会話5分で3千の飛沫! 新型コロナ予防にメガネが重要なワケ

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“無防備な目”がさらされている「飛沫感染」「接触感染」のリスク。この時期、花粉症の人は要注意!

WHOのデータによると、くしゃみ1回あたり約4万個、咳では1回あたり約3千個、5分間の会話で約3千個の飛沫と飛沫核が生じるという。

中国では、眼科医が新型コロナウイルスの感染により亡くなっている。むき出しの臓器と言われる「目」。予防には効果がないといわれているマスクより、目をガードするメガネのほうがはるかに重要なのかもしれない!

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新型コロナウイルスは目からも感染する?! 中国では、眼科医が相次いで亡くなっている

飛沫感染と接触感染が感染経路とされる新型コロナウイルスの感染予防の基本は、「手洗い」「マスクの着用を含む咳エチケット」だが。日本眼科学会・日本眼科医会は、新型コロナウイルスによる結膜炎の感染予防のために「手で直接目を触らない」といった対策が有効と発表している。

中国・武漢市で今月3日、9日、同じ病院の眼科医が新型コロナウイルスによる肺炎で死亡した。同病院では、眼科医が同ウイルスに感染して死亡するケースが相次いでいる。いち早く肺炎への警鐘を鳴らした李文亮氏(2月7日に新型コロナウイルスによる肺炎で死去)も、同じ病院の眼科医だった。

1月22日には、武漢市で患者の調査を担当していた国の肺炎対策専門委員会のメンバーの一人が、新型コロナウイルスに感染。その際、N95マスクを着用していたが、目の保護具を着用していなかったという。

この点に着目した中国・吉林大学眼科のCheng-Wei Lu氏らは、「新型コロナウイルスが鼻や口の粘膜だけでなく、目からも感染しうる」と、世界5大医学雑誌の一つ「The Lancet(2月6日付)」で発表した。

「呼吸器症状を引き起こすウイルスを含む飛沫や体液は、結膜上皮を容易に汚染しうる他、目合併症や呼吸器症状を引き起こす可能性がある」と指摘し、疑い例(感染の疑いのある患者)を診察する眼科医は、目の防護具を装着するよう提言している。

日本環境感染学会による「新型コロナウイルス感染症への対応ガイド」でも、防護具として、目・鼻・口を覆うよう、アイシールド付きサージカルマスクや、サージカルマスクとゴーグル/アイシールド/フェイスガードの組み合わせが、治療にあたる医師向けに指示されている。

咳やくしゃみの「しぶき」は2メートル飛ぶ

厚生労働省が発表している、咳やくしゃみで飛び散る「しぶき」を撮影したYouTube動画によると、「しぶき」は約2メートル飛び、落下するという。

2メートルというと、満員電車じゃなくても、職場内、道路を歩いていたって、目の前の人がマスクせずに咳やくしゃみをすれば、こちらはまともに飛沫を浴びてしまう距離だ。マスクをしていても正しく装着していないと、隙間から飛沫が飛ぶこともある。

WHOが2009年に発表したレポートによると、飛沫の定義は、一般に直径5μmよりも大きな水滴とされ、飛沫の落下速度は、無風状態で30〜80cm/秒なので、立った状態の成人の口から出た飛沫が地面に落ちるまでの飛距離は2〜5m程度となる。 

また、くしゃみでは1回あたり約4万個の飛沫と飛沫核が生じるとされ、咳では1回あたり約3千個。5分話すだけでも約3千個の飛沫と飛沫核が生じるという。

花粉症対策のメガネは、新型コロナウイルスにも有効

そこで、注目したいのが花粉症対策用のメガネだ。人混みや満員電車などでのウイルス対策に効果が期待できる。また、メガネをかけていることで、無意識のうちに目をこすったり、触ってしまうということを、ある程度防ぐことができるという効果もある。

ゴーグルタイプだと大げさな感じになって誰でもというわけにもいかないが、メガネタイプなら、気軽に通勤ファッションにも取り入れられる。花粉が目元に付着するのを防ぐフードは、横からの飛沫攻撃に効果がありそうだ。フードの取り外しが利く2Way仕様や曇り防止レンズのタイプもある。

多くの中国人が来日した1月末の春節時には、ゾフ、ジンズ、眼鏡市場等、アイウェアブランド各社が販売する花粉症対策メガネが、新型コロナウイルスの感染防止の保護眼鏡として需要が伸び、売上が倍増したという。

100円均一ショップや、300円均一ショップでも、その値段とは思えないクオリティの花粉症対策メガネが揃っていて、花粉症ユーザーに評判がいい。マスクを併用するときに便利な曇り防止スプレーなどのアイテムも人気だ。

花粉症の人も、そうでない人も、また、コンタクトレンズをしている上から伊達メガネとしてもおすすめ。マスク同様、むやみにメガネに触らないように注意し、使用後はクリーナーや水洗い等でメガネの除菌も忘れずに。 

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インフルエンザ同様、花粉症の人、喫煙者はウイルスに感染しやすい!?

スギ花粉はそろそろピークを終えるが、これから、3月下旬~4月中旬にはヒノキの花粉が飛散のピークを迎える。

アレルギー性鼻炎の人は、鼻の粘膜に常に炎症が起きていてダメージを受けている状態のため、そこからインフルエンザウイルスが感染しやすくなるという。同じく飛沫感染が感染源である新型コロナウイルスに関しても同様のリスクがあるのだろうか。インフルエンザの記事で取材をした医師の山本佳奈氏によると、

「バリア機能が低下しているという意味では、ウイルスに感染しやすいということはあるのかもしれません」(山本佳奈氏)

イギリス・ノッティンガム大学のLawrence Hannah氏の研究グループで喫煙とインフルエンザ感染の関連を調べたところ、喫煙者のインフルエンザ発症リスクは、非喫煙者の5倍にもなったというレポートも発表されている。

単純に考えても、花粉症の時期は、目、鼻、口を触る率が高い。喫煙に関しても、口まわりに手が触れる頻度は高い。それだけでも、感染リスクは高くなりそうだ。 

持久戦になりそうな新型コロナとの闘い。マスクが手に入らない状況もまだしばらく続きそうだ。普段からできる予防策を心がけて、ストレスが少ない快適な生活をおくりたい。

山本佳奈 医師。2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。ナビタスクリニック(立川・新宿)内科医、ときわ会常磐病院(福島県いわき市)非常勤医師、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員、東京大学大学院医学系研究科博士課程在学中、ロート製薬健康推進アドバイザー。著書に『貧血大国・日本』(光文社新書)

  • 取材・文藤岡佳世写真アフロ

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