藤波、長州、天龍の二世が語る「レジェンド級の苦労と喜び」 | FRIDAYデジタル

藤波、長州、天龍の二世が語る「レジェンド級の苦労と喜び」

「二世会」メンバー座談会【前編】「父がプロレスラー“あるある”」

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「二世会」のメンバーが語る“父親の素顔

2020年2月に発足した「日本プロレス殿堂会」(※後述。以下、殿堂会)。賛同メンバーにはジャイアント馬場、アントニオ猪木、藤波辰爾、長州力、天龍源一郎といったレジェンドレスラーが名を連ねる。この殿堂会を運営しているのが、藤波の息子でプロレスラーのLEONAさん、長州の娘婿である池野慎太郎さん、天龍の娘で「天龍プロジェクト」代表の嶋田紋奈さんが作った「二世会」だ。

日本プロレス界のレジェンドを父親に持った彼らが、殿堂会の活動やプロレスラーの家庭での生活を通して見た“父親”としてのレジェンドの素顔とは? 身近にいる彼らだからこそ見えるレジェンドの意外な一面や、二世ならではの苦労を、日本プロレス殿堂会の活動などと合わせ語ってもらう。 

2020年2月に発足した「日本プロレス殿堂会」の記者発表での1カット。前列左から天龍源一郎、藤波辰爾、長州力。後列左から嶋田紋奈さん、LEONAさん、池野慎太郎さん

変わらぬ藤波、乱れる天龍、比喩が増える長州。三者三様の酒

二世会の三人。左から藤波辰爾の長男・LEONAさん、天龍源一郎の長女・嶋田紋奈さん、長州力の長女の夫・池野慎太郎さん(撮影:杉山和行)

――二世会では、ぞれぞれどういったポジションなのでしょうか? 嶋田紋奈さんが姐御的な存在でしょうか?

LEONA 殿堂会を立ち上がるときも紋奈さんに引っ張ってもらったし、二世会、殿堂会の活動はリーダーシップを取ってもらえて助かっています。 

嶋田 すみません、気を遣って言ってもらって(笑)。 

池野慎太郎(以下、池野) LEONAさんの言う通り。なにかやらかすのは僕で、それをフォローしてもらう感じですね(笑)。 

嶋田 池野さんはやらかし役なんかではなく(笑)、一般社会との架け橋ですよね。私は中学生からプロレス興行の裏方をやっていたりするんですけど、それを当たり前にできるのって普通ではないじゃないですか。むしろ、私がおかしいんですよ。 

池野 僕はプロレスの外の世界を見てきているわけですから、プロレス界と外の一般的な社会とのすり合わせをするような立場になれたら。 

LEONA 僕もプロレスラーの家で生まれ育っているので、物事の認識やとらえ方はどうしてもプロレス的な考えになってしまう。二世会の活動を通して改めて、そこに対してのすり合わせは必要だと実感しました。 

LEONA(レオナ)さん。1993年7月7日生まれ。藤波辰爾の長男でプロレスラー。2013年5月にデビュー。現在は「プロレスリング・ドラディション」所属

――嶋田さんとLEONAさんは、自分でも「世間と違う」と気づくことはやはりあるのでしょうか?

嶋田 そうですね。というか、そればっかりです(笑)。 

LEONA 父が表に出る仕事で、戦ったりパフォーマンスをしたりとかを見ているので、自分の出し方や見せ方、些細なことも含めて頭の中はどうしてもプロレス的になってしまう。 

池野 二世会では僕だけが唯一プロレスラーの血縁者ではないんですけど、その立場からいろいろ提案できればいいかなと思っています。 

池野慎太郎(いけの・しんたろう)さん。1987年5月15日生まれ。長州力の長女・有里さんと2019年に結婚。現在は(株)リキ・プロの代表と長州のマネージャーを務める。YouTube「リキチャンネル」でもおなじみ

――父がプロレスラーの家で育った“あるある”みたいなことはお互いあるのでしょうか?

