土屋太鳳の同性からの評価が「嫌い」→「好き」に変わってきた理由

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NHK連続テレビ小説『まれ』(2015年)でヒロイン・希を演じ、“国民的女優”となった後も、多数のドラマ・映画・CMに出演し、活躍を続ける女優・土屋太鳳。 

活躍ぶり・認知度の高まりに応じて、アンチも出てくるのは世の常だが、それにしても土屋太鳳に対する同性たちの評価はかなり手厳しかった。 

その一つは、やや舌足らずでゆっくりした甘い喋りに対して「ぶりっこ」という声があったこと。また、山崎賢人や竹内涼真、横浜流星など、人気の若手イケメン俳優たちと次々に共演し、SNSで仲の良さそうなツーショットをアップしてきたこともある。 

(写真:アフロ)

おまけに、姉・土屋炎伽が「ミス・ジャパン2019」でグランプリを獲得した際には、身長155センチと、いわゆるミスコンの類では身長が低めだったことから、“出来レース”というバッシングが起こった。さらに『ネプリーグSP』(2020年3月30日)に明治大学国際日本学部卒業の彼女が「名門大美女軍団」として出演した際、簡単な問題で不正解を連発したことから、炎上したこともあった。

こうして姉妹で着々と「女性に嫌われる女性」の道を歩んでいるかに見えたが、そうした評価がにわかに変化してきている。最近、若い女性を中心に、SNSで「土屋太鳳ちゃん、これまで苦手だったけど、好きになった」というつぶやきをたくさん見かけるのだ。

いったいなぜなのか。 

Netflixオリジナルシリーズ『今際の国のアリス』© 麻生羽呂・小学館/ROBOT

土屋太鳳に対する女性からの支持が急速に高まっている理由は、実は明確にあった。

山崎賢人と土屋太鳳がW主演を務める、全世界独占配信中のNetflixオリジナルシリーズ『今際の国のアリス』で見る土屋太鳳が、あまりにカッコいいからだ。

同作は、『週刊少年サンデーS』『週刊少年サンデー』(小学館)で2010年から16年まで連載された麻生羽呂による同名漫画を原作としたもの。

主人公・アリス(山崎賢人)は優秀な弟と比較され続け、人生に夢や希望を見出せずに、鬱々とした日々を送っていた。しかし、親友とともに渋谷の街に繰り出したとき、街が突然、無人と化し、そこから様々な「げぇむ」をクリアしなければ生き残ることができない「今際の国」で度重なる試練に挑むことになる。

その中で、土屋太鳳が演じているのは、仲間を作らず、たった一人でげぇむに挑み続けているクライマーのウサギだ。いつものふんわり笑顔の優等生的イメージとは大きく異なり、原作に忠実なショートヘアと、タンクトップ+パンツ姿で、笑顔を封印したクールでミステリアスな表情を見せている。声のトーンも低く落ち着いていて、ちょっと別人のような喋り方だ。

しかも、彼女の魅力が存分に開放されるのは、アクションシーン。

マンション内で、馬のマスクをかぶった「おに」から逃げつつ、制限時間内にどこかに隠された「じんち」にタッチしなければならない「おにごっこ」において、不運にも鬼に遭遇してしまったウサギは、塀を乗り越え、パイプをつたって上の階に移動するというクライミングを見せるのである。

また、全力疾走する際の走りのフォームの美しさ、上半身のブレのない体幹の強さは見事なもの。しかも、全員水着でなければいけない場所で、黒のセパレートのタンキニ(タンクトップ+ビキニ)的な水着にパーカを羽織っているシーンもあるが、ちっともいやらしさがなく、バキバキに割れた腹筋の美しさには、思わずひれ伏しそうになるほど。正直、この作品を観たら、誰でも土屋太鳳をカッコいいと思うことだろう。

Netflixオリジナルシリーズ『今際の国のアリス』© 麻生羽呂・小学館/ROBOT

もともと幼い頃から習い続けている日本舞踊やクラシックバレエ、ヒップホップダンスなどの特技があることや、日本女子体育大学に進学したガチの体育会であることは、誰もが知るところだった。また、『まれ』で華麗なダンスを披露していたのも記憶に残っている。

そんな身体能力の高さは知っていたはずなのに、それが「美」を見せる方向でなく、バトル・サバイバル方向で凛々しさ、強さを見せた意義が大きいのだろうか。SNSにはこんな絶賛の声が続出している。

  • 「土屋太鳳ちゃん今まで苦手だったけど、この作品で好きになった。恋愛映画とか出てるよりもショートでミステリアスな役の方が個人的に好きかも」
  • 「土屋太鳳好きになった、超かっこいい」
  • 「今際の国のアリスから太鳳ちゃんが気になってNetflixの『人狼ゲーム ビーストサイド』見たけど、ヤバい、、なんで、今まで太鳳ちゃんの演技見てこなかったんだろー 女優さんでこんなに好きになったの初めて」

とはいえ、実は先述の『人狼ゲーム ビーストサイド』では返り血を浴びる美しさが際立っていたし、映画『るろうに剣心』でも、走りまくり、斬りまくり、跳びまくる見事なアクションを見せていた。また、芳根京子とのW主演で美醜をめぐる人間の業を描いた映画『累 かさね』では、キスによって顔が入れ替わる設定上、「上手な芝居」と「下手な芝居」を演じ分けたうえ、特技の舞踊を披露し、称賛を浴びていた。

これらは、ニコニコ笑顔で、スローテンポで舌足らずに喋る土屋太鳳像とは全く異なる印象である。もちろん朝ドラヒロインも経験し、CM出演も多数こなす彼女が、王道路線を歩まざるを得ない面はあるだろう。

しかし、バトル系・サバイバル系作品などで見せる身体能力の高さや、クールでミステリアスで凛々しい顔を、テレビの連続ドラマで見せられないのは、実にもったいない。特に、アスリートをはじめとした明確な「スキル」に対するリスペクトが強い今の時代の風潮では、スキルを全面的に生かした作品・役柄でこそ、同性の評価が高まることが『今際の国のアリス』によって、明確に見えてきている。 

もちろんおっとり笑顔の彼女が、実はバキバキの腹筋と身体能力の持ち主であるギャップがまた良いわけではあるが、Netflixだけでなく、地上波連続テレビでもぜひこうした土屋太鳳の真の魅力を見てみたいものだ。

※山崎賢人の崎はたつさき

Netflixオリジナルシリーズ『今際の国のアリス』Netflixにて全世界独占配中 © 麻生羽呂・小学館/ROBOT
  • 田幸和歌子

    1973年生まれ。出版社、広告制作会社勤務を経てフリーランスのライターに。週刊誌・月刊誌等で俳優などのインタビューを手掛けるほか、ドラマコラムを様々な媒体で執筆中。主な著書に、『大切なことはみんな朝ドラが教えてくれた』(太田出版)、『KinKiKids おわりなき道』『Hey!Say!JUMP 9つのトビラが開くとき』(ともにアールズ出版)など。

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