花粉症なのにマスクなし! 病院にいけない人のための対策&薬選び

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薬局やドラッグストアで買える、処方薬と同じ成分の花粉症の治療薬は?

花粉症の本格的なシーズンがやってきた。が、今年は新型コロナウイルスによる肺炎の影響で、必須アイテムのマスクが手に入らない! 電車の中でのくしゃみは、“疑惑”の視線も気になる。 

環境省が公表する「花粉症環境保健マニュアル2019」によると、マスクは吸い込む花粉の量をおよそ3分の1から6分の1へ減らしてくれるというが…。マスクなしでつらい花粉症のシーズンを乗り切るにはどうしたら良いのだろうか。

マスクが手に入らない!

マスクがない場合のセルフケア

しばらくマスクが手に入りづらい状況は続きそうだが、今すぐに自分でできる花粉症対策もある。厚生労働省が公表する「的確な花粉症の治療のために(第2版)」では、花粉症対策として花粉情報に注意し、飛散の多いときには窓や戸を閉める、帰宅時には衣服や髪をよく払ってから入室する、掃除を励行する、表面がけばけばした衣類の使用は避けるなどの対処法を紹介している。

また、目の症状がつらい人はメガネを使うと良いだろう。前述した環境省の「花粉症環境保健マニュアル2019」によると、メガネの使用で目に入る花粉量はおよそ40%減少。防御カバーがついた花粉症用のメガネではおよそ65%も減少すると報告されている。

日常生活の質の低下を防ぐため、まずは受診を

たとえマスクが手に入ったとしても、花粉を完璧に避け、除去をするには残念ながら限度がある。

そこで私たちの手助けとなってくれるのが「薬」だ。花粉症などのアレルギー性鼻炎に対する治療薬には作用機序が異なるさまざまな種類の製剤があり、症状により組み合わせて用いられる。2010年に入ってからは、新たな抗ヒスタミン薬のレボセチリジン塩酸塩(商品名:ザイザル)、ビラスチン(商品名:ビラノア)、デスロラタジン(商品名:デザレックス)、ルパタジンフマル酸塩(商品名:ルパフィン)が次々に登場した。

抗ヒスタミン薬はヒスタミンというくしゃみや鼻水などの症状を起こす化学伝達物質が鼻の粘膜で作用するのをブロックする薬で、これらの新しい薬の登場により花粉症治療の選択肢の幅が広がった。つらい症状を和らげ、かつ安心・安全に花粉症の治療を続けるためには、まずは受診したうえで自分にあった薬を医師に処方してもらいたい。

忙しくて受診が難しいときには市販薬を上手に活用

前出の「的確な花粉症の治療のために(第2版)」によると、花粉症の治療薬をうまく使い分ければ「花粉が多い年でも約5~6割の患者さんが大きな副作用もなく、花粉症の症状がほとんど出現せず」に過ごせるという。したがって、つらい症状を和らげるには自分の症状やライフスタイルにあった薬を医師に処方してもらうのが一番だが、仕事や学校が忙しいとなかなか通院の時間をとれないこともあるだろう。

そこで上手に活用したいのがドラッグストアや薬局で購入できるOTC医薬品だ。「アレルギー総合ガイドライン2019」に基づき、処方箋なしで買えて、病院でもらうのと同じ成分の薬について調べてみた。

【薬局でも買える飲み薬】

《第二世代抗ヒスタミン薬》フェキソフェナジン塩酸塩(商品名:アレグラFXなど)、エピナスチン塩酸塩(商品名:アレジオン20など)、エバスチン(商品名:エバステルAL)、ロラタジン(クラリチンEXなど)

第二世代抗ヒスタミン薬はくしゃみ、鼻水の症状の改善に優れているが、鼻づまりに対する効果はやや弱い。

服用中には眠気や、眠気の自覚がなくても、集中力、判断力、作業効率の低下がみられる副作用“インペアード・パフォーマンス”に注意が必要だ。エピナスチンとエバスチンについては添付文書に「服用後、乗物又は機械類の運転操作をしないでください(眠気等があらわれることがあります。)」との記載がある。該当する作業を行う人は十分に注意したい。また、薬の効き方には個人差もあるので慎重に用いるようにしよう。

《漢方薬》小青竜湯

眠くなったりするのを避けたい場合には、漢方薬という選択肢もある。「アレルギー総合ガイドライン2019」にはいくつかの漢方薬が示されており、そのうちのひとつ小青竜湯については、プラセボ(効き目がある成分を含まない薬)と効果を比べた臨床試験において有効性を認めたとしている。

小青竜湯を用いる際には、階段を上るときや、少し無理をしたときに息切れや息苦しさを感じる、皮膚や白目が黄色っぽくなった、褐色の尿が出た、手足のだるさ、しびれ、つっぱり感、こわばりがあるなどの症状に注意したい。これらの症状が見られた場合には副作用の可能性があるためだ。直ちに服用を中止して医師や薬剤師に相談してほしい。

【薬局でも買える点鼻薬】

《鼻噴霧用ステロイド薬》フルチカゾンプロピオン酸エステル(商品名:フルナーゼ点鼻薬)

鼻噴霧用ステロイド薬は鼻づまりの症状に適している。副作用は少ないが、局所の副作用として刺激感、乾燥感、鼻血などが現れる場合がある。

 

ところで、病院等で受診して薬をもらう場合と、薬局で購入する場合での金額はそれぞれどのくらいなのか気になる人も多いだろう。あくまでも目安になってしまうが、フェキソフェナジンを例にみてみたい。

ある薬局で処方箋に基づき、アレグラ錠60㎎を56錠(1回1錠、1日2回服用、28日分)調剤してもらった際の自己負担額は3割負担で1090円だった。一方、フェキソフェナジンのOTC医薬品を購入する場合、アレグラFX 56錠入りはメーカー希望小売価格が3500円(税別)だ。

繰り返しになるがこれらの金額は目安である。OTC医薬品の店頭価格でみてみるとメーカー希望小売価格と異なる場合があるし、薬局で調剤してもらう場合の窓口での負担額は、薬局により調剤基本料が異なること、おくすり手帳持参の有無や先発品とジェネリック医薬品のどちらを選ぶかなどによって変わるためだ。

薬局やドラッグストアで手に入る薬類は便利だが、持病がある人や高齢者などの場合は、使用に際して注意を要することがある。セルフケアを安全、安心に実践するためにも、OTC医薬品を使用する際には遠慮なく薬剤師を頼ってほしい。また、OTC医薬品を使っても症状が改善しない場合には、早めに医療機関を受診しよう。

  • 取材・文高垣育

    毎週100人ほどの患者と対話する薬剤師とライターのパラレルキャリアを続けている薬剤師ライター。人だけではなく動物の医療、介護、健康に関わる取材・ライティングも行っている。

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