嶋田 まずは平日に父親が家にいる不思議さですかね。シリーズや巡業が終わった直後のオフは父が家にいて、小学生の頃に家に友達を連れてきたら「紋奈ちゃんのお父さんはどうして平日なのに家にいるの?」って。こっちとしては「でも、ちゃんと働いているよ! すごく働いているよ!」って言うんですけど、それが伝わらず。 

LEONA 父たちは一般社会と違う時間軸で生きていますからね。僕の物心がついたときは、父はすでにフロント(新日本プロレスの社長)にいたのでそれほどでもないですが、年間200~300試合していたときは、もちろん家にいない。7歳上の姉がまさにその頃を体験していて、母に「お父さんは次いつ家に来るの?」という聞き方をしていたそうです。ほかの人に聞かれるとややこしいことになるので、母はその聞き方をやめさせたと言っていました(笑)。 

嶋田 わかる! 家族がいるのに家が別邸みたいになっているんですよね。 

LEONA あの時間の流れ方はレスラーの家ならではですよね。 

嶋田 試合だけじゃなくて、練習もあって、オフの日でも夜は外交を兼ねて飲みに行って朝まで帰ってこない。藤波さんも結構お酒を飲まれるでしょう? 

LEONA うちはお酒も大好きでよく飲むんですが、僕は父が酔っぱらっている姿を一度も見たことがないです。父も自分で「僕はお酒の場ではそんなに面白くないよ」って言うくらい、変わらずに飲み続けますね。 

嶋田 うちはしっかり乱れますよ!(笑) 飲んだ勢いで怒られたり、キレたり、家の鍵が閉まっていて窓から入って来ようとしたり…。夜中に窓越しに巨大な影が見えたときは本気でビビりました。藤波さんは新日本プロレスという巨大組織の長になったけど、天龍は小さい組の大将。そういうところの差が出ていますね(笑)。 

LEONA それとこれとは違いますから、やめてください(笑)。 

池野 うち(長州)は飲むと比喩表現が多くなって、いよいよなにを言っているのかわからなくなる(笑)。めちゃくちゃ頭を使います。 

嶋田 実の親子じゃないぶん、池野さんが一番大変そう(笑)。 

池野 最初の一年間が本当に大変でした。長州の仕事と自分の仕事を両立しなきゃいけないし、相手は普通の上司じゃないですから、詰められ方や威圧感が半端なじゃない。目つきが本当にヤバい。 

嶋田 うちも詰められるというよりも、少し間違うと距離をサーっととられることがあります。LEONAさんも親子といえどちょっと距離をとられたりすることないです? 

LEONA 緊張感や距離感が出るときは確かにありますね。こと、それがプロレスという自分が守ってきた大切なことの範疇に及ぶとすごく出てくる。そのときばかりは、家族やスタッフといえども、父と対等に向かい合う立場ではいられなくなります。 

池野 藤波さんも天龍さんも長州も、どうすれば場の空気が締まるかわかっているし、人を動かすのがうまいんですよね。それがすごいと思います。 

嶋田紋奈(しまだ・あやな)さん。1983年7月8日生まれ。天龍源一郎の長女で「天龍プロジェクト」代表。中学生の頃からプロレス興行に関わる

メンチを切る娘たち――本人は平気でも家族は大変なファンサービス

――ほかにも池野さんが戸惑うことはありますか?

池野 まず食事の金額がおかしいですね。先日も二人で「ステーキハウス リベラ」に行って18000円ですよ。あの年(69歳)で1.5kgも肉を食べていましたから。 

嶋田 いっぱい頼みたいんですよね。家の食卓にも料理がいっぱい並ぶでしょう? 

LEONA うちも王様の食卓みたいな…(笑)。一目見たときのボリューム感、満たされている感が父は大好きで、レストランでも同じ。一気にいっぱい注文して、それを一気にがーっと食べる。僕もそのスピード感に慣れてしまって、学生の頃に友達と食事行って同じようにやって、すごく嫌がられました(笑)。 

嶋田 そうそう。クセでいっぱい頼んじゃって、割り勘だから嫌がられるんだよね(苦笑)。 

池野 長州も注文は基本的にすべて×2ですね。そば屋でもどこでも。 

嶋田 人が食べる姿を見るのも好きですよね。「食え、食え」ってよく言われるでしょう? 

