陥没続々…!「首都圏道路」次に発生する高リスクエリアはここだ | FRIDAYデジタル

陥没続々…!「首都圏道路」次に発生する高リスクエリアはここだ

マップで危険エリアを解説  昨年10月の東京・調布市での事故は他人事ではない

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’20年10月、東京・調布市の住宅街で突如として道路が陥没した 写真:共同通信

「調布で起きた陥没事故はけっして他人事ではなく、地盤が緩い場所ではどこでも起こり得ることです。とくに、東京、千葉、神奈川では、地盤の特性上、多くのエリアで道路が陥没する危険があるのです」(災害リスクマネージメントを専門とする立命館大学教授・高橋学氏)

2020年10月、東京・調布市の住宅街で、突如として幅5m、長さ2.5m、深さ5mにわたり市道が陥没した。翌月、周辺の地下2ヵ所に全長30mほどの空洞があることが判明。東日本高速道路(NEXCO東日本)は、現場の地下で行われていたトンネル工事により、この空洞が拡大した可能性があると発表した。近隣住民は資産価値の下落や風評被害に悩まされつつ、再び陥没事故が起こるかもしれないという不安を抱えて生活している。

冒頭で記したように、首都圏で生活している限りは、誰でも同様の陥没被害に遭(あ)う可能性があるという。地盤調査などを推進する『一般社団法人地域微動探査協会』の横山芳春事務局長は、道路が陥没する仕組みをこう解説する。

「地盤が軟(やわ)らかいと、地下水によって地下の地盤が削られ、空洞ができます。この空洞が陥没の大きな要因の一つです。調布の事故現場も、軟らかく削られやすい地盤でした。とくに夏場は降水量が多く地下水が豊富なため、地下水の水位が上がって地表近くの地盤が削られやすくなるほか、気温が高くアスファルトも傷みやすいので、より危険が高まります」

関東平野は危険エリアだらけ

前出の高橋氏は、日本全土の中でもっとも陥没の危険性が高いのは、関東平野に無数に存在する〝谷〟の部分だと言う。

「ここで言う〝谷〟とは、河川に浸食されてできた周囲より標高が低い場所のことです。約2万年前の氷河期には、海水面が100mほど低下しました。それにより河川の流れが急になったため、地面が削られ多くの谷ができたのです。こうしてできた谷は、その後の海面上昇で一時は海の底に沈むなどしながら、長い時間を経て沼地になりました。水分が多く地盤が緩いため、当初は水田に使われていたのですが、都市部に人口が増え始めた’60年代末頃から開発が進み、道路や建物が建設され始めました。調布の陥没ポイントも、かつては多摩川水系の入間川が流れ、水田だった場所でした」

ではなぜ、数ある谷の中でも関東平野の谷が危険なのか。その理由について高橋氏はこう語る。

「通常、谷には河川が運んできた土砂が堆積し、地盤が固まります。しかし、関東平野は面積が約1万7000㎢と国内の平野の中で圧倒的に広大なため、土砂が流れてきてもその全体を埋めることができません。結果、関東平野の谷は、富士山などの火山灰が降り積もってできた軟らかい地層(=関東ローム層)がむき出しの、軟弱な地盤のままになっているのです」

関東平野に存在する谷とは具体的にどこなのか。下の地図では東京、千葉、神奈川の主だった谷を示している。例えば、地図に示した東京都内の谷を具体的に記すと以下のようになる。

●神田川流域……御茶ノ水(千代田区・文京区)~中野エリア

●古川(渋谷川)流域……芝(港区)~広尾(渋谷区)~渋谷エリア

●目黒川流域……品川~世田谷エリア

●多摩川流域……二子玉川(世田谷区)~立川エリア

他の地域に関して高橋氏が解説する。

「都内では、首都高速が走っているエリアにも谷があります。千葉県では県庁がある千葉市が、神奈川県では’19年の台風19号でタワマンが浸水被害を受けた武蔵小杉が谷になっている。ほかにも、関東平野には細かな谷が無数に存在します。首都圏は人口が密集しており、本来、人が住むべきではない軟弱な土地に建物が建設されすぎているのです」

首都圏では、谷になっている地域は道路をはじめとしてどこでも陥没のリスクがあり、陥没自体を防ぐことは困難だ。我々ができるのは、仮に土地が陥没した際、建物の倒壊から身を守るために対策を講じることだ。

「一番の対策は、家を建てる際に地盤がしっかりとした場所かどうかを見極めることです。自宅が建っている土地の地盤が軟弱だった場合は、建物の建設年を確かめてください。’81年6月導入の新耐震基準に沿って作られた建物かを見ると良いです。さらに、’00年4月に施行された住宅品質確保促進法以降の建物は、地盤調査をしたうえで倒壊防止対策を施してあり、土地が陥没した場合でも倒壊の危険性は低いです」(前出・横山氏)

首都圏に住んでいる限り、常に陥没の危険と隣り合わせだということを忘れてはならない。

『FRIDAY』2021年1月29日号より

  • 取材・文桐島瞬(ジャーナリスト)写真共同通信社

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