東京・湾岸エリアで目撃情報多数!「謎のクルマ」の正体
とにかくフォルムが斬新! SF映画に出てきそうな流線形のボディと、怪しげな装備の数々
SF映画のヒーローが乗っているのだろうか? 6月上旬、閑散とした平日午後の東京・お台場で目撃されたのは、近未来を連想させる「謎のクルマ」だった。
リアタイヤが完全に覆われた独特のフォルム、ヘッドライトは半円状で、ルーフには大型のセンサーが取り付けられている。後ろには白いプリウスがピッタリと伴走していた。あまりにも怪しい。
このクルマはお台場から豊洲市場に向けて、車列の中を滑らかに走り去っていった。映画の撮影だったのか……。
自動車ジャーナリスト・加藤久美子氏に聞いてみると、その正体が判明した。トヨタが開発した最新モデルの公道テスト走行だったのだ。
「’17年1月に発表されたコンセプトカーだと思われます。技術やデザインの方向性をアピールするためのクルマで、市販の予定はないと言われていますが、トヨタが膨大な予算を投じ、厳しい保安基準を満たして、公道を走れるナンバーを取得したということです」
もちろん最新のテクノロジーがこれでもかと詰まっているという。
「フルEVのコンパクトカーで、最先端の自動運転技術が搭載されています。『AI』(人工知能)も内蔵されており、ドライバーの表情や会話を通じてリラックス機能や音楽を作動させる他、眠気を感じ取ったら警告するなどの注意喚起まで行います。
すでに自動運転機能を備えていないバージョンが、東京五輪の聖火リレーの先導車として使用されています。おそらく五輪本番では、完全な自動運転技術が披露されることでしょう」(加藤氏)
東京五輪の組織委員会担当者は、本誌の取材にこう答える。
「オリンピックマラソン(札幌)、パラリンピックマラソン(東京)で、競技用車両(審判が乗車)として走行予定です」
一般に発売される日は来るのだろうか。

『FRIDAY』2021年7月9日号より
撮影:加藤博人