池野 よく言われます。お義父さんみたいに食べられないですよ。僕の体形を見ればわかるでしょうって思う気持ちはあるんですけど…(苦笑)。 

嶋田 うちの旦那も細身なんですけど、いつも天龍に「食べてる? 飲みなよ! これ食った方がいいよ!」って延々と言われていて(笑)。外食でも顕著ですね。「あれも頼もう、これも頼んだ方がいい」って。 

池野 外食といえば、お店に行ったときに「あ、長州だ!」と周りのお客さんに言われるのを初めて体験したとき、どうすればいいのかわからなくて困りました。皆さんはどうしていますか? 

嶋田 私はそれがありすぎて、向こうから来る人が天龍だって気づいているかいないか、気づいてる場合は次にどんな行動してくるのか予知できるようになりました(笑)。 

池野 やっぱり……。うちの奥さん(※長州の長女)はそういう人にめっちゃメンチ切るんですよ。 

嶋田 私も、やっちゃうかも……(苦笑)。店内を歩かせるときもSPみたいに両サイドを固めて人払いして、「今、プライベートだからやめてください」とかやったりね。 

池野 僕は一般の人に「ちょっと、プライベートだからやめて、触らないで」なんて言う機会なんてなかったですから(笑)。 

LEONA うちの父は柔和なイメージが強くファンの皆さんにあるみたいで、よほど急いでいない限りは対応せざるを得ない部分はありますね(苦笑)。 

池野 確かに、イメージ的に藤波さんに断られたらちょっとショックですもんね。 

LEONA 本人も人前に出る人気商売だから、気づいてもらえるのはある種のバロメーターなんだって自覚はあるみたいで。 

嶋田 そう、本人たちはいいんですよ。周りの私たちがガルルル!って敏感になっちゃってるところありますよね。プライベートを普通に過ごさせてほしいというささやかな願いが、他人様に厳しくなってしまっているんですよね。当の本人は「今日、店に入ったら何人が気づくかな~?」「ほら、俺も有名だろう」って楽しんでいる感じですもん。 

池野 うちは当の本人が「しっしっ!」ってやることもあって、それはどうなのかな?って(苦笑)。 

嶋田 (笑)。あと「天龍さんですよね?」「いえ、違います。よく似ていると言われます」とか。長州さんもやりません? 

池野 ありますけど、あの風貌でサンバイザーをかぶちゃってるんで、もう無理なんですよね。先日もタクシーの運転手さんに「長州さんですよね」って言われて、「いいから出せ」って(苦笑)。 

嶋田 おー! それは……(苦笑)でも、長州さんらしい(笑)。

LEONA でも、長州さんにそう言われたり、「しっしっ!」ってやられたりしたら、ちょっと嬉しくないですか⁉ 

嶋田 LEONAさん! その感覚こそがプロレス的なんだって!(笑)。普通の人は「しっしっ!」てやられて喜ばない! 喜ぶのはうちらみたいな昭和のプロレスでガチガチに育った人!(笑) 

池野 それでも女性と子供には握手したり、撮影応じたり、ちゃんと対応しますよ。男性には「しっしっ!」ですけど(笑)。 

LEONA うちも、周りが最低限のことは止めることがあっても、本人はファンに気づいてもらったり、声をかけてもらうのはモチベーションになってるみたいです。長州さんも天龍さんもそうだと思いますけど、リングを降りてもずっとプロレスラーなんですよね。 

※記載内容は2021年3月6日に取材を行った際のものです。

「二世会」メンバー座談会【後編】「父親たちのカッコよさ」はコチラ

日本プロレス殿堂会 2020年2月20日に発足。日本に古くから根付いた伝承文化であるプロレス、プロレスラーの功績を業界全体として永続的に語り継ぎ、ファン、選手同士が「過去と現在が交わることができる場所」を設けること。プロレス引退後も選手本人、そして、その家族が安心して過ごせる制度を構築することを目的として設立。活動によって得た収益の一部を登録選手(管理・マネジメント)へ永続的に分配する「プロレスラー報酬」制度のほか、チャリティー活動、各種イベントなどを行う。

「日本プロレス殿堂会」の詳しい情報はコチラ

2021年4月3日(土) 東京・下北沢タウンホールで日本プロレス殿堂会設立1周年記念イベント『レジェンドサミットVol.1』を開催。※天龍源一郎は体調不良のため出演見合わせ。

  • 取材・文高橋ダイスケ撮影杉山和行

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