『ガラスの仮面』美内すずえ先生が語り尽くす「新しい地図」の魅力 | FRIDAYデジタル

『ガラスの仮面』美内すずえ先生が語り尽くす「新しい地図」の魅力

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「ミュージカルでもショーでも、コントでも良いので、3人が一緒に出るステージが観たいです 」

2017年からTwitterを開始して以来、元SMAPで「新しい地図」として活動する3人(稲垣吾郎、草彅剛、香取慎吾)について度々言及してきた『ガラスの仮面』等の大御所漫画家・美内すずえさん。草彅が主演映画『ミッドナイトスワン』で第44回日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞したときにも早速に喜びの声をあげ、また、稲垣の主演舞台『No.9-不滅の旋律-』には4回足を運んでもいる。 

“演劇”を描く日本で一番有名な漫画の作者として、彼らの芝居のどこに惹かれたのか。きっかけや、彼らの魅力について、たっぷり1時間語ってもらった。 

<美内先生の「新しい地図」愛・語り下ろし8000字バージョンは、有料サイトから(https://friday.gold/article/86200読めます。ここでは語り尽くせなかった、稲垣吾郎さん、香取慎吾さんの魅力、そしていま一番期待することとは…? ぜひお読みくださいませ。>

美内すずえ 大阪府出身。1976年から連載の「ガラスの仮面」(白泉社)は開始当初より超ベストセラーとなり 少女漫画史上、空前のロングセラー作品となった。(撮影:岡田こずえ)

あれはいったい何ったんだろう…こんなことを彼らにさせちゃいけない

――美内すずえ先生はこれまでも元SMAPの3人について、Twitterで度々コメントされています。きっかけは何だったのでしょうか。

美内すずえ(以下 美内) 私はもともと熱心なSMAPファンというわけじゃなかったんですよ。もちろん好きな歌はいくつかありましたし、フジテレビの月曜10時放送の『SMAP×SMAP』はすごくユニークな番組で好きだったので、いつも録画して観ていましたが、いて当たり前の存在だっただけに、ごく普通のファンだったんです。ところが、知り合いなどの間でSMAPが解散するという噂が流れてきて、「ウソでしょ!? どうなっちゃうの!?」と。 

そこから、ファンの方が今も“公開処刑”と呼んでいる謝罪が行われたでしょう。いつもセンターにいる中居(正広)さんが端にいて、真ん中にいる木村(拓哉)さんが謝って、みんな悔しそうで。あれはいったい何だろう、こんなことを彼らにさせちゃいけないだろうとやるせない思いになって、関心が深まっていったんです。

「草彅剛、彼は天才だよ」あのつかさんが、誰かを指して天才って言うなんて信じられなくて…

――美内先生は、新しい地図の方々とは面識があったのですか。

美内 ずいぶん昔(1999年・2000年)、つかこうへいさんの舞台『蒲田行進曲』に草彅さんがヤス(村岡安次)役として出るということで、つかさんからご招待いただいて観に行ったことがあったんです。 

あのSMAPの華やかなアイドルが、ある意味汚れ役をやるってどうなんだろうと思ってビックリしていたんですが、始まる前につかさんに楽屋のロビーでご挨拶したら、「会わせるから」と連れて行ってくれて。その途中でつかさんがクルッと振り向いて「草彅剛、彼は天才だよ」とボソッと言ったの。あのつかさんが、誰かを指して天才って言うなんて信じられなくて。 

何故かというと、つかさんのお稽古場を見学に行ったことがあるんですが、私が団員だったら辞めちゃうと思うくらい厳しさが半端なかったんです。それこそ世間でチヤホヤされているタレントさんなども、プライドがズタズタになるほど言葉でいじめて、そのプライドを捨てさせるらしいんですけど、草彅さんについては「天才だよ」の一言ですから、聞き違えたかしらと思ったくらいです。 

それで、草彅さんの控室に行ったら、考えたら不思議ですよね、偶然、今の新しい地図の3人がいたんですよ。誰か一人がソファで寝転がって、他の一人が後ろでふざけていて、つかさんが入ると慌ててみんな直立するんです(笑)。それでつかさんが『ガラスの仮面』の作者の、と紹介してくださったんですけど、ずっと直立不動で緊張されていたので、簡単な挨拶だけして引き上げたんですけど。 

――実際に舞台をご覧になっていかがでしたか。

美内 草彅さんのお芝居はそのとき初めて観たんですけど、びっくりしましたね。SMAPのアイドルとして踊ったり歌ったりする姿しか見ていなかったので、彼がしっかり「つか芝居」をしていることに驚いて。 

つかさんのお芝居のやり方は独特で、台本を見せるんじゃなく、口伝えでセリフを渡していく方なので、「このセリフ辞めた」「やっぱりこれにする」と何度もその場で変わっていく。役者さんは覚えるだけでも大変だと思うんですが、さらに機関銃のように高いテンションで激しく台詞の掛け合いをするんですよ。それを草彅さんが舞台の上で、今まで観た「つか芝居」の役者さんたちと同じテンションでやっているんです。

「何だろう、このひと?」というのが最初の印象でした。アイドルの概念がひっくり返ったというか、ようするに役者としての草彅さんに驚いたんですね。そこにアイドルの草彅剛さんがいなかったので。 

そこから注目するようになって。そのすぐ後だったかな。テレビドラマに出たときに観たら、つか芝居をちょっと引きずってテンション高めだったので、「テレビでこれはちょっとマズイかも」と思ったら、すぐに訂正されて。すごく勘の良いひとなんだと思っていました。

