無症状で即入院の石原伸晃氏「特別待遇」への当たり前の疑問 | FRIDAYデジタル

無症状で即入院の石原伸晃氏「特別待遇」への当たり前の疑問

「有症状・自宅待機」で急変・急死者続出のなか、自民元幹事長はーー

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1月20日、衆院本会議での石原伸晃議員(右)。マスクは布製。ディスタンスが保てていない。この翌日PCR検査を受けた。陽性判明の当日に即入院、10日間の「療養」を経て退院した 写真:つのだよしお/アフロ

自民党の元幹事長・石原伸晃氏が1月31日、入院先の東京医科歯科大附属病院から退院した。21日夕方、感染者との濃厚接触の疑いでPCR検査を受け、翌22日に「陽性」判明、その日のうちに入院をしていた。発熱や咳などの症状はなかった。「心臓に既往症があるため」入院していたという。

1月7日の非常事態宣言後も、自身が率いる派閥の「運営を話し合うため」会合をもち、21日は会食もしていた。石原氏の陽性判明後、この会食に同席していた坂本哲志地方創生大臣は「抑制的な生活を国民にお願いしているので、慎重であるべきだった」と反省の弁を述べている。

逼迫する医療のなか、即日検査、即日入院

陽性が判明したその日のうちに、無症状ながら入院できたことについて、弟の良純氏が「今の医療状況のなかではラッキーというか、手厚い看護を受けられた」と、TV番組で語り、国民を唖然とさせた。

今、医療体制は逼迫(ひっぱく)している。東京都では、「陽性・無症状」の場合「自宅隔離療養」、基礎疾患がある場合は「宿泊隔離療養」が基本的な対応だ。

体験者によると、指定ホテルで宿泊隔離の場合、1日1回、看護師からの健康確認電話があるほかは、日に3回の食事(弁当)を取りにいく以外、室内で過ごす。「手厚い看護」はなく、渡されるのはパルスオキシメーターと折り鶴だ(https://friday.kodansha.co.jp/article/158118 )。ホテル療養中に呼吸困難や発熱など症状が悪化してはじめて、救急車で病院に搬送される。

今やその宿泊療養さえ狭き門で、調整待ちの状態は数日続くこともある。発熱、咳といった症状は「軽症」扱いで、自宅待機をすることもある。

39度台の発熱でも入院先が見つからず、自宅療養を強いられるケースも少なくない。陽性判明から10日以上受け入れ先がなく、亡くなった人がいる。一人暮らしの患者が自宅療養中に容態急変し、そのまま亡くなった例もある。

現在、日本国内で「検査陽性者」は累計38万6370人(1月31日現在)。そのうち、人工呼吸器などが必要な「重症者数」は、975人。自宅で療養している人は、石原氏が入院中の1月27日時点で2万6130人。東京都はとくに多く、4692人(2月1日現在)が自宅療養。ベッドが埋まっているなどの理由で入院や宿泊療養を「調整中」の患者さんが3472人にのぼる。

石原氏はTwitterで「感染注意」などよびかけていたが

石原伸晃氏自身がTwitterで繰り返し発信している通り、「医療崩壊」に近い地域も多く「より感染に注意」しなければならないと状況であることは間違いない。「重要なのは、重症者数と病床使用率」。まさに今、病床をいかに確保するかが医療現場の大きな課題になっている。1月9日には、「本来入院すべき人が自宅で待機せざるをえないケースが相次いでいる」というNHKのニュースについて、自らリツイート(https://twitter.com/IshiharaNobu/status/1347716329013346305)「外出を控え、人との距離をとる」などと「協力をお願い」していた。

自民党は新型インフルエンザ対策特別措置法(新型コロナ対策の特措法)修正案で「入院拒否には懲役刑」という提案をしていた。患者からの「入院拒否」に刑罰を考えるより、「入院したくてもできない人」に対して限られた医療資源を有効に使い医療を施すことを優先すべきだろう。

「軽症」と診断され発症して高熱が出て、食べるものも食べられず、不安のなか療養しているすべての人に必要な医療が届くよう、検査、治療全般に制度の見直しが叫ばれている。

石原氏は退院にあたり「完治には至っていないが、自宅療養に切り替える」と公式サイトで発表した(http://www.nobuteru.or.jp)。

「完治していない」のは、不整脈のことか。「一時は悪化していた」のは、新型コロナによる症状なのか。もう「隔離」は必要ない、ということなのだろうか。

「自民党、衆議院議員の石原伸晃だから、陽性判明して症状がなくてもすぐに入院ができた」…石原氏の退院自体は喜ばしいことだ。本人も家族も、ほっとしていることだろう。

しかし国民は、今回の入退院に複雑な思いでいる。石原氏と自民党は、この声をどう受け止めるのだろうか。

  • 写真つのだよしお/アフロ

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