『のだめカンタービレ』の原作マンガ再現力が今も語り草になるワケ

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「素晴らしい若手の俳優さんたちが集まってくれて、もう何も言うことはないと思いました」

と、ドラマ化が決定し、キャストを聞いたときの気持ちを語るのは、現在再放送が話題を呼んでいるドラマ『のだめカンタービレ』の原作者・二ノ宮知子氏。

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『のだめカンタービレ』第1巻 二ノ宮知子著(講談社刊) 女性漫画誌『Kiss』にて2001年から2010年まで連載された

 

2006年の放送当時、のだめを演じた上野樹里は20歳、憧れの先輩・千秋真一を演じた玉木宏は26歳。ともに10代でデビューし、俳優としてのキャリアは積んでいたものの、この作品がきっかけでブレイクしたと言っても過言ではない。

全力で原作漫画に寄せてきた俳優とドラマ制作陣

1986年生まれの上野樹里は、2000年に雑誌の専属モデルオーディションを経て2001年に芸能界デビューし、2003年のNHK朝ドラ『てるてる家族』(石原さとみ主演)で女優としてのキャリアをスタート。その翌年、主演した映画『スウィングガール』で日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞した。のだめ役で脚光を浴びたのはその2年後。その後の活躍は、知っての通りである。

一方、超美形のエリート音大生・千秋を再現率200%で演じた玉木宏は、1980年生まれ。高校2年生でスカウトされて現在の所属事務所に入ったものの、2003年に朝ドラ『こころ』、フジテレビの連続ドラマ『ウォーターボーイズ』で注目を浴びるまでは、オーディションで役を勝ち取っていたというから、意外に下積み時代が長かったと言える。そして、3年後の『のだめカンタービレ』で見事なハマり役に出会う。

この2人の、変顔さえも厭わない演技はもちろん、峰龍太郎役の瑛太(現在は永山瑛太)、奥山真澄役の小出恵介も、シュトレーゼマン役の竹中直人も、振り切った演技で原作のイメージを忠実に再現している。

 

「監督とプロデューサーが徹底的に漫画のイメージに寄せてくるゲームをしていたので、千秋やのだめが吹っ飛ぶシーンは、飛ばす用の人形が用意されていたり、スタントさんの特撮アクションになっていたりして、『普通そんなことする?』って逆に驚くことばかりでした。真面目にふざけてましたよね。そういうの好きですけど(笑)」(原作者・二ノ宮知子氏 以下同)

そもそも、原作漫画には本当の「野田恵さん」というモデルがいて、彼女の音大時代の汚部屋が発想の原点、というのはファンの間では有名な話。ドラマでももちろん、細部に至るまでこだわりが見て取れる。

名作漫画『のだめカンタービレ』はこの“汚部屋”写真から始まった

ここまでの反響は予想外だった……

「そんなに大層なものを描いているつもりはなかったし、反響は予想外でした。5巻くらいからは『コレは売れてしまうかもしれない』と思いましたが…」

と二ノ宮氏は語るが、のちに韓国版ドラマが制作されるなど、海外でも高評価を受け、クラシック音楽ブームを巻き起こし社会現象ともなったこの作品。今回の再放送も、スタートのタイミングで二ノ宮氏本人が「この作品には数々の暴力、セクハラシーンがあるのでご注意下さい」とツイートしたことが話題になったり、16日の放送が菅内閣発足の緊急放送で飛んだ際にブーイングが起きたりと、大いに世間をざわつかせている。

この再放送で初めて「のだめ」に出会い、原作に触れることになる世代も多いと思うがーー。

「むしろ今から読む人たちがどう思うのかに、とても興味があります。音楽や、のだめたちの世界が、また同じように楽しんでもらえたら嬉しいですね」

それまでのクラシック音楽と、その道を極めんとする音大生たちへの既成概念を大きく覆し、「天才」と言われる人たちの抱える苦悩とキレイ事だけじゃない日常を、笑いを中心にイキイキと描いた二ノ宮氏。その熱い思いが令和の今も、多くの人の心を動かしている。

二ノ宮知子(にのみや・ともこ) 埼玉県出身、ふたご座のA型。1989年『LONDONダウトボーイズ』でデビュー。翌年『トレンドの女王ミホ』の連載で人気漫画家に。代表作は『天才ファミリー・カンパニー』『平成よっぱらい研究所』『GREEN』。クラシック音楽コメディ『のだめカンタービレ』が大好評を博し、2004年、第28回講談社漫画賞を受賞。現在は「Kiss」で『七つ屋志のぶの宝石匣』を連載中。

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『のだめカンタービレ』第1~3巻

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