藤波、長州、天龍の「二世」が語る父親たちの強さと魅力 | FRIDAYデジタル

藤波、長州、天龍の「二世」が語る父親たちの強さと魅力

「二世会」メンバー座談会【後編】「父親たちのカッコよさ」

  • Facebook シェアボタン
  • Twitter シェアボタン
  • LINE シェアボタン
  • はてなブックマーク シェアボタン

「二世会」のメンバーが語る日本プロレス殿堂会のこれから

2020年2月に発足した「日本プロレス殿堂会」(※後述。以下、殿堂会)。賛同メンバーにはジャイアント馬場、アントニオ猪木、藤波辰爾、長州力、天龍源一郎といったレジェンドレスラーが名を連ねる。この殿堂会を運営しているのが、藤波の息子でプロレスラーのLEONAさん、長州の娘婿である池野慎太郎さん、天龍の娘で「天龍プロジェクト」代表の嶋田紋奈さんが作った「二世会」だ。 

日本プロレス界のレジェンドを父親に持った彼らが、殿堂会の活動やプロレスラーの家庭での生活を通して見た“父親”としてのレジェンドの素顔とは? 身近にいる彼らだからこそ見えるレジェンドの意外な一面や、二世ならではの苦労を、日本プロレス殿堂会の活動などと合わせ語ってもらう。 

2020年2月の「日本プロレス殿堂会」記者会見より。賛同メンバーのレジェンドレスラー4人が登壇。左から天龍源一郎、アントニオ猪木、藤波辰爾、長州力

藤波も憧れる、長州と天龍のロマンチックな言葉

二世会の三人。左から藤波辰爾の長男・LEONAさん、天龍源一郎の長女・嶋田紋奈さん、長州力の長女の夫・池野慎太郎さん

――プロレス殿堂会の発足から約1年。この間の活動の手ごたえはいかがでしょうか?

LEONA 発足したのが2020年2月で、ちょうどコロナ禍とバッティングしていまったことは悔やまれます。ただ、数少ないながらもファンとの交流を通して「こういう組織があればいいと思っていた」「がんばって」と激励の言葉をもらえたことは嬉しかったです。 

池野慎太郎(以下、池野) LEONAさんの言う通り、発足当初に行えた撮影会やチラシ配りなどファンの方と接するといい感触があるんですよね。 

嶋田紋奈(以下、嶋田) 実際に立ち上げてみてサポーターになってくださるファンの存在、現役選手やもっと上の世代の選手や団体さんも少なからず私たちと同じ思いでいてくれたことを知れたのが最大の収穫でした。 

嶋田紋奈(しまだ・あやな)さん。1983年7月8日生まれ。天龍源一郎の長女で「天龍プロジェクト」代表。中学生の頃からプロレス興行に関わる

――みなさん、お父上と殿堂会の活動について話すことはありますか?

嶋田 心配してくれていますね。父たちを心配させないように殿堂会を立ち上げたのに、かえって心配をかけているのが現状で、そこは非常に申し訳なく思っています。結局、親を超えようと思ってはいけないんですよね。だって、超えようがない親を持ったんだから。天龍にも「俺たちという商品を上手く使えよ」と心強い言葉をよく言われます。 

LAONA うちも心配みたいです。挨拶状なんかを僕やスタッフで書いていると、父が「俺、結構字が上手いんだよ~。やるよ~」って手伝おうとしたり(笑)。 

――殿堂会で3人が集まってトークをしていると、長州さんと天龍さんが自由にしゃべって、藤波さんがまとめるという役割がなんとなくできていますよね。

嶋田 いやあ、本当に藤波さんに申し訳ない! 2人が好き勝手にわーきゃー言って、藤波さんが「まあまあ」っていう役割になりつつありますね(苦笑)。それが好きではあるんですけど。 

LEONA でも、父は3人で集まると「空気感がすごく心地いい」らしく、「ホっとする、安心する」とよく言っています。同じ時代にトップを争った仲間とフランクに話せるようになったことが嬉しいらしくて。 

嶋田 昔では絶対にできない雰囲気で、本当になんでもないことを楽しそうに話していますよね。その姿をファンやお客さんに見せられることができるって、すごく素敵なことだと思います。 

池野 いい光景ですよね。長州はプロレス団体を持っているわけでもないし、リングを降りてから口では「プロレスから離れたい」と言っていて……、まあ新日本プロレスの道場は勝手に使ってますけど(笑)。でも、殿堂会が唯一プロレスと交われる場所なので、案外楽しそうにしていますよ。 

池野慎太郎(いけの・しんたろう)さん。1987年5月15日生まれ。長州力の長女・有里さんと2019年に結婚。現在は(株)リキ・プロの代表と長州のマネージャーを務める。YouTube「リキチャンネル」でもおなじみ

