高級車ばかり狙う窃盗団「驚愕の手口」盗難現場動画を入手! | FRIDAYデジタル

高級車ばかり狙う窃盗団「驚愕の手口」盗難現場動画を入手!

深層レポート 愛知県ではレクサスLXの5台に1台が盗難被害に 専門家が警鐘「今の車にカギはあってないようなもの」

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レクサスをはじめとする高級車の盗難被害が相次いでいる。

白い車で3人組の窃盗団がやって来る。ターゲットとなるのは、写真左下に写っている黒いレクサスGSだ
白い車で3人組の窃盗団がやって来る。ターゲットとなるのは、写真左下に写っている黒いレクサスGSだ
白いパーカー姿の男がドアの鍵穴付近に穴を開け、その隣で黒い帽子を被った男が防犯カメラを見上げている
白いパーカー姿の男がドアの鍵穴付近に穴を開け、その隣で黒い帽子を被った男が防犯カメラを見上げている
ドアロックを解除し、運転席へ。キープログラマーという装置を用いてエンジンを始動させているとみられる
ドアロックを解除し、運転席へ。キープログラマーという装置を用いてエンジンを始動させているとみられる
白いパーカー姿の男がレクサスを運転しその場を走り去った。窃盗団が到着してから立ち去るまでわずか6分
白いパーカー姿の男がレクサスを運転しその場を走り去った。窃盗団が到着してから立ち去るまでわずか6分

まずは上の4枚の写真を見てほしい。これは愛知県名古屋市の住宅に設置された防犯カメラの映像を切り出したもの。撮影日時は’20年8月11日の午前2時前。映像には、窃盗団が住宅前の駐車場にあるレクサスを盗んでいく様子が克明に記録されている。流れは以下の通りだ。

1.標的の黒いレクサス(各写真左下)の前に窃盗団3人が乗る白い車が停まる。

2.白いフードを被(かぶ)った男が、電動ドリルで運転席側の鍵穴付近に穴を開ける。

3.開けた穴にドライバーのようなものを差し込みドアロックを解除。その後、何らかの操作でエンジンを始動させる。

4.レクサスを運転して逃亡。

窃盗団が現れてから去っていくまで、わずか6分。被害に遭(あ)った男性(55)は、悔しそうにこう語る。

「車に搭載されたアラームはなぜか鳴らず、隣家の人が物音に気付いて警察に通報してくれたことで、盗まれたとわかりました。車は’19年に約400万円で購入した中古の’15年式のレクサスGS。大切な車を盗んだ犯人に腹が立ちます」

窃盗団の手口について、カーセキュリティーシステムの開発・販売を行う加藤電機の加藤学社長はこう解説する。

「まず、ドリル状の工具でドアの鍵穴付近に直径2~3㎝ほどの穴を開ける。その穴からドアロックを制御するモーターや配線にアクセスし、カギを解除しています。次に、エンジンコンピュータのコネクターにキープログラマーという装置を接続し、エンジンを始動させています」

キープログラマーは本来、合い鍵を作成するときなどに使用される装置で、海外の通販サイトであれば、誰でも購入することができる。

「窃盗団が行ったように、ドアロックを解除しただけでは盗難防止システムが作動してエンジンをかけることはできません。そこで彼らが使うのがキープログラマー。これを使用すると、スマートキーで車を開錠するためのIDを抜き取り、新しくスマートキーを複製できます。これによって、エンジン始動も可能となるのです」(キープログラマー販売業者)

こうした犯行は氷山の一角にすぎない。愛知県警生活安全総務課によると、’20年に県内で盗難被害に遭った数の多い車種ワースト5のうち、3つをレクサスが占める。とくに、「’20年のレクサスLXの盗難被害は前年の51台から119台へと大幅に増加した」という。県内のLX保有台数からすれば、実に5台に1台が盗まれている計算になる。

高級車の盗難被害が急増している背景について、前出の加藤社長が解説する。

「高く売れる車、とくにレクサスLXの盗難方法が複数の窃盗団の間で共有されたためです。また、新型コロナウイルスの影響で人々が自宅に籠(こ)もるようになり、これまで空き巣を稼業としていた犯罪集団が車の窃盗に乗り出していると思われます。盗まれた車はすぐに解体され、部品としてタイやベトナム、中東に輸出されるので回収は不可能。高級車を所有している人は、車両価格の3%は盗難対策に費やしてほしい。

大音量アラームを装着し、ハンドルやタイヤに固定装置を付けること。シャッター付きの車庫に入れ、盗まれた際に車両位置が追跡できるGPSシステムを使うのも有効です」

盗まれてからでは遅い。愛車を守るため、今日からでも対策を始めるべきだ。

被害に遭った男性が盗難現場で本誌の取材に答えた。左のレクサスLSは、盗難事件後、新たに購入したものだという
被害に遭った男性が盗難現場で本誌の取材に答えた。左のレクサスLSは、盗難事件後、新たに購入したものだという

『FRIDAY』2021年2月12日号より

  • 取材・文桐島瞬(ジャーナリスト)PHOTO夏目健司(5枚目)

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