新型コロナで外出できない人のための「巣ごもり」完全攻略法
Uber Eats、Netflixだけじゃない ネットスーパーから運動、カラオケまで全て家にいながらできる
不要不急の外出を避けるように――。政府に言われるまでもなく、収束が見えない新型コロナウイルスの蔓延に、自宅からあまり出たくない人も多いだろう。実際に多くのイベントが中止に追い込まれ、外出の機会も減っているはずだ。
兵庫県立大学国際商経学部教授の川上昌直氏もその一人だ。
「講演や研修が次々とキャンセルになり、それでも実施するものは、リモート配信になりました。カメラに向かって講演をし、視聴者がストリーミングで再生するという形式です。新型コロナウイルスの影響で、こういった遠隔配信は当たり前になるでしょう。停滞気味だったリモートワーク化の必要性がこの騒動によって高まり、一気に拡大しそうです。会議をリモートでするとは何事だ、と怒るような世代も、ウイルスが怖くて気持ちが変わりつつあります。
自宅などでの待機時間が増えることで、動画サブスクが再注目されています。とりわけネットフリックスは、他の動画配信サービスに比べて、オリジナルコンテンツの充実度は群を抜いています。大規模な予算を投じたドラマシリーズは、一度見たら病みつきになるほどです。最近のテレビは、ネット接続が当たり前。リモコンのボタンを押すだけでつながる気軽さも手伝って、このタイミングでさらにユーザーが急増するでしょう」
時間の節約にもなる
ネットフリックスは標準的な画質のプランだと、月額880円(税込み、以下同)で入会できる。その会員数は全世界で1億6709万人(’19年末)だが、日本国内ではまだ300万人程度。動画配信だけでなく、年額4900円で「お急ぎ便」や音楽配信も使えるアマゾンプライムのほうが国内では会員数約509万人(ニールセン デジタル調べ)とリードしている。
『安心ひきこもりライフ』の著書もある自称「ひきこもり名人」の勝山実氏もアマゾン派だ。
「’11年の東日本大震災の際も放射性物質への恐怖から、ひきこもり生活に注目が集まりました。あの時も今もサラリーマンは毎日、満員電車に乗って仕事に行くのですから、大変だなぁと思います。その約10年前に比べても動画や音楽の配信サービスはさらに充実し、ひきこもるにはもってこいの時代です。
ひきこもるコツは、面倒なことを極力避けること。動画配信はネットフリックスやアマゾンプライム・ビデオの他に、フールーやdTVもありますが、手を広げると把握するのが大変です。ネット通販もできるアマゾンプライムなら一つのIDで完結するので私には便利です。
ただ、ずっと家にいると気が滅入ってきますよね。そんな時におすすめなのが、ベランダに出ること。あまり長いと続かないので10分間。これを朝の日課にすると、ダラダラしがちなひきこもりライフにリズムが生まれます」
厳重にマスクをしてコンビニで買い物をすれば、食料は手に入る。しかし、今どきのIT・ネット技術を使えば、もっと快適な「巣ごもり生活」が楽しめる。
消費生活アドバイザーの丸山晴美氏が言う。
「最近はネットスーパーを利用しています。楽天西友ネットスーパーなら、私の自宅があるエリアは5500円以上買えば、送料がタダになるので、お米などを取り合わせて買っています。気に入っているのはプライベートブランドですね。食品や日用品などほぼすべてをカバーしていますし、値段も安く、ポイントも貯まりやすい。まとめ買いなど買い方を工夫すれば、車でガソリン代と時間を使って買いに行くよりも断然おトクです。
ウーバーイーツなどのデリバリーもおすすめです。サービスエリアは限定されますが、都内に住んでいればタイ料理や韓国料理、メキシカンまで、世界の料理が自宅にいながらにして楽しめます。気軽に外食気分が味わえることを考えれば、必ずしも割高とは言えないでしょう」
