ブームの予感…行列ができる「コオロギラーメン店」に潜入!
食糧難時代に現れた救世主 1日1万4000匹、1杯に100匹使用
馬喰町『ANTCICADA(アントシカダ)』
来たるべき食糧難と環境問題を解決し、ひいては地球を救うと期待される食材がある。そう、それはコオロギである――。
エサや水の使用量は牛などの一般的な家畜の10分の1以下、誕生から出荷までわずか35日、重量の約60%がタンパク質という夢の食材だ。『国連食糧農業機関』も’13年に発表した報告書で食料としてのコオロギの優秀さに言及し、食用利用を推奨している。今、世界中の人々がコオロギに熱い視線を送っているのだ。
コオロギブームは日本にも上陸している。東京・馬喰町(ばくろちょう)にある昆虫食レストラン『ANTCICADA(アントシカダ)』の看板メニューは「コオロギラーメン」だ。毎週日曜日には開店と同時に満席になる人気ぶりだという。代表の篠原祐太氏が言う。
「スープには1万4000匹の国産コオロギを使用しています。麺にはコオロギが練りこんであり、実はスープに使用する醬油と油もコオロギをベースに作っているんです。
幼少期から虫が好きで、虫ってこんなに美味しくて面白いんだ、ということをより多くの人に伝えるために料理を提供しています。虫が食べられるという珍しさではなく、普通のラーメン店と同じようにこれだけこだわるから美味しいんだ、とあくまで食材として昆虫を楽しんでほしいと思っていますね」
実食してみると、エビのような香ばしい風味で、コクがあり滋味深かった。
地球を救うスーパーフード・コオロギ。その魅力を人々はもう〝ムシ〟できない。
『FRIDAY』2020年12月4日号より
- 撮影:濱﨑慎治