遠慮や忖度から解放され「自由になった」中居正広が圧倒的にスゴい

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『金スマ』絶好調!

「最近の金スマめちゃくちゃにいいじゃん!」 

「最近の金スマ、芸人を事務所まとめて呼んでくれるから最高。中居くんの芸人愛もすごい感じる」「最近は金スマが一番楽しみかも。毎回とても面白い」 

「最近の金スマ、神回的に面白いのが多過ぎる」 

「この前のオードリーの金スマ観て思ったし今回のハライチの金スマ観て思ったけど、最近のバラエティは本気で若者をターゲットにしているから活気を感じる。観ていて面白い」 

「これずーっと言いたかったことなんだけど、金スマ最近スタッフさん変わった?中居くんの周りの大御所を思いきって切ったことで、中居正広の圧倒的実力が際立ってて非常に面白い。毎週見てる」 

最近、『中居正広の金曜日のスマイルたちへ』(TBS系)が「面白い」「すごい」とSNSなどで絶賛されている。

TBS「中居正広の金曜日のスマイルたちへ」公式サイトより

1月29日の「人力舎芸人」などの回を皮切りに、2月19日に田村淳がロンブー解散危機や吉本退所決意を語った回から、3月5日の「ロンドンブーツ1号2号再出発の裏側」回、3月12日の「ハライチ結成15周年!ワタナベ芸人総勢29名でお祝いSP」回、3月26日の「ハライチSP ワタナベ芸人」後半戦などなど、事務所ごとに芸人がまるごと出演する回や、かなり“攻めた”企画が増えている。

さらに4月2日の2時間SPでは、ハロー!プロジェクトの「モーニング娘。’21」が予定されている。懐かしの『うたばん』のモー娘。レジェンドたちの秘蔵映像も登場するらしい。

視聴率だけ見ると、例えば3月19日放送分は世帯視聴率7.0%、個人視聴率4.0%と、決して芳しいものではない『金スマ』。しかし、ここ数ヵ月の視聴者の反響は非常に大きく、内容の充実度は著しく、言ってみれば毎週お祭り騒ぎのような番組を連発しているのだ。いったい何故なのか。

かつての『金スマ』のイメージといえば、芸能人の波乱万丈な人生を振り返ったり、ダイエット本を検証したり、社交ダンスをしたり、お涙頂戴的な内容のときも結構あった。

それが、Wikipediaによると1月29日以降、スタッフが大きく変わったようだが、変化の原点は昨年10月9日以降、チーフプロデューサーとして、『音楽の日』で中居と安住紳一郎とずっと一緒にやってきた現・エグゼクティブプロデューサーで、『UTAGE!』のチーフプロデューサー、『うたばん』チーフプロデューサーの大木真太郎が加わってからかもしれない。

さらに、それまで演出・ディレクターだった高田脩が「総合演出」になっている。彼は、2015年末に放送された『時間がある人しか出れないTV』(TBS)で『2015年テレビで一番笑いを取った芸能人ベスト100』(TBS系)という、1年間民放キー局で放送されたテレビ番組で笑いを取った数を集計するという正気の沙汰と思えないランキング企画を手掛けたプロデューサーで、大木とは『なかい君の学スイッチ』のコンビでもある。

つまり、信頼できるスタッフたちとガッチリ手を組んで、自由度高く、楽しく番組を作れるようになってきた経緯があるのではないだろうか。

また、人力舎やワタナベ芸人回のような「芸能事務所」単位の大勢を相手に1人でまわす現在の構成が、中居の能力を最大限に引き出すスタイルであるということも影響しているだろう。

(撮影:蓮尾真司)

それを確信したのが、『のどじまんTHEワールド!2018春』(2018年3月10日)番組観覧のときだった。これは、世界中から“日本の歌を愛する外国人”が来日して、日本の名曲を熱唱するという番組。その内容も、1600人という観客数も、コロナ以降の時代では成立しえないものだが、中居のスーパーMCぶりはテレビを観るだけでは到底わからない異次元のものだった。

会場に入るなり、まず軽く観客をイジって、空気を和ませたかと思えば、出場者の歌と歌の合間にちょこちょこメモをとっている。前の出場者の小道具がステージ上に残っていると、さりげなくスタッフに指差しと目配せで知らせ、指示を与える。

さらに、出演者の歌を聴きながら口ずさみ、審査員にコメントを求め、そのコメントが冗長になったり、スベッたりすると、すかさずゲストをイジるなどして会場の空気をあたため、テンポをあげる。