――長州さんはよく「プロレスはもういいよ」と言っていますね。

池野 段々言葉の裏がわかるようになりました。そうは言っても決してそうじゃないですし、殿堂会の活動も含めプロレスとの関わりは大切に思っています。本心をストレートに言われることはまずないです。謎かけというか、長州が言う「お前、大丈夫か?」は「早くしろ」という意味ですからね。 

嶋田 全然意味が違う(笑)。 

LEONA 父たちもそうですけど、プロレス全般、言葉の使い方が独特ですよね。藤波家でも「長州さんも天龍さんも比喩表現があって、言葉がロマンチックだよね」という話題になります。 

嶋田 でも、だから受け取る側は脳みそフル回転ですけども(笑)。 

LEONA お二人は映画の一コマにありそうなセリフがぱっと出てくるので、父もうらやましいみたいです。「俺はそういう才能がないから、いいよなぁ」とよく話しています。 

嶋田 私はいつも天龍を扱っているせいか、藤波さんとお話しているときは本当に気分が楽になります(笑)。起承転結があって、こちらの話もしっかり聞いてくださる。これが天龍だと「お前! パッとやって、ガッとしないと、アレだぞ!」ですから(苦笑)。 

池野 僕も藤波さんを見ていて、いいなあ、うらやましなって思います(笑)。 

LEONA 一般的な話だと現実的にわかりやすい話をしますけど、ことプロレスになると感覚でしゃべりますね。 

LEONA(レオナ)さん。1993年7月7日生まれ。藤波辰爾の長男でプロレスラー。2013年5月にデビュー。現在は「プロレスリング・ドラディション」所属

父親たちの仕事に対する姿勢は、二世から見てもカッコいい

――こっちがついていけなくても3人はちゃんと通じ合っているんですね。

嶋田 そうなんです。でも好き勝手しゃべっているかって言ったらそうじゃなくて、ちゃんと序列を守ってしゃべっているんですよね。 

――天龍さんは一番年上ですが、プロレスに入ったのは一番最後。藤波さんは一番年下ですがプロレスでは一番先輩で、長州さんは年齢もキャリアも真ん中ですね。

嶋田 天龍は藤波さんのことを「たっつぁん」と呼ぶこともあるけど、基本は「藤波さん」、「長州選手」ですからね。天龍からしたら二人は先輩だけど、藤波さんには天龍を敬っていただいて、長州さんには「源ちゃん、源ちゃん」って慕って頂いて。今、天龍を「源ちゃん」と呼べる人はほとんどいないですもん。 

池野 あと、ウダウダ言いながらも仕事はちゃんとやりますよね。現場に行くまでずーっと、ウダウダ言ってますけど、ちゃんと決めてくるのはすごいなと。

――例えばどんなことでしょうか?

池野 いつも「現場に行ったら帰ることだけ考えてる」って言っていますけど、絶対にどうすればテレビ収録やイベントが盛り上がるか考えているんですよ。 

嶋田 試合の前の時間みたい。リングに上がるまでに今日はああしてこうしてファンの方を楽しませようと試合をシミュレーションしているから、引退しても仕事は同じやり方なんじゃないかなと。 

LEONA 付き人として父の現場に一緒に行くことも多いんですが、テンションの上げ方が瞬間最大風速的なんですよね。ほかのトップをとったレスラーの方を見ても思うんですけど、控室を一歩出て、お客さんの前にでる少し前の作り方が天下一品。本当にカッコいい。 

嶋田 藤波さんはまだ現役を続けていらっしゃるけど、うちは引退してるでしょう。だから、そういう緊張感から開放してあげたかったのに、気持ちの作り方は現役時代と一緒。どんな仕事も試合前みたいで、それがちょっとしんどくなるときはある(笑)。 

でもLEONAさんが言うようにそれがカッコいいし、池野さんが言うようにきっちり仕事はする。瞬発的なものはすごいと思うけど、家族としてはもっと肩の力を抜いてすごしてほしいと思うんですよね。 

池野 プロレスの世界を知らない僕からすると、プロレスラーって無茶苦茶な世界かと思っちゃうんですけど、本当はちゃんと仕事をする人たちなんですよね。 

嶋田 自分の命を他人に預ける仕事だから、ちゃんとしてない人はいない。練習も含めてちゃんと己を過酷な方へ積み重ねてトップに立った人たちだから、プロレスラーには学ぶことしかないですよ。 

LEONA うちは得意不得意があって、自然体が一番自分が出せて面白いって感覚が本人もあるようです。だから、進行、セリフがガッチリ決まっている仕事だと緊張感があるみたいで、よくマネージャーさんに説明されているときに「ああマジかぁ、どうにかならないの?」ってあわあわしている姿もよく見かけます(笑)。 

嶋田 いつも現場へ向かう車中ではピリピリしていますけど、終わったら結局「いやー、今日も楽しかったねー!」みたいなことが結構あって(笑)。自分に課された責任を果たさなきゃ、俺が頑張らなきゃって責任感や葛藤もあるんだろうなって思います。 

