高杉真宙、本郷奏多、山田涼介…名優が「ガチゲーマー」になるワケ | FRIDAYデジタル

高杉真宙、本郷奏多、山田涼介…名優が「ガチゲーマー」になるワケ

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【高杉真宙】

4月11日で現在所属している事務所・スパイスパワーを独立することが発表された俳優の高杉真宙。映画『散歩する侵略者』での宇宙人役や『ギャングース』での“タタキ”稼業の若者、『サギデカ』での特殊詐欺グループの「かけ子」役など、いわゆる“イケメン俳優”とは一線を画した実力派として、20代半ばでは間違いなくトップクラスに位置する役者だと思う。

そんな彼は、独立後、役者業に加え、ゲーム関係の仕事もしたいと語り、話題になっていた。『スポニチ』の取材では「ゲームのイベントに参加してその魅力を広めたり、腕が上がればeスポーツにも挑戦できれば」とコメント。また、2月放送分のラジオ番組『ライムスター宇多丸とマイゲーム・マイライフ』にゲスト出演した際には、子ども時代にゲームボーイアドバンスをやりすぎて親に何度も隠されたといったエピソードも披露していた。

そういえば、過去に何度かインタビューさせていただいた中で、もともと漫画&アニメオタクで「壁一面埋め尽くすほど漫画がある」という彼が、近年のインタビューでは「最近はゲームにハマり、グラフィック性能が高いハイスペックなゲーム用PCを買ってしまった」などと語っていたことを思い出す。

いよいよ仕事にも……という例は稀有だが、それにしても、役者には「ガチゲーマー」が多い。一体なぜなのか。

【松坂桃李】

有名どころでは、松坂桃李。日頃からゲーム好きを公言している彼だが、twitterでのこんな発言が話題になったこともある。

「今はFFIXにまたハマっています。やはりIXが個人的には一番好きです。どれくらい好きかというと、UCのジンネマンくらい好きです。」 

謎用語の連発ぶりには困惑するファンが多かった一方で、「ファイナルファンタジー9」の話をしながら、例としてガンダムのキャラを挙げてくるオタクぶりは、多くのオタクたちに「お仲間」認定され、好感度を大幅に上げていた。菅田将暉のラジオ番組に出演した際、自身のプレイヤー名を綴りまで詳細に説明して「暴露」し、フレンド募集したことで、菅田に心配されるなどという珍場面もあった。

【二宮和也】

(写真:蓮尾真司)
(写真:蓮尾真司)

二宮和也のガチゲーマーぶりも広く知られており、「パズドラ」は1日平均11時間とラジオで語っていたことがあるほか、「パズドラ」内で開催されるランキング付きダンジョンにおいて、かなりの頻度で上位3%のプレイヤーしかもらえない「王冠」を入手していることや、「ドラクエ10」のゲーム内で知り合った仲間と「オフ会」に参加していたことなどが広く知られている。

また、昨年5月26日に幕張メッセで行われたゲームイベント「ガンホーフェスティバル2019」に「パズドラ」と書かれたTシャツ姿の二宮がサプライズ登場し、「パズドラ愛」を語った挙句、実際にプレイも披露。見事な指裁きを見せたものの、マスコミは一切報道することなく、何のパブでもない完全な「ガチ」だったことがオタクたちに大いに評価されていたこともあった。

【山田涼介】

(撮影:山田宏次郎)
(撮影:山田宏次郎)

また、山田涼介が『TVガイドPERSON』の中で最近気になる人として、元プロゲーマーの「StylishNoob氏」の名前を挙げ、「会いたいし、一緒にゲームしたい。いろいろ教えてほしいです」とコメントしたご縁から、交流がスタート。

後日、StylishNoobのゲーム配信の中で山田とゲーム『エーペックスレジェンズ』を一緒にしたことを語り、その腕前について「ランク、ソロでダイヤ2まで行ったことあるらしいよ。普通にヤバくない?」「マジでうまい。ストイックだし。普通にゲーマーとしてリスペクトできる」と発言したことで、ゲーマーたちは騒然。「山田涼介がダイヤ2ってことに衝撃」「毎日やってる俺でも無理なのに」などとネット上でささやかれ、急速に親近感&リスペクトを持たれていた。