おまけに、出場者の伴奏の楽器に音声トラブルがあったときには、演奏をストップさせ、自ら出場者のもとに行き、「ゆっくりでいいですよ」「もう1回チェックした方がいいんじゃないかな?」と声をかけ、楽器のチェックを念入りにするのだ。

しかも、何度も「申し訳ない」「こちらのミスですから」「本当にすみません」と出場者たちに申し訳なさそうな笑顔でやわらかに声をかける。

編集済みで放送されるテレビ番組には、当然ながら、こうしたトラブルは映らない。だから、通常、トラブルが起こった際には、スタッフが動くものとばかり思っていたが、中居は自ら出場者に声をかけ、謝罪し、チェックし、その間も流れを止めることなく、全体に目を配り、審査員やゲスト、観客を置き去りにしないよう、絶えずトークを続けて、会場を盛り上げる。

番組の大きな流れから、隅々の細部まで、一人で仕切っているように見えるその仕事ぶりは、「進行役」というよりも、1600人もの観客を含めたオーケストラの指揮者のようだった。 

そういう意味で、いろんな国のいろんな言葉を話す人たちがいろんな楽器を携えて集まる『のど自慢ザワールド』と、いろんな個性・いろんな芸歴の芸人たちが事務所単位で丸ごと集まる『金スマ』芸人回は、なんだか似ている。

瞬時に全体を見渡す視野の広さと、あらゆる方向に気を配れる細やかさ、判断の迅速さと的確さを持つ中居の能力は、会場にいる人間の数が多ければ多いほど際立つ。少人数のセッションも楽しいが、あの超絶技巧のようなMCスタイルは、大人数のオーケストラの指揮的番組でこそ、存分に発揮できるのではないだろうか。

(撮影:蓮尾真司)

加えて、中居の心境の変化もおそらくあるだろう。

SMAP解散後も、中居がジャニーズ事務所に残ったのは、ジャニー喜多川氏に恩義を感じていたからだとよく言われる。派閥問題などが週刊誌で報じられた後も、ジャニー氏の誕生日会に出席し、「人一倍はしゃいでいた」などと言われていたように、その絆は強かった。しかし、ジャニー氏が2019年7月9日に亡くなると、その年度末にあたる2020年3月末にジャニーズ事務所を退社。

独立してからも事務所の後輩などと仕事する機会は多く、良好な関係だが、ようやくジャニー氏の弔いも終え、古巣に遠慮せず自身のスタイルで活動しやすい心境になってきたのではないだろうか。

それを感じたのは、『新・日本男児と中居』(日本テレビ系/昨年10月16日放送分)。アイドルダンスについて語る表情、口調には、ダンス愛が溢れていた。

さらに、3月6日に放送された特番『中居正広のダンスな会』(TBS系)は、久しぶりに中居がMCとしてダンスと向き合う特番となっていた。少年隊からの流れで近年のジャニーズのダンスなども紹介する様子は、実にイキイキしていた。

これらの番組を機に、ぜひとも中居自身のダンスを久しぶりに観たいと思った視聴者は多かったことだろう。そろそろテレビ番組あるいはYouTubeなどで、大好きなダンスを再開してくれないだろうか。

また、2019年7月にジャニーズ事務所が民放テレビ局などに対し、元SMAPで「新しい地図」の3人(稲垣吾郎、草彅剛、香取慎吾)に対し「出演させないよう圧力をかけていた疑いがある」として注意したことがNHKのスクープで明らかになった。そこから1年半ほど経ち、ようやく草彅が久しぶりに地上波連ドラに復帰。それもNHK大河ドラマ『青天を衝け』に出演していることなども、中居にとっての安心材料につながっている部分もあるかもしれない。 

様々な遠慮や忖度からようやく自由になれた中居が今、抜群に面白く、かっこいいのだ。

  • 田幸和歌子

    1973年生まれ。出版社、広告制作会社勤務を経てフリーランスのライターに。週刊誌・月刊誌等で俳優などのインタビューを手掛けるほか、ドラマコラムを様々な媒体で執筆中。主な著書に、『大切なことはみんな朝ドラが教えてくれた』(太田出版)、『KinKiKids おわりなき道』『Hey!Say!JUMP 9つのトビラが開くとき』(ともにアールズ出版)など。

  • 写真蓮尾真司

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