池野 長州が真面目だと思うのが、今ドラマ(TBS系「俺の家の話」)に出演していて、3行のセリフを、体にしみ込ませて自分のものにするために繰り返し練習をしている。僕からしたら前の夜に風呂で5回くらいやればいいんじゃないの? なんて思ってしまうけど。なんでも究極まで突き詰めるんですよね。 

嶋田 「ガキの使いやあらへんで!」(日本テレビ系)に天龍が出演したときも、少しの出演シーンでも家でずーっと練習して、収録前日に宿泊したホテルで練習して、朝の4時からリハもやって、本人は「できない、難しい」って苦労していて。できなくてもなんとなく笑いは取れるし、よきところに落ちるからそれでもいいのに、もっと高いところに自分を追い込むんですよね。気楽にやってくれって言っても聞いちゃいない。 

LEONA 理想がすごく高い。試合もそうだし、芸事にしても同じ。一般的に見たら120%、150%という成果が、父たちにとっては100%。そこまで上げてこそプロだという意識を強烈に感じます。 

嶋田 「結果、よかったじゃん」というような気持ちがないんですよね。

――最後に、殿堂会としての今後の展望を教えてください。

LEONA 2021年は日本のプロレス誕生70周年という節目の年。そこでプロレス殿堂会があってよかったと思えるようなイベント、式典を積極的にやっていきたいです。プロレスの殿堂は日本ではベーシックな部分はできたと思いますが、欧米はもっと先進的。日本でも殿堂がもっと存在意義があるものになるよう、参加している身としては一生懸命やっていきたいです。 

嶋田 とにかく何も無いところから、賛同メンバーをはじめ、サポーターの方が信じてくださっている。我々もファンも賛同メンバーも、縦のつながりも横のつながりも強くして、一つ一つをきっちりつなげて、さらに速度感を持って活動をしていきたいですね。 

池野 プロレスに興味ない人にも興味を持ってもらえる活動をしていきたいですね。YouTubeもしかり、もう少し面白いコンテンツができればと思っていて、そういうところに力を入れていきたいです。長州ら強力な賛同メンバーがいて、この3人が交わると3倍どころのパワーじゃない。そこの力も使わせてもらいたいです。 

LEONA 父が言うのは「俺たちがメインじゃなくて、そこに交わる賛同メンバーだからね」ということ。僕たちが組織を引っ張る立場ですけど、それでも父たちが協力してくれるありがたさは実感しますね。 

嶋田 (賛同メンバーの)ジャイアント馬場さん、アントニオ猪木さん、藤波辰爾さん、長州力さん、天龍源一郎、この5人がいるって本当にすごいこと。私は家族ということもあって、実はファンのみなさんよりもその実感が薄いのかもしれない。この当たり前じゃないすごい状況を、まずは私自身がもっと認識するべきだと思います。 

LEONA 殿堂会のチラシを見ただけでもぞっとするメンバーですよね。 

嶋田 ファンの方のリアクションも「なんだこれは⁉」って(笑)。 

LEONA 等身大パネルで撮影会をしたときも、本人がいるわけじゃないのにみなさん並んでまで撮影してくれましたよね。 

嶋田 なんか、パネルですみません……っていう(苦笑)。これからも多くのプロレスラーのキャリアをファンの方にも共に敬い、理解してもらえるようにしたいという思いは変わりません。2021年2月に立ち上げ一周年イベントを予定していたのが、緊急事態宣言によって延期になり、4月3日に行うことになりました。藤波さん、長州さん、天龍も参加予定で、さらにその会場で“いい報告”ができると思いますので、みなさんぜひ注目してください!

「二世会」メンバー座談会【前編】「父がプロレスラー“あるある”」はコチラ

※記載内容は2021年3月6日に取材を行った際のものです。

■日本プロレス殿堂会 2020年2月20日に発足。日本に古くから根付いた伝承文化であるプロレス、プロレスラーの功績を業界全体として永続的に語り継ぎ、ファン、選手同士が「過去と現在が交わることができる場所」を設けること。プロレス引退後も選手本人、そして、その家族が安心して過ごせる制度を構築することを目的として設立。活動によって得た収益の一部を登録選手(管理・マネジメント)へ永続的に分配する「プロレスラー報酬」制度のほか、チャリティー活動、各種イベントなどを行う。

「日本プロレス殿堂会」の詳しい情報はコチラ

2021年4月3日(土) 東京・下北沢タウンホールで日本プロレス殿堂会設立1周年記念イベント『レジェンドサミットVol.1』を開催。※天龍源一郎は体調不良により出演見合わせ。

  • 取材・文高橋ダイスケ撮影杉山和行

Photo Gallery6

Photo Selection

あなたへのおすすめ記事を写真から

関連記事