『スカーレット』で判明 朝ドラが模索する「働き方改革」の実態

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『スカーレット』終盤に差し掛かった戸田恵梨香。2月29日にクランクアップしたが、新型コロナウイルスの影響で打ち上げは中止だという(’18年)

放送も残すところ1ヵ月となった、NHK朝ドラ『スカーレット』。実は、先週の第21週は『スペシャル・サニーデイ』と題され、スピンオフ版として放送された。

「この週の放送は、主人公の妹役の福田麻由子さんと、その夫役の林遣都さんがメイン。主演の戸田恵梨香さんは回想シーンで出演するのみでした。脚本も本編の水橋文美江さんではなく、本編に出演していた三谷昌登さんが担当しました。放送終了後でなく、本編中にスピンオフがあるのは異例。SNSでの反応を見ていると、ヒロイン不在の放送に対して驚く視聴者も多かったようですね」(スポーツ紙記者)

スピンオフを本編の放送期間に挟んだ理由のひとつが、近年推し進められている“働き方改革”の影響だ。

「NHKは‘17年12月に“グループ働き方改革宣言”を公表しており、現場のスタッフにかかる負担を軽減するような工夫をしています。朝ドラは、最初から最後まで出突っ張りのヒロインと、そのストーリーを作る脚本家の負担がどうしても大きくなってしまう。『スカーレット』では本編中にスピンオフを入れることで、戸田さんと水橋さんを1週間休ませることができたのです」(同・スポーツ紙記者)

『スカーレット』をはじめ、10月〜3月期に放送される朝ドラは、NHK大阪放送局が制作を担当している。そのため、撮影は基本大阪で行われるのだが、とある出演者に配慮した工夫も行われていた、

「ヒロインの友人役を演じている水野美紀さんは、’17年にお子さんを出産しています。本来、出演者の方は大阪に宿を取ることが多いのですが、水野さんはお子さんと一緒にいたいそうで、東京から遠距離通勤しているんです。そういった理由を鑑みて、水野さんが収録の際は時短で収録ができるよう、戸田さんも含めたスタッフが協力していました」(テレビ誌ライター)

同局で‘18年10月から放送された『まんぷく』。主演を務めた安藤サクラも、’17年1月に出産したばかりの“ママさんヒロイン”として話題になった。当時は彼女をバックアップするため、時短撮影はもちろん、放送局内に託児所を設けていた。

「安藤さんは過去にヒロインオーディションに何度も臨んでいたため、オファーをとても喜んだそうです。以前は“若手女優の登竜門”というイメージが強かったのですが、近年はオファーによる主演の決定も増えた印象。特に、安藤さんがオファーされた『まんぷく』以降は全て、ヒロインはオファーで決まっています。これも働き方改革の一端。スタッフの稼働時間を抑えるべく、撮影スケジュールが前倒しで始めるため、オーディションを開催するよりも効率的な面があるからです。また、時短撮影に臨むなかで、若手のヒロインよりも実力のある女優さんの方が、NGが少ないという理由もあるのではないでしょうか」(同・テレビ誌ライター)

通算100作目となる”メモリアル・ヒロイン”を務めた広瀬すず。黒いドレスで打ち上げ会場を訪れた(’19年)

記念すべき第100作目『なつぞら』でヒロインを務めた広瀬すずも、オファーによる抜擢。クランクアップが深夜に及んだため、異例の措置が取られたことも話題になった。

「通常、朝ドラのクランクアップは報道陣に公開されていました。しかし、どう頑張っても日付をまたぐような時間帯にしかクランクアップできないということで、非公開としたのです。取材対応に関わるスタッフの負担軽減のため、ということでした」(ワイドショースタッフ)

3月30日からスタートする『エール』は、窪田正孝が主演、ヒロインを二階堂ふみが演じる。男性の単独主演としては24年ぶりとなる。

「『エール』は月曜日〜金曜日までの週5回放送へ変更になります。今まで本編を放送していた土曜日は、1週間の総集編を放送するそうです。働き方改革による単純な時短ということもありますが、今春から4K放送での制作も始まる。そのため、現行の2Kよりも収録や編集に時間もコストもかかってしまいます。現場の負担をできるだけ軽減するために、撮影スタッフを3つの班に分けて、持ち回りで撮影に臨んでいます。働き方改革が本格的に始まってから、約2年。まだ始まったばかりです。『スカーレット』のスピンオフ後は若干視聴率を落としていますが、まだ改革の良い方法を模索している最中ですから、やむを得ないと思います」(前出・スポーツ紙記者)

働く時間は削っても、ドラマの質は落とさないように……。長年、国民に親しまれている“朝ドラ”のプライドをかけて、現場の創意工夫は続く。

昨年女優の水川あさみと結婚したばかりの窪田正孝。”働き方改革”で夫婦の時間も取りやすくなるか(’19年3月)
  • PHOTO島颯太(戸田)、立原笑美(広瀬)、川上孝夫(窪田)

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