TKO木下、トータル大村…芸人の子供が「芸」で注目集める背景 | FRIDAYデジタル

TKO木下、トータル大村…芸人の子供が「芸」で注目集める背景

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クールで客観的、恐るべき「親勝り」な子どもたち

お笑いコンビ・TKOの木下隆行が『さんまのお笑い向上委員会』(フジテレビ系/1月16日放送分)に出演した際、YouTube動画に記録的なBAD(低評価)をつけられたことを語り、話題となっていた。

なかでも番組で盛り上がったのは、娘とのやり取りに関するくだりである。

BADが多く、コメントも荒れたことについて、「僕自身はいいんですけど、娘が見ると辛いな、ちゃんと言わなあかん」と思った木下が、娘に「パパな、BAD39万。マイナスなことで今、日本一だけど、でも、パパは頑張るからな」と伝えたところ、娘からはこんなコメントがあったという。

「私もBAD押したよ」

正直、木下自身については、2019年秋に後輩芸人へのパワハラが報じられ、2020年春に所属していた松竹芸能を退所して以降、いまだに世間の風当たりは強いように見える。しかし、この娘のエピソードについては思わず笑ってしまった人が多いのではないだろうか。

それにしても近年、「芸人の子ども」たちには、親譲り、いや、親勝りと思えるほどにデキる子がたくさんいる。

デキる「芸人の子」筆頭は、トータルテンボス・大村朋宏の息子で中学2年生の晴空(はるく)くん。トータルテンボスは、現在「劇場」を主戦場に活動中だ。ちなみに、大村朋宏は右のほう

デキる「芸人の子」筆頭は、トータルテンボス・大村朋宏の息子で中学2年生の晴空(はるく)くんだろう。

コロナ禍で多くの芸能人たちがTwitterやYouTubeに動画を投稿するなか、ひときわ注目を浴びたのが、大村晴空くんがOfficial髭男dismの大ヒット曲『Pretender』の替え歌で弾き語りをした動画『怒ってんだー』である。

透き通ったハイトーンボイスに正確な音程、ギターのテクニック(師匠はおじいちゃんで元ギタリストだそう)だけでもたいしたものなのに、その内容たるや「君とのラブストーリー それは予想通り いざ始まればひとり芝居だ」から始まる歌詞が「気味わるいウイルス 今日もいつも通り ずっと前から自粛生活」に、さらに「感情のないアイムソーリー」が「助けて安倍総理」になるなど、作詞センスが絶賛され、様々な番組で紹介されていた。

また、『千鳥のクセがすごいネタGP』(フジテレビ系)には度々出演。

例えばOfficial髭男dismの「I LOVE…」の替え歌「I LOVE パパ…」では「高まる愛の中 変わる芸能界 テレビで輝く千鳥さん全国ネットで10本も パパたちは長崎と静岡だけでレギュラー 東京じゃ誰ひとり観れやしないんだろう こんなに面白いパパなのに 普通のことだととぼけるパパに言いたいよ あいにく 今日は僕のバーターだよ」と歌い上げる。

あいみょんの「裸の心」の替え歌「晴空の心」がまた、笑えて泣ける内容となっている。

「いったいこのままいつまで 一人で弾くつもりだろう だんだん自分を憎んだり 第七を羨んだり いつかいつかと言い聞かせながら今日まで替え歌作ってきた そして今も パパ達が売れますように 少しでもクセスゴで波に乗って 今、パパは暇にしてます 家のローン 抱えて」

晴空くんが一人で弾き語りするなか、隣に「無」の状態で立ち尽くす父は最後の「顔芸」ですべての笑いをもっていくというのが、お約束のパターンだ。また、大村父子は、コロナ禍で「大村家」というコンビも結成。ネタをTwitterに投稿し、話題となっていた。

実は晴空くん、『スクール革命』(日本テレビ系)ではかなり幼い頃から不定期出演しており、父親の相方・藤田とよくバトルしていた印象があったが、2016年時点ではBUMP OF CHIKINの「supernova」を弾き語りし、その上手さが注目されることになった。しかし、そこから「上手さ」に「笑い」も加えてくるとは、凄まじい「進化」である。

この「芸人の子」エリート・晴空は別格にしても、他にも注目すべき芸人の子はいろいろいる。

例えば、品川祐の娘・琥珀ちゃん。かつてInstagramに写真を投稿したとき、「お父さんにそっくり」と話題になったが、2015年には「横澤夏子にそっくり」と再び話題に。

その琥珀ちゃん、2017年12月7日放送分の『アメトーーク!』~「もっとやれるハズだったのに…2017年反省会」では、当時7歳ながら、以下のような素晴らしい手紙を番組経由でパパに贈っていた。

