「松坂世代」の今を調べてわかった「40歳でも成長する方法」

阪神・藤川球児はキャラ急変で再成長

  • Facebook シェアボタン
  • Twitter シェアボタン
  • LINE シェアボタン
  • はてなブックマーク シェアボタン
’00年代、阪神の盤石リリーフ陣だった3投手がキャンプ中に揃った。左からジェフ・ウィリアムス、藤川、久保田の“JFK”コンビ

3月8日に行われた広島とのオープン戦で今季2度目の実戦登板をした松坂大輔(39)は、今季プロ野球でもっとも注目される選手の一人だろう。“平成の怪物”と呼ばれ、西武で3度の最多勝を獲得した松坂。同期の選手にも、ソフトバンクや巨人などで通算142勝をあげた杉内俊哉や、シーズン最多登板記録(90登板)を持つ元阪神の久保田智之など逸材が多い。だが“松坂世代”も昨季、ヤクルトの館山昌平や広島の永川勝浩らが引退し、現役を続けているのは、松坂を含め藤川球児(阪神)、和田毅(ソフトバンク)、久保裕也、渡辺直人(ともに楽天)の5人だけ。彼らの現状を追った――。

「笑わないとアカンで!」

沖縄・宜野座で行われていた阪神のキャンプでは、藤川の張りのある声が響いていた。藤川が手にしているのは「笑」と書かれたボール。それを西勇輝ら投手陣に渡す。

「ワハハ、ワハハ!」

西が大声で笑いだすと、一気にチームの雰囲気が和らいだ。

「若い頃の藤川は自分の投球に集中して、人を寄せつけない雰囲気がありました。正直、気さくなタイプではありませんでしたね。しかしメジャーや独立リーグを経験して、性格が大きく変わった。常に周囲に気を配り、和やかなムードになるよう心掛けるようになったんです」(スポーツ紙記者)

若い投手たちとも食事をともにし、聞かれたことには包み隠さず答える。本人は、こう話しているという。

「ずっと阪神にいたら、とっくに辞めていたと思う。同じ環境にいたらメンタルを保ち続けられない。(メジャーや独立リーグなどで)離れた場所にいたからこそ阪神の大切さ、ありがたさわかった。謙虚にならなきゃいけないとね。だからこそ今、恩返しをしようという気持ちになっているんだ」

全盛期のような150kmをはるかに超える豪速球は、もう投げられない。回転数の多さから浮き上がるボールで、打者を翻弄し続けているのだ。本人は回転数の多いボールの投げ方について「企業秘密」と笑うが、矢野耀大監督の構想では今季も抑えを任される予定だ。

3月4日のヤクルトとのオープン戦で、4回1失点と好投したのはソフトバンクの和田だ。ようやく納得のいく投球ができたようだ。

「ブルペンに入っても『ちょっと違うなぁ』と、首をひねりながら投げていましたから。結果を残しても、本人はフォームに納得がいかなかたのでしょう。4日のオープン戦後に『やっと良い感覚で投げられた』と笑顔を見せていました。和田はオリオールズに在籍していた頃、左ヒジ靭帯を損傷し2年間も棒に振り自由契約になっています。

ちょっとでもフォームにムリがあれば、選手生活を脅かす原因になることが身をもってわかっているんですよ。和田が今も第一線で投げ続けられたのは、米国での苦い経験があるから。ケガの回避や身体のメンテナンスには、チームで一番気を遣っています」(球団関係者)

日米18年目の大ベテランには一時期、開幕投手の声も上がっていた。

「エースの千賀滉大が右ふくらはぎの張りを訴え、昨季12勝をあげた高橋礼も左太ももの炎症で出遅れているんです。結局、東浜巨が開幕投手に指名されましたが、経験値の高さから首脳陣の間では最後まで和田をおす声がありました」(同前)

現在2軍にいる楽天の久保裕也は、3月中に一軍復帰予定。渡辺直人は一軍打撃コーチ兼任で、現役を続行している。

「現役の“松坂世代”に共通しているのは、若い頃のケガや逆境を糧にしていることです。渡辺直人はDeNA時代、采配批判をするなど問題の多かった中村紀洋と仲が良く、監督に反抗的な態度をとったことがあったとか。それが原因で出場機会が減り、かなりツラい思いをしたそうです。以降は気持ちを入れ替え、首脳陣と衝突するようなこともなくなりました。若手とも積極的にコミュニケーションをとり、兼任で打撃コーチを任されるまでになったんです。今年40歳になる彼らが、今季も現役を続けられるのは偶然ではありません。失敗から学ぶ気持ちがあったからこそ、この年齢になっても成長しているんですよ」(前出・スポーツ紙記者)

若者が台頭し、力の衰えたベテランが表舞台から去るのがプロの世界。だが“松坂世代”の5人には、引退の切迫感はまったく感じられない。

  • 写真時事通信社

Photo Gallary1

Photo Selection

あなたへのおすすめ記事を写真から

関連記事