『報ステ』は20%台へ!コロナ余波で視聴率激増の番組一覧

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『報道ステーション』公式サイト

視聴率上位のほとんどが報道・情報番組

新型コロナウイルスの感染拡大が続き、感染者の速報から、政府の対応、市民レベルの対策、各所への影響まで、さまざまな情報が飛び交っている。主な情報発信地となっているのは、テレビとネットメディアの2つ。感染拡大を避けるべく、「不要不急の外出は控えるべき」という呼びかけで人々の在宅率が上がり、両者ともに視聴数を伸ばしている。

特に目を引くのは、テレビの報道・情報番組。たとえば2月27日の『報道ステーション』(テレビ朝日系)は、視聴率20%の大台を突破して業界内をザワつかせた。

最近の日別視聴率トップ5をあげていくと、

2月26日(水)は、1位『スカーレット』(NHK)19.7%、2位『報道ステーション』18.0%、3位『NHKニュース7』(NHK)16.6%、4位『相棒』(テレビ朝日系)14.1%、5位『NHKニュースおはよう日本』(NHK)13.7%。

2月27日(木)は、1位『報道ステーション』20.0%、2位『NHKニュース7』19.2%、3位『スカーレット』19.1%、4位『ニュースウォッチ9』(NHK)15.0%、5位『秘密のケンミンSHOW真冬の2時間SP』(日本テレビ系)14.0%。

2月28日(金)は、1位『ニュース845』(NHK)20.2%、2位『スカーレット』19.0%、3位『NHKニュース7』18.7%、4位『ニュースウォッチ9』16.6%、5位『チコちゃんに叱られる!』(NHK)15.2%。

2月29日(土)は、1位『NHKニュース7』21.3%、2位『新・情報7daysニュースキャスター』(TBS系)18.5%、3位『スカーレット』18.3%、4位『ニュース645』(NHK)17.7%、5位『新型コロナウイルス感染拡大を抑えるには』(NHK)17.4%。

3月1日(日)は、1位『ポツンと一軒家』(テレビ朝日系)18.8%、2位『NHKニュース7』17.8%、3位『真相報道バンキシャ!』(日本テレビ系)16.9%、4位『笑点』(日本テレビ系)16.5%、5位『サンデーモーニング』(TBS系)16.3%。

3月2日(月)は、1位『スカーレット』18.8%、2位『報道ステーション』16.1%、3位『ニュース7』15.1%、4位『有吉ゼミ』(日本テレビ系)14.2%、5位『news every.第3部』(日本テレビ系)14.1%。

過半数が報道・情報番組であり、ここに挙げたもの以外でも、朝、昼、午後、夕方、深夜の番組が数パーセントを上積みして視聴率2桁前後を獲得している。まさに新型コロナウイルス特需だが、この状態は何を意味しているのだろうか。

「本当に頼れる番組か」がシビアに問われている

マスク着用など、テレビ取材も厳戒態勢のなかで行われている/写真 アフロ

前述した視聴率トップ5にNHKの番組が多いことから多くの視聴者は、キャスターが原稿を読み上げるストレートニュースを求めている様子がうかがえる。民放各局のように演出が施されたものではなく、「公共放送のNHKから最新の情報を得よう」ということだろう。

これは「テレビ、なかでもNHKのニュースは、ネットのそれよりも、第一次情報としての信頼性が高い」という評価ではないか。さらに、「新型コロナウイルスは高齢者のリスクが高い」と言われていることも、同層の視聴者が多いNHKの番組視聴につながっている。

また、2月29日の夜に注目してみると、20時54分から放送の『サタデーステーション』(テレビ朝日系)が前4週平均視聴率12.1%から0.2%上がっただけの12.3%に対して、22時から放送の『新・情報7daysニュースキャスター』は前4週平均視聴率15.0%から3.5%と大幅アップの18.5%だった。

視聴者が各局のスタッフに、「国難とも言える深刻な事態に陥ったとき、本当に頼れるのはどの番組なのか?」という答えを突きつけているのだ。

これは平日の午前、昼、午後、夕方、深夜に放送されている報道・情報番組も同様。民放各局が横並びに近いテーマを扱っているだけに、現在のような深刻な事態に陥ったときこそ信頼を得ておかなければ、その先の視聴は期待できない。報道・情報番組に携わるテレビマンにとっては「今が勝負どき」なのだ。

実際、午前に放送している2つの情報番組にリサーチを入れたところ、両番組とも現場は相当に苦労していた。無理もない。連日、新型コロナウイルスの情報を1時間以上に渡って放送しなければいけない上に、次々に飛び込んでくる情報の精査、ロケ地の選定と準備、専門家の手配など、やるべきことは多い。

加えて、裏番組の内容を確認し、視聴率がふるわなければ、即時の改善策が求められる。街ブラなどのお気楽企画で逃げることは許されないのだ。

絶対に許されない番組関係者の感染

報道・情報番組を手がける彼らの仕事をさらに難しくしているのは、「スタッフやレギュラー出演者から絶対に感染者を出してはいけない」というプレッシャー。

もちろん、どの会社にも当てはまることではあるが、テレビ局、なかでも報道・情報番組はその最たる部署であり、「裏番組で報じられてしまう」なんて失態は許されない。

ある早朝番組のスタッフは、「スタジオはもちろん打ち合わせのときも鼻水をすするだけで気をつかう」「めったに使わないスタジオから遠い場所にあるトイレでひそかにせき込んでいる」と話していた。スタッフ間の会話もふだんより少なく、出演者同士が談笑することも減っているという。

ただ、「ハードワークの中、自らの身を守り、周囲への気づかいも求められる」という厳しい状況ではあるものの、やりがいを見出しているテレビマンも少なくない。今回のような国難は、報道・情報番組に携わるテレビマンにとっては腕の見せどころであり、知人の情報番組キャスターは「本当に必要な情報を届けたい」「視聴者の不安を少しでも軽減させたい」という純粋な使命感を隠そうとしなかった。

まだまだ先の見えない日々が続くだけに、今後もさまざまな情報が発信されるだろう。こんな状況だからこそ、あなたが本当に信頼できるメディアが見つかるのかもしれない。

  • 木村隆志

    コラムニスト、テレビ・ドラマ解説者、タレントインタビュアー。ウェブを中心に月20本強のコラムを提供し、年間約1億PVを記録するほか、『週刊フジテレビ批評』などの番組にも出演。取材歴2000人超の著名人専門インタビュアーでもある。1日のテレビ視聴は20時間(同時視聴含む)を超え、地上波全国ネットのドラマは全作品を視聴。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』など。

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