「パパへ だいすきだよ。わたしが いちばん パパにいいたいのは だいすきだよっていうことばだよ パパおしごと たいへん そうだけど もっともっと がんばってね がんばるきもちは たいせつなんだよ だから がんばってよ おうえん してるからね つらいときが あるかもしれないけど うれしいときも あるから だいじょうぶだよ さいごに しつもん! パパってきらわれてるの?? ママにきいても、『そんなことないよ』って こたえたけど ほんとう? コハは、きらわれてると おもわないよ コハは、パパを だいだいだいだいだいだいだい だ~い~す~き=だよ。大すきなパパへ コハクより」

普通の内容から入って、微妙に上から目線に変わる大人びた雰囲気を出し、挙句、しっかり笑いをとったうえで、泣かせに来る。天才ではないだろうか。

と思ったら、2019年には品川が琥珀ちゃんのギターの弾き語りをInstagramに投稿。これもお世辞抜きに上手いのである。

さらにコロナ禍では、品川の妻と琥珀ちゃん、ポメラニアンの「たぬきち」でYouTubeチャンネル「たぬこはチャンネル」も立ち上げている。ここでもたぬきちの可愛い動画や、琥珀ちゃんの歌、ゲーム配信などがアップされているが、なかなかどうして芸達者なのだ。

また、エハラマサヒロは、一男三女のパパ芸人として「エハラ家チャンネル」を開設。育児の様子や子どもたちと過ごす日常などを投稿しているが、なかでも話題となっているのは、生演奏で「パパ&みうが歌ってみた」コラボや、娘・美羽ちゃんの「アカペラでリトグリ本気で歌ってみた」、「エハラ家三姉妹 歌って踊ってみたFoorin/パプリカ」など。父親と一緒にテレビ出演し、親子コラボで歌うまぶりを披露するなど、活躍の場を広げている。

当時7歳の娘・琥珀ちゃんから「しつもん! パパってきらわれてるの?? ママにきいても、『そんなことないよ』って こたえたけど ほんとう?」という手紙を番組経由で受け取った品川祐

彼らに共通しているのはまず、「〇〇の息子・娘」ということ抜きに、シンプルに芸達者であること。親もまた、世間的好感度はともかく、コントやしゃべり、モノマネなどのスキルが高い芸人が多いこと。そして、そんな親を見ているため、どこかクールで客観的で、「笑い」に長けていること。

昔からしっかりした子役を嫌う人が一定数いるように、実はいろいろデキる「芸人の子」たちについても「嫌い」という声は一部にある。と同時に、「子どもを利用して金儲けしている」などと、その親である芸人を批判する声もやっぱりある。

しかし、もう一つ共通しているのは、彼らの親である芸人が、何らかの理由でテレビに以前より出なくなっていたり、主戦場をテレビ以外の場所に移してきていたりすることである。

その筆頭がトータルテンボスで、かつてはM-1グランプリの決勝に3度進出し、テレビのネタ番組などにも頻繁に出ている「売れっ子」だった。しかし、今は地方局のレギュラー番組のほか、大規模な漫才ツアーを毎年行うなど、「劇場」を主戦場に活動するようになっている。

そのマイペースな仕事ぶりに対し、レイザーラモンRGなど、「トータルテンボスこそ本当の勝ち組」とも評している芸人もいるが、「実力はあるのに、いつの間にかあまり見かけなくなった芸人」と思っている一般視聴者も多いのではないだろうか。

芸人にとって、テレビ出演が全てじゃないのは事実。YouTubeなど、表現できる媒体が増えている今はなおさらだ。その一方で、一般視聴者にとってはやっぱり「売れてる=テレビに出ている」感覚がいまだにあるのも、また事実。そうした世間の目を敏感に感じつつ(ときにはおそらくクラスメイトなどにも言われるのだろう)、冷静に受け止め、なおかつ大好きでリスペクトしている親のもとで「笑い」のセンスや様々な技術が磨かれていくのだろう。 

芸人の子たちが若くしてすでに「スペシャル」なのは、むしろ当然なのかもしれない。

  • 田幸和歌子

    1973年生まれ。出版社、広告制作会社勤務を経てフリーランスのライターに。週刊誌・月刊誌等で俳優などのインタビューを手掛けるほか、ドラマコラムを様々な媒体で執筆中。主な著書に、『大切なことはみんな朝ドラが教えてくれた』(太田出版)、『KinKiKids おわりなき道』『Hey!Say!JUMP 9つのトビラが開くとき』(ともにアールズ出版)など。

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