全国の学校で続出の爆破予告 電通事件と同一「犯人の氏名」の怪

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6月に爆破予告のあった電通本社(東京・汐留)。犯人は続出する学校への予告と同姓同名を名乗っているようだが…(画像:アフロ)

「学校を爆破する」

不気味な予告が相次いでいる。金沢市、七尾市、小松市、栃木県日光市、鹿沼市……。9月の4連休中、石川県内の小中高校を爆破し、生徒を誘拐するなどと予告するメールが届いた。幸いにも何も起きなかったが、同様のメールはその後も全国各地で続発。予告を受けた市町村は、すでに20を超えている。

「9月の最終週にも、爆破予告が相次ぎました。予告メーが届いたのは茨城県古河市、土浦市、筑西市、大阪府四条畷市、沖縄県宮古島市、島根県江津市などの各市役所です。10月2日に市内の小中高校を爆破すると予告された宮古島市は、当日の臨時休校を決めました」(全国紙社会部記者)

メールの内容はどれも似通っている。弊媒体が入手した9月29日深夜1時26分に島根県江津市の総務課に届いた「10月2日に学校を爆破し、児童・生徒を誘拐させていただきます」のタイトルで始まるメールには、こんな脅迫文が書き込まれていた。

〈最近、子共(原文ママ)の臓器提供者が少ないことに憂いております。救える筈の命が救えなくなっています。なのでより多くのドナーを獲得するために10月2日金曜日の12時30分より、市内の高校4校、小中学校10校を爆破して、その混乱に乗じて、患者リストと条件の合う児童・生徒を数名誘拐します〉

〈満足がいくドナーがいなかったら、13時30分頃に市役所に硝酸アンモニウムを詰め込んだトラックを衝突させ、市長山下修に贖罪を追わせます。どうしても嫌なら10月1日の23時59分までに以下のアドレスに25BTCを振り込んでください〉

市庁舎も閉庁

「BTC」とは仮想通貨のビットコインのことで、25BTCはおよそ2800万円に相当する。文面には振込先や犯行後に犯行声明を出すと予告した動画チャンネルが明記され、犯行グループ6人の名前と住所も記されていた。送信者を調べると、新たな事実も判明。今年6月、電通本社ビルを爆破すると同社のウェブサイトに書き込んだ人物と同姓同名なのだ。模倣なのか、それとも同一人物らによる犯行なのかは不明だが…。

江津市では、9月1日にも市役所に爆弾をしかけるとの予告があった。

「この時は爆破予告の時間帯に市役所を閉庁しました。今回、休校の措置は取りませんが、警察に連絡の上、警戒を強める予定です。対象となる学校の保護者にも爆破予告があったことをメールで配信しています。市民や行政機関にとって迷惑以外の何物でもない。本当にやめてもらいたい」(総務課)

市内の高校へ子どもを通わせる保護者が、怒りをにじませる。

「実際に爆破や誘拐が起きて、万一、子どもの身に何か起きたらどうしようかと不安でたまりません。犯人はなぜこんなことをするのか。理解に苦しみます」

通報を受けた各県警では、威力業務妨害の容疑で捜査を進めている。東京未来大学教授で犯罪心理学が専門の出口保行氏が言う。

「この種の爆破予告は、自分は社会に評価されていないと不満を強めている人物がストレスの発散で行うことが多い。自分のしたことで社会に不安や動揺を与えることができることから大きな快感となり、止められなくなってしまいます。コロナ禍のストレスで、不満が蓄積しやすいことも増えている要因です。しかし、爆破予告は犯罪。やった者は確実に逮捕されるというメッセージを出していくことが大切です」

爆破を実行しようとしたのか、単なるいたずらなのかーー。どちらにしても、学校や子どもたちを恐怖におとしめた大きな償いは、メールの送信者に科せられる。

  • 取材・文桐島 瞬

    ジャーナリスト。’65年、栃木県生まれ。原発問題からプロ野球まで幅広く取材。『FRIDAY』や『週刊プレイボーイ』、『週刊朝日』など雑誌を中心に活躍している。

  • 写真西村尚己/アフロ

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