番組Pが明かす『ゴゴスマ』の「動物の生中継」が尋常じゃないワケ | FRIDAYデジタル

番組Pが明かす『ゴゴスマ』の「動物の生中継」が尋常じゃないワケ

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コロナ禍で動物の動きが活発化!?

近年、『ゴゴスマ』(CBCテレビ/TBS系)が尋常でない情熱を注ぐ「動物」企画。クマや蛇、サル、珍しい巨大鳥など、様々な動物を“生中継”でたっぷり追いかけ、その様子を、スタジオの出演者たちが見守るという構図になっている。

何故こんなにも動物生中継に力を入れているのか。『ゴゴスマ』プロデューサーの増子淳一氏に聞いた。

「『人面魚ブーム』や『矢ガモ騒動』、多摩川に現れた『アザラシのタマちゃん』など、平成の時代、動物中継はワイドショーの専売特許でもありました。それらを見て育った世代が番組制作スタッフとなり、潜在的に動物中継を求めているところはあるのかもしれません。 

また、この一年、コロナ禍で人の動きが変わった影響なのか、動物の動きが活発化しています。 

クマやイノシシなど、人的被害が出ている深刻な問題もあるため、もちろん軽々しく考えることはできませんが、コロナ禍で誰もが不自由さやストレスを抱えた世の中で、悠然と自由に動く動物の映像を見て、癒しを求める心理もどこかにあるのかもしれないですね」

加えて、誰もがスマホで映像や写真を撮影することができる「一億総カメラマン社会」になったことで、これまで撮影されなかった様々な生き物の姿がとらえられ、SNSで拡散されるようになったことも影響しているのではないか…と増子氏は分析する。

『ゴゴスマ -GO GO!Smile!-』(CBCテレビ/TBS系)毎週月~金曜のゴゴ1:55~放送

実際、同番組で動物ネタが“豊作”だった6月の中継を振り返ってみると……

  • 6/3(木)・4(金) 千葉・巨大鳥ミナミジサイチョウ
  • 6/7(月) 宮城・四ツ目のカモシカ
  • 6/8(火) 名古屋・バナナウナギ
  • 6/10(木) 兵庫・三つ子の人面魚
  • 6/17(木) 千葉・幻の深海ザメ・メガマウス
  • 6/23(水)・24(木) 神奈川・野生サル全頭捕獲 

なんと8日間も動物生中継を行っていた。それにしても、出現も定かでなく、行動も読めない動物相手に、なぜ“生中継”なのか。

中継で姿をとらえたミナミジサイチョウ(6月4日放送分より)

「『生にこだわり、わかりやすく、どこかほっこりと』が『ゴゴスマ』のコンセプトであり、動物モノを扱う上で大切にしているのは、ネット上に溢れる画像を鵜呑みにせず、必ず自分たちで現地や撮影者に取材し、自分たちのカメラでその姿をとらえることを目指すことと、その様子を生中継で視聴者と共有することなんです。 

生中継は生の情報番組の醍醐味であり、特に動物モノでは動物の一挙手一投足、息遣いなどの臨場感を伝える上で、生中継が最も有効なツールだと思います。動物は動きが予測できないですから、ハラハラドキドキで目が離せないですし、生態が謎に包まれた動物や意外な生態などを知ることができ、情報性に富んでいるところもポイントです」

動物たちの情報は、番組スタッフが常にインターネットやSNSなどを駆使して収集しているほか、地方新聞のweb版も重要な情報源となっている。番組放送エリアの各局から情報をもらうことや、番組HPに視聴者が情報提供してくれることもあるという。

動物と会話するパンク町田氏の存在

気になるのは、番組レギュラーのような登場頻度を誇る動物研究家・パンク町田氏の存在だ。あらゆる動物の生態に精通し、飼育経験も豊富で、動物の出没現場に赴いては視聴者に解説してくれる、生中継になくてはならない存在となっている。

「パンクさんにご出演いただくようになったのは4~5年前から。もともとクマが人里におりてきたことなど、動物のトラブルなどを扱うことはたくさんありましたが、番組が広いエリアでご覧いただけるようになってからは動物の生態に詳しい方としてご登場いただくことが増し、タッグを組ませていただくようになりました」

とはいえ、最初は現地の記者と中継する中で、パンク氏は電話出演の形式だった。「その情報、現地の人に伝えてあげて!」と思いながら観ていた記憶があるが……。

「まさしくそうしたお声をたくさんいただいたことから、ご本人に現地に行っていただくようになりました。 

その場でどうしたら良いかという対応は現地に行っていただいた方が伝えやすいですし、視聴者の方にもわかりやすく、臨場感があるだろうと。パンクさんには、番組スタッフが収集した情報の裏とりなどをした後、取材することが決まった時点でお声がけするのですが、ほとんどは当日、早くて前日の連絡なんです。 

