岩田絵里奈アナ『スッキリ』の「水卜ロス」を払拭し人気躍進のワケ | FRIDAYデジタル

岩田絵里奈アナ『スッキリ』の「水卜ロス」を払拭し人気躍進のワケ

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慶應大学の卒業式での岩田アナ。卒業式でも圧倒的な人気者ぶりで、多くの同級生に囲まれていた(’18年)
慶應大学の卒業式での岩田アナ。卒業式でも圧倒的な人気者ぶりで、多くの同級生に囲まれていた(’18年)

加藤浩次の夏休み不在時に大暴れ

今春の『スッキリ』(日本テレビ系)MC就任から約5か月。筆者のもとには、各局の関係者、エンタメ誌やテレビ誌の編集者など、ここにきて岩田絵里奈アナを称える声が各所から聞こえてくる。とりわけMC・加藤浩次が夏休みで不在だった16~20日での振る舞いは連日、驚かされるほどのものがあった。

16日はオープニングで代打MC・小澤征悦が「ついにこの日が来てしまいました。MCに就任しましたんで、加藤さん今までおつかれさまでした。心おきなく休んでくださいね」と大ボケをかますと、岩田アナがかぶせるように即反応。神妙な表情で、「はい。本当に短い間だったんですけど、お世話になってありがとうございました」と頭を下げたあと、「……じゃないんですね」と一転して笑顔を見せ、小澤のボケをノリツッコミで広げた。

17日は代打MCの大先輩・藤井貴彦アナから「岩田さんよろしくお願いいたします。おんぶにだっこさせていただきますんで」と頭を下げられると、ガッツポーズをしながら「ついてきてください!」と自信満々の笑顔。

19日は代打MC・近藤春菜に冒頭で、「ちなみにですけど、最近映画とか撮られているんですか?」と振り、持ちネタの「マイケル・ムーア監督じゃねえよ in スッキリ」を引き出した。

20日は代打MC・山里亮太に第一声で「“天の声さん”は何か言ってました?」と振りを入れ、さらに最新人型ロボットの特徴をクイズ形式で質問。山里が「かなり人間に近い動きになってきたんでしょうね」と答えると、岩田アナは「おっ、ふつうの解答……」と受け入れずに追い込んで動揺を誘い、「異常な回答がほしかったんですか……?じゃあね、右のランチャーから1つの国を壊す」というボケを引き出した。

急にボケを振られた近藤が「岩田ちゃんってグイグイ来るよね」と苦笑いしていたように、臆することなくアドリブを発したのだろう。岩田アナはいたずらっぽい笑顔で「これが聞きたかったんです。おかえりなさい」と返していたが、すでに『スッキリ』は彼女発信で動かせる番組になっている。入社前にタレントやモデルの活動歴があったが、それを踏まえても大した度胸の持ち主であることは間違いない。

笑顔で“できないキャラ”を担う

もちろんアシスタント的な番組進行にも抜かりはなく、もはや前MCの「水卜麻美アナロス」はなさそうだ。……というより、あらためて振り返ると岩田アナに変わった当初から『スッキリ』における「水卜麻美ロス」の声はなかった感すらある。つまり、それだけの仕事ぶりと存在感を見せてきたのだろう。

岩田アナは、「褒めらレシピをお裾分け 鳥羽周作のみんなの食卓」という料理コーナーでも、「(料理は)一切しません。玉子雑炊しか作れません……」と笑顔でカミングアウト。その他でも運動が苦手なことを自ら切り出すなど、常に“できないキャラ”を満面の笑みで引き受けられている。気取ったところがまったくなく、笑い優先のスタンスであるため、同性の敵を作りにくいのが彼女の強みだ。

バラエティに出ても、モノマネやマジックなどの特技を披露したり、食リポでは大好物の牛乳を何杯もがぶ飲みしたり、千鳥・大悟とロケで張り合って海に飛び込んだり。評価されているアナウンス技術に加えて、さまざまな形で笑いを取れる器用さを見れば、本当は何でもできる人なのだろう。

入社半年足らずで『世界まる見え!テレビ特捜部』の進行役に抜てきされ、しかもビートたけし、所ジョージの心をすぐにつかんでしまったことは周知の事実。しかし、その後も『シューイチ』で中山秀征、『ぐるぐるナインティナイン』でナインティナイン、『沸騰ワード10』でバナナマン、『スッキリ』で加藤浩次などタイプの異なるMCたちとの仕事をそつなくこなしてきた。社歴がまだ3年あまりであることを踏まえると、「いかにコミュニケーションスキルが高いか」がわかるだろう。

同い年の井上清華アナと残酷な明暗

岩田アナは8月30日に26歳の誕生日を迎えたが、同い年で同じように今春の大抜擢があったのがフジテレビの井上清華アナ。同局の先輩アナをごぼう抜きする形で看板情報番組である『めざましテレビ』のメインキャスターに抜擢され、「新たなエース誕生へ」というムードが漂っていた。

しかし、好事魔多し。最悪のタイミングでステマ疑惑を報じられたことで、イメージダウンを余儀なくされてしまった。たとえ法的に問題はなく、ステマには該当しない行為であっても視聴者のイメージを回復するのは難しく、忘れてもらうには少なくとも数年はかかるだろう。

春の段階では、「岩田アナと井上アナは12月恒例の『好きな女性アナウンサーランキング』で躍進する」と噂されていたが、わずか数か月間で大きく明暗が分かれてしまった。今や2年連続ワンツーを飾ったテレビ朝日・弘中綾香アナ、田中みな実アナの牙城を崩せるのは、昨年8位にランクインし、今年活躍の場を広げた岩田アナしかいないだろう。

とは言え、岩田絵里奈アナも好事魔多し……にならぬよう用心が必要な時期に違いない。

  • 木村隆志

    コラムニスト、テレビ・ドラマ解説者、タレントインタビュアー。ウェブを中心に月30本前後のコラムを提供し、年間約1億PVを記録するほか、『週刊フジテレビ批評』などの番組にも出演。各番組に情報提供を行うほか、取材歴2000人超の著名人専門インタビュアーでもある。1日のテレビ視聴は20時間(同時視聴含む)を超え、地上波全国ネットのドラマは全作品を視聴。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』など。

  • 撮影山田宏次郎

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