【本郷奏多】

さらに11月2日、30歳の誕生日にYouTubeチャンネル「本郷奏多の日常」を開設した本郷奏多の場合、大好きなゲーム『ロックマン10』のノーダメージクリアに挑戦したり、ポケモンカードを開封・熱く語ったり、「ガチ」ぶりが多趣味ゆえに広く深く、とんでもなく大変なことになっている。

唖然としたのは、11月29日更新分の『【ガンプラ改造】イフリートとかいう最高にカッコいい機体』。安全設計されている角を「大人だから」とかっこよく尖らせてみたり、超音波洗浄機を使用したり、小さな機体の中にLEDを仕込んでみたり、相当手間がかかって面倒臭く難しいことをサラリとやってのけている。しかも、制作にかかった30~40時間をたった10分程度の動画に圧縮。動画の編集なども全て自分でやっている。いったいつ寝ているんだろう。

本郷奏多は、彫刻のような冷たく美しい顔立ちも静脈が浮き立つ細く青白い手もさることながら、声優仕事も多数こなす「イケボ」が大きな魅力である。正直、声だけで完全に有料コンテンツだ。

にもかかわらず、毎日更新してくれて、毎日無料。本当に良いのだろうか。

オタク×頭脳派ゆえの説明の巧さ・的確さで繰り広げられる解説&あらすじは、正直、何を言っているか内容的にはさっぱりわからない。そんなわけで、コメント欄は女性ファンの熱狂と、オタク男性たちのリスペクトの声が入り乱れる混沌とした状態になっている。 

ちなみに、『A-studio』に出た磯村勇人×泉澤祐希という朝ドラ『ひよっこ』コンビがゲームで交流を深めていることもファンの間では大いに話題になっていた。

なぜ人気俳優たちはゲームにハマるのか?

それにしても、なぜ良い役者たちがことごとくゲームに夢中になるのか。冒頭の高杉真宙の例などを見ても感じるのは、役者には”凝り性“の人が非常に多いことが一つに挙げられると思う。彼はかつてインタビューの中でやってみたい役柄について「漫画やゲームが好きだから、漫画家とか、ゲーム会社の社員とかも。それで、ゲームのデバッグ(プログラムのバグ・欠陥などを発見・修正する作業)とかの話も聞いてみたいですね」と語っていた。

いきなり「ゲームのデバッグの話を聞きたい」というのはなかなかのオタクぶりだが、関心を持ったもの・好きなものの資料を読みまくったり、調べまくったりする興味の熱量・探求心のあり方は、様々な人物・様々な職業などを演じるにあたり、確実に役立ってくるはずだ。

また、役者という職業の「集中力」のあり方が、ゲームとの親和性の高さにつながっている部分もあるかもしれない。有名人ゆえに、あまり外を自由に出歩けず、家にこもりがちになるという事情もあるだろう。さらに、コロナ禍によって、普段よりももっと家で過ごす時間が増え、「ガチゲーマー」度が上昇し続けている人もいるだろう。 

高杉真宙のように俳優業+ゲーム関連仕事を並行して行っていく役者や、本郷奏多のようにゲームをはじめとした趣味をYouTubeなどで配信していく役者は、アフターコロナの役者の一つのスタンダードになるかもしれない。

  • 田幸和歌子

    1973年生まれ。出版社、広告制作会社勤務を経てフリーランスのライターに。週刊誌・月刊誌等で俳優などのインタビューを手掛けるほか、ドラマコラムを様々な媒体で執筆中。主な著書に、『大切なことはみんな朝ドラが教えてくれた』(太田出版)、『KinKiKids おわりなき道』『Hey!Say!JUMP 9つのトビラが開くとき』(ともにアールズ出版)など。

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