オリックスが浮上!さらに上を目指すためにカギとなる選手は?

スタートダッシュでつまずいたものの、ついに最下位を脱出したオリックス。優勝争いに絡むには?

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オリックスの絶対的エース、山本由伸

今シーズンのプロ野球で開幕から出遅れたのが阪神とオリックスの関西を本拠地とする2球団だ。阪神については先日、『「開幕ダッシュに大失敗した阪神」にそれでも期待できる5つのワケ』というタイトルで浮上の要因を探る記事を公開し、オリックスについても同様の切り口で触れようとしていたころ、西武、日本ハムとの6連戦にいずれも大きく勝ち越して阪神より一足早く最下位脱出に成功した。

そんなオリックスに同じテーマでは失礼なため、今回はここから更に優勝争いに絡むためのポイントについて探ってみたいと思う(成績は7月12日終了時点)。

オリックスの持つ最大の強みと言えば、山本由伸の存在になるだろう。開幕3戦目の楽天戦で8回を投げて10奪三振、無失点の圧巻のピッチングで今季初勝利をマークすると、7月12日の日本ハム戦でも6回1死までパーフェクトの快投を見せて最終的にも1失点13奪三振で完投勝利をあげている。常時150キロを超えるストレートと打者の手元で鋭く変化するボールをしっかりコーナーに投げ分けており、四球で自滅するようなこともない。

ここまで4試合に先発して3勝0敗、防御率は1.82とその安定感は12球団でもナンバーワンだ。他球団にとってみれば、最も対戦したくない先発投手と言えるだろう。逆にオリックスからすると、いかにシーズンを通じて山本の状態を維持できるかがポイントとなってくる。

ここまで4試合で投じた球数の平均は105球と目立って多くはないものの、完投した日本ハム戦では1点リードの9回も山本に託し、最終的には119球を投じたのは少し気がかりである。目先の勝利にこだわりすぎることなく、山本の状態を最優先に考えることが長い目で見ればプラスに働くことは間違いない。

投手陣で次にポイントとなるのがリリーフ陣の整備だ。昨年終盤に抑えに転向したディクソンがここまで3セーブをマークしているものの、9試合の登板で走者を許さなかったのはわずかに3回ともうひとつ安定感には欠けている。

昨年途中まで抑えを任されていた増井浩俊もここまで防御率5点台と苦しんでいる状況だ。その他の中継ぎ陣では実績のある山田修義新外国人のヒギンス、現在は故障で離脱しているが比嘉幹貴などがまずまずの成績を残しているが、もう少し頼れる投手の枚数を増やしたいところだ。

そこで候補として推したいのがルーキーの村西良太2年目の漆原大晟の二人だ。

村西はプロ初登板初先発となった6月25日のロッテ戦では3回5失点で負け投手となり、すぐにローテーションからは外されたが二軍では安定した投球を続けている。そして大学時代からの持ち味は球威で押すピッチングであり、リリーフの適正は高いように見える。また漆原も今季は二軍で先発を任されているが、昨シーズンはウエスタンリーグで最多のセーブをマークしている。ともに短いイニングであれば150キロを超えるスピードボールを投げられるだけに、一軍のリリーフとしても是非テストしてもらいたいところだ。

次に野手陣だが、主砲の吉田正尚が開幕から好調をキープしており、得点源としてしっかり機能している。更にここ数年不振に苦しんでいたT-岡田も打率こそ低いものの、ここまでチームトップとなる5本塁打、18打点をマークするなど復活傾向にあるのも大きなプラス要因だ。新外国人のジョーンズロドリゲスも、チームに圧倒的に不足していた長打力という点では確かな上積みとなっている。

ただその一方で課題となっているのがチャンスメーカーの不在だ。

開幕当初はT-岡田を1番、ロドリゲスを2番に置く超攻撃的なオーダーで臨んだが機能せず、6月下旬からは宗佑磨、大城滉二、安達了一などを上位で起用しているものの、いまだに1、2番を固定することができずにいる。下位を打つ若月健矢がここまで意外な活躍を見せているのは救いだが、やはり安定して出塁できる選手が吉田と両外国人の前に欲しいところだ。

二軍まで見ても現段階でプッシュしたくなるような結果を残している選手は見当たらないが、若くて脚力のある西浦颯大、佐野皓大、西村凌あたりの奮起に期待したい。

現在12球団で最も日本シリーズ進出から遠ざかっているオリックスだが、ここ数年のドラフトを見ていると上昇気流は感じることができる。今年の優勝は難しかったとしても、クライマックスシリーズ争いに加わってくれば、更にそれが加速することも十分に考えられる。前述したような課題を克服して、上位球団に食らいついていくような戦いを見せてもらいたい。

  • 西尾典文(にしお・のりふみ)

    スポーツライター。愛知県出身。’79年生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行う。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究(PABBlab)」主任研究員。

  • 写真時事通信社

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