進化し過ぎでしょう!?大阪はかき氷もやっぱりぶっ飛んでる
封印を解いて、グルメライター猫田氏が大阪の“超”進化系かき氷を片っ端から食べまくった
「かき氷には並びません」が私のマニフェストだったのですが、あまりにも女子がかき氷に命賭けてるので、そんなにいいものなら一度食べてみてやるか…と上から目線で食べ歩いてみました。
するとやはり大阪、人間と同じでかき氷もキャラ立ってましたよ。そんなかき氷初心者の猫田が若い女子に混じってかき氷食べまくったレポートをお届けします。
おそらく大阪一エキセントリックなかき氷:『麺とかき氷 ドギャン』(谷町四丁目)
ウゲー! と声が上がりそうなかき氷。「ドギャン」は本来宮崎料理居酒屋ですが、谷町四丁目店では鶏そば、台湾まぜそば、ローストポーク丼、チーズドック、タピオカ等々、当たりそうなもんなら何でも置いてる! と思いきや、全部ちゃんと味にもこだわってます。
現在扱っているのは「チョコミントかき氷」「カオナシかき氷」「レインボー王蟲かき氷」ですが、これまでにも人間が食べて良いのか迷うレベルのかき氷を繰り出してきました。
- 【かき氷を確実に食べる方法】
- かき氷の予約不可。土日以外の平日のかき氷提供は13時〜。
おそらく大阪一デカいかき氷:『みしょう』(中崎町)
オサレな店が並ぶ路地のほっそい階段を登るこちら、予約優先制ですが休日は予約しても待つことがあるばかりでなく、予約しないと相当待ちます。三連休の初日は3時間待ちました。猫田史上一番待った店ですね。
かき氷はどれも、運ばれていくのを二度見するほどデカい。バレーボール大ぐらいあります。男性客が「俺もう、限界や…」と言って彼女に食べてもらっている光景も目の当たりにしました。
かき氷に2000円って正気!? とお思いでしょうが、今ドキのかき氷は1000円越えが当たり前。みしょうのかき氷は、「かき氷」と思ってはいけません。氷を土台にした高級フルーツのア・ラ・モードとでも言うのでしょうか。
- 【確実にかき氷を食べる方法】
- 予約は営業日前々日までの19時以降にダイレクトメッセージにて。予約なしでも席を用意していますが、ヘタすると3時間ほど待つので、予約が確実。
言うなれば「おいしい妖怪」!:『cafe12』
かき氷屋が比較的怖いお店が多い中(あまりにも行列するのでピリピリしてるのだろうか)、こちらはフレンドリーで安心します。
頼んだのは「コーンdeストロベリー」1300円(税抜)。運ばれた時、隣の人が「コーンポタージュかかってる!」とヒソヒソ言っていました。友人に写真を送ったら「千と千尋でお風呂入りに来たドロッドロの妖怪みたい」と、到底かき氷に対するコメントとは思えない返事が来ました。
コーン部分を掘削すると、甘いイチゴソースと溶け合って酸味のある新たな味わいに。また氷が、ささめ雪ですか! ってほど繊細でソフト。「特別な氷ですか?」と聞いたら「普通のです」…。いやそんな訳ねえだろう、と問い詰めたら「温度管理を徹底して、ふわふわの口当たりにしてるんです」とのこと。こだわってないふりして、ニクいねえ!
途中、ストローを持って来てくれます(かき氷屋では普通らしい)のでシェイクとしても楽しめます。最後に、湯飲みを持って来たので何かと思ったら、「熱湯です。頭キーンとしないように」。かき氷業界、ホスピタリティも進化しているんですねー。
- 【確実にかき氷を食べる方法】
- 予約不可。開店の少し前に並んでおくと、一回転目に入れる可能性大。
並ばなくても食べられる! 穴場店:『がるる氷』(中崎町)
3時間も並んだら熱中症なるわ! という人は、商店街の中にあり比較的並ばずに入れる「がるる氷」へ。
かき氷にしては良心的な700円〜という値段。「アボカドキャラメルミルクinグレフル」「安納芋」「キャラメルかぼちゃクリーム」など女子が好きなテイストを繰り出す中、人気はこの「珈琲屋のティラミス」1000円(税込)。姉妹店「ガルル珈琲」のオリジナルブレンドコーヒーを濃くドリップしたシロップと、上のエスプーマとほろ苦いココアが混ざって、最後にアイスカフェオレのようになるのがたまりません。
- 【確実にかき氷を食べる方法】
- 予約不可ですが比較的入りやすいので、開店と同時に行けばすぐ食べられる可能性大。
フルーツとスイーツのタワマンかよ:『かき氷研究所』(本町)
スイーツレポーターちひろさんが開いた、元祖かき氷の名店。こちらはEXILEや関ジャニほか、男性タレントも訪れる店です。かき氷はこれまたサッカーボールくらいのサイズで、フルーツにエスプーマ、チーズケーキ、コンフィチュールなどが詰め込まれ多層構造もいいとこ。ちひろさんってどんな可愛らしい女性かと思っていましたら、男性なんですね。
- 【かき氷を確実に食べる方法】
- 近くの「ちひろ菓子店」でもかき氷を提供。2店舗とも前日までの予約可能。
かき氷を色々食べ歩いて、思ったのは「冷えるな!」ってこと! ってあたりめーだろと怒られそうですが、こんなにクリームとかスイーツとかゴテゴテ乗ってるかき氷でも、ちゃんと冷えます。
しかしどの店も満席だわ並ぶわ、大繁盛です。私もかき氷売ったら儲かるかなーとか考えてしまいましたが、氷だけじゃなくてエスプーマとかおいしいソースとか高級フルーツとか、案外原価かかりそうなのでやめときます。
- 取材・文・写真:猫田しげる
1979年生まれ。タウン誌、旅行本、レシピ本などの編集・ライター業に従事。現在はウェブライターとしてデカ盛りから伝統工芸まで幅広い分野で執筆。弱いのに酒好きで、「酒は歩きながら飲むのが一番旨い」が人生訓。 猫田しげるの食ブログ 「クセの強い店が好きだ!」https://nekotashigeru.site/