『テセウスの船』竹内涼真が「ラブストーリーの王」と呼ばれるワケ

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’18年11月、都内のジムから出てきた竹内涼真。短パン、ジャージというラフな格好だ

竹内涼真(26)は、実は隠れた“ラブストーリーのキング”ではないか。放送中の日曜ドラマ『テセウスの船』(TBS系)を見ていて、そう思ってしまった。

物語は、竹内演じる殺人犯の息子・田村心が平成元年にタイムスリップ。犯人にされてしまった父親と協力して、真犯人を探すというものだ。テンポのいいハラハラ感と、竹内や共演の鈴木亮平の怪演もあって、視聴率は初回から1度も2ケタを切ることなく11%台をキープし続けている。今期、他のドラマが軒並み2ケタを切り苦戦する中で、唯一の勝ち組と言ってもいいだろう。

とはいっても横ばいという感じだった『テセウスの船』の視聴率だが、第6回になって突如13.2%と大きく跳ね上がった。Twitterでも「#テセウスの船」がトレンド3位に入るなど、ここへきて注目度が激増している。

この理由はもちろん物語の面白さ、そして「熱い」と評判の竹内の演技にあるだろう。しかし今回の視聴率の大幅飛躍は、実は女性視聴者が食いついたからではないかと見ている。というのも、ここ数回の放送における竹内は、何とも子犬っぽい健気さを醸し出しており、女性心をくすぐるものがあるのだ。

最初の“くすぐり”は第5話で訪れる。過去にタイムスリップしていた心はいったん現代に戻ってしまうのだが、過去を変えたことで心を取り巻く環境はさらに悪化していた。タイムスリップ前は妻だった女性・由紀(上野樹里)も、心のことを全く知らない。しかし週刊誌記者となっていた由紀は心の話に関心を持ち、次第に彼のことを放っておけなくなり、協力し始める。

そんな中、真犯人を知っているという女性が現れる。彼女は「家族に迷惑がかかるから話せない」と居留守を決め込むのだが、それを知らない心は雨に濡れながらその女性の帰りを待ち続ける。そして、心配して迎えにきた由紀を「だっていつ帰ってくるか分からないから……」と潤んだ瞳で見上げる様は、まさに雨に濡れた子犬のようで「キューン!」と胸が締め付けられるのだ。

そして終盤、それは真犯人を知る女性が殺されてしまったとき起こる。「もう無理だ……」と打ちひしがれ絶望する心。必死に励ます由紀。その言葉に胸打たれ、心は思わず手を伸ばし由紀をぎゅっと抱きしめる……。いやぁ、このハグシーンが実に良いのだ。遠慮がちな、でも抑えられない、みたいな……。当然、ネット上も感動の声の嵐に。「全然恋愛系ドラマじゃないのに今まで見た涼真君の恋愛シーンの中で一番ぎゅーんてなりました」「ハグシーンは、切なくて、うれしくて、美しかった……」などなど、その感動度合いがひしひしと伝わってくる。

まだ終わらない。続く第6話のラストだ。真犯人との対決を前に、事の全てを由紀に伝える心。その際、自分の話としてではなく「ある男」の話として訥々と伝えるのだが、それがもう本当にマジメで、けな気で、かわいそうで、あんなに背が高いのにちっちゃく見えてしまうほどなのだ(竹内の身長は185cm)。

ここでふとよぎったのが、この竹内への胸キュンぶり、過去にもどこかで味わったことがあるような……? そう、『過保護のカホコ』(2017年/日本テレビ系)だ。竹内は、主演の高畑充希演じるカホコと出会い、後に結婚する初(ハジメ)役を演じているのだが、これがハマリ役だった。初は世間知らずのカホコに「お前なあ」とガンガン説教するドS君なのだが、実は母親に捨てられたことで人を頼れなくなった、というか弱い内面を隠し持っている。

しかし、カホコに背中を押され思い切って母に会いに行く。そうして母に受け入れてもらえた初は、嬉しさと安堵からカホコにすがって号泣する。このツンデレぶりに、世の女性たちは一瞬にしてハートをつかまれたのだ。結果的にこの作品は竹内の出世作となる。この年、朝ドラ『ひよっこ』(NHK)でもヒロインの誠実な恋人を好演し(結ばれないのだが)、竹内は「国民の彼氏」と呼ばれるように。『ViVi』の人気企画「国宝級イケメンランキング」でも見事1位に輝いた。

竹内といえば映画『帝一の國』(2017年)で演じたバンカラ高校生、『陸王』(2017年/TBS系)のマラソンランナーなど熱い役の印象が強いが、要所要所で彼を人気俳優の地位に押し上げてきたのは、恋愛シーンのほうではなかっただろうか。もちろん、竹内の子犬のようにけな気な胸キュンぶりは、この熱さがあってこそ成立するものなのだが。

今回のドラマでは再び心が過去にタイムスリップしてしまったため、由紀との胸キュンシーンはしばらくお預けとなりそうだ。それでもこの5,6話で潤いをもらった女性は少なくないだろう。Twitterには「心と由紀のシーン、増やしてくれた制作チームには感謝しかない( ;∀;)」なんて声も寄せられている。その感謝の意を表明すべく、最後まで物語の行方を見守りたいと思う。

  • 取材・文奈々子

    '72年生まれ。愛媛県出身。放送局勤務を経てフリーライターに。タレントのインタビュー、流行事象の分析記事を専門としており、連ドラ、話題の邦画のチェックは欠かさない。雑誌業界では有名な美人ライター

  • 取材川上孝夫

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