を務め、学校や企業で講演を行うなど、幅広く活動中。

  • 取材・文油野崇

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