もちろん、宅配業者との接触には細心の注意を払おう。マスクをつけ、ゴーグルをかけるのは当然のこと。箱を受け取ったり、開封したりする際にはビニール手袋を着用し、開封後はハンドソープでの手洗いが欠かせない。
「アルコールスプレー『ドーバー パストリーゼ77』も話題です。アルコール度数が77%と高く、食品にも直接噴霧して殺菌できる。これで新型コロナウイルスが死滅するかはわかりませんが、精神的には頼りになります」(丸山氏)
自宅がカラオケボックスに
メーカーが直接、新型コロナウイルスに効果があるとは謳っていないものの、今、日本中で空気清浄機が人気になっている。なかでも品薄なのが、パナソニックの空間除菌脱臭機ジアイーノだ。
「これは次亜塩素酸を生成して空気中に放出し、ウイルスや菌を抑制するすぐれものです。たんなる空気清浄機と違って、ウイルス抑制効果は高い。閉め切った空間での除菌効果を期待するならこの商品でしょう」(家電評論家・戸井田園子氏)
ダイキン工業の「ストリーマ空気清浄機」も、インフルエンザをはじめとするウイルスの抑制機能を持つという。こちらも品薄になっているので、見つけたら購入を検討してもいいだろう。
巣ごもり生活を続けるのであれば、声をかけるだけで様々なサービスを楽しめたり、家電を動かしたりできるスマートスピーカーも活用してみよう。
「グーグルでもアマゾンのアレクサでも構いませんが、この際なのでスマートスピーカーを仕入れて自宅をスマートにしてみるのはどうでしょう。さらにスマートマルチリモコンを通じて、もともとある家電をスマートスピーカーに接続すれば、ゴロゴロしたまま音楽が聞けるし、電気も点灯できます」(戸井田氏)
家の中で「食っちゃ寝」を繰り返していれば当然、運動不足になる。かといって自宅で筋トレはしたくない。できれば、楽しく運動をしたい。そんな人には、ニンテンドースイッチ対応の『リングフィット アドベンチャー』がおすすめだと、ゲームアナリストの平林久和氏は言う。
「リング状のコントローラーを持ち、太ももにもコントローラーを巻いてプレイします。リングを押したり引いたり、その場でスクワットをしたり足を高く上げたりして、敵を倒していく。実際に遊んでいる人たちに話を聞くと、これまでのフィットネス系のゲームに比べても圧倒的に運動量が多いと口を揃えます。私も体験しましたが、日頃の運動不足がたたり、すぐに疲れてしまいました」
新型コロナウイルスの感染ルートとして、注意するべきなのが、カラオケだ。密室でつばを飛ばして歌う行為はしばらく控えたほうがいい。その点、自宅で歌えば、感染の危険はない。
IT・家電ジャーナリストの安蔵靖志氏はこれまでもニンテンドースイッチでのカラオケを楽しんできたという。
「ストレス発散におすすめなのがカラオケですが、従来のカラオケセットは曲数が限られていました。ところが、最近は通信カラオケが家庭でも楽しめるようになっていて、ニンテンドースイッチ用の『カラオケJOYSOUND』では、必要なのはマイクだけです。スマホがそのまま、カラオケのリモコンになり、カラオケボックスにいる感じで使えます。料金も3時間330円から90日間3080円など各種コースがあります。長期間、自宅にこもるのであれば、長い期間有効なコースを選ぶほうがおトクでしょう。ただし、近隣とトラブルにならないように気をつけてください」
他にも細かく振動する板(ボード)に乗るだけで運動効果が得られる3Dスーパーブレードなど、場所を取らずに運動不足を解消できるアイテムがある。
「自宅にこもると性欲も溜まります。そこで最新のVRエロ動画を試してはいかがでしょうか。高性能なヘッドセットは数万円しますが、スマホを差し込むだけのものなら3000円前後で購入が可能です。無料アダルトサイトなどでVR動画を検索すれば、半端ない没入感がすぐに楽しめます」(安蔵氏)
新型コロナウイルス禍は当面、続きそうだ。自衛するしか方法はない。

『FRIDAY』2020年3月13日号より
撮影:足立百合写真:ZUMA Press/アフロ 東洋経済/アフロ