その後、新しい地図になってから、白井晃さん演出のお芝居『バリーターク』も観に行きましたが、不条理的なセリフを抵抗なくやってのけるし、音楽劇の『道(La Strada)』の主演として旅芸人の傲慢な男役も、ちゃんと成立させていて。 

舞台の上の人たちにはいつも注目しているんですが、草彅剛さんは、興味深いですね。底なし沼みたいなものを持っていて、その底に多くのものが眠っている。そんな印象かな。これからどんなものが浮上してくるのか、楽しみです。 

(撮影:島颯太)

 “NAKAMA”の方から「草彅剛は北島マヤです」と言っていただくんですよ

――映画『ミッドナイトスワン』についてもコメントされていましたね。

美内 評判は聞いていたんですが、うまく時間がとれなかったこととコロナ禍だったこととで、1度だけ観に行きました。でも、1回観ただけなのに深い思いが残って、3日間くらい脳内再上映していました(笑)。頭の中で何度も、映画を繰り返し観ていたんですよ。こういう映画は久しぶりです。

凪沙が一果の舞台のためにお金が必要で、男の姿で働く場面があるでしょう。あそこ、すごいですね。男の体だけど心は女。女として生きていた凪沙が重労働の男の仕事をする。そこにも“女”の戸惑いと非力さがにじみ出てるんですから。ほんのちょっとした場面ですけど、私は印象に残りました。

もちろん監督さんの脚本や演出も素晴らしかったのですが、よくあの役を草彅剛さんに振ったな、と感心しました。凪沙の一果に対する心の変化や、母性のようなものが生まれていく様子など、うまく表現されていて。あの映画の中にいたのは草彅さんじゃなく、確かに“凪沙さん”でした。

映画の終盤では、映画館のあちこちですすり泣きが聞こえてくるんですが、わかりますよ。理屈じゃない涙が出てくるんですよね。トランスジェンダーの“彼”の中に芽生えた母性。その哀しさと無償の愛に、お客さんはきっと席を立てなくなるんだと思います。 

さらに、今はNHK大河ドラマ『青天を衝け』で徳川慶喜を演じていますが、その宣材で慶喜公の写真と並んで、慶喜公に扮した草彅さんの写真を見たのですが、いや、ほんと、ビックリしました。顔のパーツなどは違うのに、雰囲気があまりにそっくりで。慶喜公そのもの。よく“憑依型”って言われているようですが、ほんとにそうかも。こんな役者さんは、ちょっと見たことないですね。 

よく「新しい地図」のファンの“NAKAMA”の方からメールをいただくんですが、「草彅剛は北島マヤです」と言っていただくんですよ。

――私も実はそう思っていました! 草彅さんのお芝居をご覧になったとき、美内先生は(ガラスの仮面の)月影千草先生のように「見つけたわ!」「恐ろしい子!」と思ったのですか。

美内 それはなかったです(笑)。そもそもSMAPの草彅さんとして見ていたので。いまでは「おそろしい子…!」とは思いますが(笑)。 

(撮影:島颯太)

NHK紅白歌合戦のトリとして、1度で良いのでSMAPを出して欲しい

――今後、新しい地図としてどんな活動を見たいですか。

美内 「SMAPの同窓会」をやってほしい!年に1回でいいから。たとえば、東京ドームで。あるいは紅白歌合戦で、サプライズ企画として、『一夜限りのSMAP結成!』。

もう世界中のファンが喜びますよ。事務所間の問題はいろいろあるでしょうが、この時だけでも手を結んでくれないかなあ。 

それから、新しい地図さんには、たとえば帝国劇場とか日生劇場とかの大きな劇場で、3人が出る舞台をやってほしい。ミュージカルでも演劇でもいいんです。

オリジナル作品でもいいし。たとえばアレクサンドル・デュマの小説『三銃士』とか、それをアレンジした物語とか、題材はたくさんあると思います。実現したら、空前のチケット争奪戦になるかなあ(笑)。

<美内先生の「新しい地図」愛・語り下ろし8000字バージョンは、下記の有料サイトから読めます。

こちらから→https://friday.gold/article/86200

美内先生が語り尽くした稲垣吾郎さん、香取慎吾さんの魅力、そしていま一番期待することとは…? ぜひお読みくださいませ。>

美内すずえ 大阪府出身。16才の時、「山の月と子だぬきと」が集英社「別冊マーガレット」で金賞を受賞し、高校生漫画家としてデビュー。 1976年から連載の「ガラスの仮面」(白泉社)は開始当初より超ベストセラーとなり 少女漫画史上、空前のロングセラー作品として、各界から絶大な支持を受け、TVアニメ化、ドラマ化、舞台化されている。

その他、光と闇の伝奇ロマン「アマテラス」(白泉社)では、自らの神秘体験を盛り込んでおり、メッセージ性の高い読み物として、幅広い層に愛読者が多い。「妖鬼妃伝」にて 1982年度 講談社漫画賞、「ガラスの仮面」にて 1995年度 日本漫画家協会賞優秀賞。

  • 取材・文田幸和歌子

    1973年生まれ。出版社、広告制作会社勤務を経てフリーランスのライターに。週刊誌・月刊誌等で俳優などのインタビューを手掛けるほか、ドラマコラムを様々な媒体で執筆中。主な著書に、『大切なことはみんな朝ドラが教えてくれた』(太田出版)、『KinKiKids おわりなき道』『Hey!Say!JUMP 9つのトビラが開くとき』(ともにアールズ出版)など。

  • 撮影岡田こずえ

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