それでも、パンクさんは都合がつく限り『いいですよ、私もそこまで行きます』と言ってくださいます。関東近郊の山奥に住んでいるそうですが、車で数時間かけて現地で落ち合うことが多いですね」 

長髪に独特のヒゲ、上半身裸で犬を抱く宣材写真など、その風貌が持つテレビ画面の掌握力は、ときに対象の動物を超えるほど。 

「SNSなどでもパンクさんが登場すると、『パンクさん、キター!』と大きな反響があるんですよ。 

パンクさんの解説はとにかく動物愛に溢れていて、動物がどんな状態で、どんな気持ちで、どう対応すればいいのか、視聴者にわかりやすく教えてくれるところが魅力です」 

パンク町田氏は、ときには動物と「会話」することもある。例えば6月23日放送分では、神奈川・小田原で長年にわたって地域住民を悩ませているサル集団を全頭捕獲する方針が決まり、現地から生中継となった。

そうした中、凶暴そうなサルとパンク氏が遭遇。普通なら襲われないために、目を離さず、その場から離れるのが賢明だというが、パンク氏は自分とサルの間にあった金網を揺らし、サルを威嚇したのである。その一部始終を伝えた生中継は視聴者から大きな反響を得た。

「パンク氏は、『このサルは人間を恐れていないので、人間は恐ろしいものだとわからせないと今後、人間を襲いかねないため、あえてそのような行動をとった』と説明してくれました。 

さらにパンク氏は放送後にも取材を続け、再びサルと1対1で対峙し、およそ1分間の『会話』をしています。パンク氏が『自分たちは危害を加えるつもりはない』と伝えるとサルは立ち去って行き、その様子を翌日のゴゴスマで放送したところ、こちらも大きな反響を得ました。パンク氏とゴゴスマだからこそ撮影できた貴重な映像になったと思います」 

サルと対峙するパンク町田氏(6月23日放送分より)
解説するパンク町田氏(6月23日放送分より)

古舘伊知郎氏の実況中継も!? 

また、スタジオにいるMC・石井亮次氏やレギュラー出演者たちの盛り上がりも臨場感に一役買っている。

「出演者たちがお茶の間の皆さんと同じ感覚で『あ、今、ちょっと動いた!』とか『もう少し!』などとリアルタイムで楽しめるのは生中継の醍醐味だと思います。 

実は、古舘伊知郎さんが出演する日にあえて動物ネタをやってみるなんてこともあるんですよ(笑)。古舘さんが難しいテーマにコメントするのは当たり前ですが、サルについてどんなコメントをするのかといったことは、視聴者の方にも新鮮に楽しんでいただけるのではないかと思います」

もう一つ気になるのは、放送時間内に一度は動物と大接近するなどの「山場」があること。 

「おそらくこんなにしつこく長い時間をかけて動物ネタをやる番組が他にないからだと思います。 

それと、やはり現場にパンクさんがいらっしゃることで動物たちも何かを感じて動くんじゃないかと思っています。 

ちなみに、1回取材した後には継続して連絡をとらせていただいたり、取材後・放送後に状況が変わった段階でその続きを取材したりすることもあります。動物を探すところから始め、姿をとらえたところから、捕獲されそうだということで連日中継するケースもあります。 

実際に現地に行ってみないと、動物の姿をとらえられるかはわからず、姿をとらえても、放送までに逃げてしまう可能性もある。逆に放送中に姿をとらえることができたときには中継を引っ張り、予定していたコーナーを中止することもあるんですよ」 

サルに対し金網を揺するパンク町田氏とそれを見守る古舘伊知郎氏(6月23日放送分より)

動物中継で伝えたいこととは…

予定調和でないのは生中継の魅力だが、スタッフの苦労はかなりのものだろう。動物中継で伝えたいことはどんなことなのかと聞くと、増子氏は言った。

「『貴重な電波を使って、何をやっているんだ』というお叱りの声もあります。そういった声ももちろんきちんと受け止めつつ、動物がそこに現れる理由や背景、自然の姿をパンクさんに教えていただきながら、人間も同じ動物として学ぶきっかけになればと思っています。 

伝える上で心掛けているのは、生中継ならではの臨場感を大事にすること。また、人に危害を与える動物もいれば、ケガをしている可哀想な動物もいる。人間社会の影響で過酷な目に遭っている動物もいる。 

ケースによって、楽しんで見て良いのか、深刻なのか、真剣に向き合うべき社会問題なのか、その温度感を間違えないように留意しながら、動物に対してきちんとリスペクトするというスタンスを大事にしています」

  • 取材・文田幸和歌子

    1973年生まれ。出版社、広告制作会社勤務を経てフリーランスのライターに。週刊誌・月刊誌等で俳優などのインタビューを手掛けるほか、ドラマコラムを様々な媒体で執筆中。主な著書に、『大切なことはみんな朝ドラが教えてくれた』(太田出版)、『KinKiKids おわりなき道』『Hey!Say!JUMP 9つのトビラが開くとき』(ともにアールズ出版)など。

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