大手メディアは報じない総裁候補4人「自民党内でのホントの評判」 | FRIDAYデジタル

大手メディアは報じない総裁候補4人「自民党内でのホントの評判」

岸田・高市・河野・石破。「役割と変節と裏切り」に驚いた

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ニュースは自民党総裁選ばかり。暗躍する党内各派の思惑が入り乱れる「報道」が興味深い。

東京・永田町の自民党本部。総裁選を前に、警備がいっそう厳しくなっている。自由に出入りできるのは大手メディアの記者クラブ…記者たちが報じない、政局の本当の姿は 撮影:TEN
東京・永田町の自民党本部。総裁選を前に、警備がいっそう厳しくなっている。自由に出入りできるのは大手メディアの記者クラブ…記者たちが報じない、政局の本当の姿は 撮影:TEN

次期総裁への期待は、世論調査によると、河野太郎が31.9%でトップ(共同通信)。一方、本誌が既報し、政治関係者が注目した「自民党員・党友調査」によると、石破茂が29%で1位だ。(史上最熱の総裁選。石破、河野、岸田の激戦舞台裏 )

河野と石破の人気には、唯一最大の共通項がある。安倍、麻生、二階との「ディスタンス」だ。この距離感こそが、権力におもねらない、志のある政治家としての石破、河野の評価に繋がっている。しかしというか、それだけに、自民党内の声は微妙だ。

河野と石破。自民議員の「本音」を聞いて歩いた

「河野太郎は今、権力を目前に猫をかぶっているだけ。総裁になったら、制御不能になる。脱原発、女帝容認の方向を明確にするだろう。党の方針なんて無視。トランプさながら『官邸発河野ツイッター』を炸裂させる。河野は、いわば日本のトランプ、リトル小泉純一郎なんだ」(細田派議員)

「河野は安倍政権で初入閣。このとき、父·河野洋平元自民党総裁が官房長官時代に発した、従軍慰安婦問題に関する『河野談話』を否定したじゃないか。つまり、踏み絵だ。同時に、脱原発ブログも閉鎖して権力におもねった。状況に応じてそういう変節が平気でできる。信用できるわけがないじゃないか」(無所属議員)

一方、国民人気No.1の石破だが、党内の声は手厳しい。

「石破茂の正論は、相手に逃げ道を作らせてやらないから、聞いていて息苦しくなる。しかも回りくどい口調が鼻につく。間違ったことは言わないが、あの調子で安倍·麻生批判をしたので嫌われた。顔も怖いし、なぜ世論がいつも『次の首相にふさわしい政治家』のトップに選ぶのか、ちっとも分からない」(麻生派議員)

「石破のように、野党と一緒になって体制批判をすればそりゃ人気は出るでしょう。外にいい顔しすぎて、自民党内では友達が少ない。派閥が大きくならないことが石破と党の関係性を如実に物語っているんですよね」(安倍周辺)

これが、世論から最も支持されている「自民党2トップ」の党内評判と現実だ。

主に若年層が支持する河野、実年層以上に人気の石破と支持層は明確に分かれる。逆にいえばこの2人で全世代をカバーしている。それなら、間近に迫った衆議院総選挙をこの2トップで挑めば、全世代対応で自民不人気の失地は挽回できるのではないか。だが、そうは簡単にいかないのが、自民党という政党だ。どちらも総裁には選出されないだろうと大方は見ているのだ。

高市はなぜ…?

では「女性初」の看板をもち最大派閥の細田派と安倍前首相が後ろ盾となった高市早苗が優勢なのか。

「高市は、野田聖子が総裁選に出馬したときの対立軸という役まわり。それに加えて、安倍が、支持団体の日本会議に向けて党として送ったメッセージという役割です。なんにしても、ツールに過ぎない」(中堅議員)

「女性初」が、リベラル寄りの野田聖子では、自民党コア支持層が離れてしまうという理屈らしい。哀れである。

結局「ふにゃふにゃ」の岸田は安倍の顔色最優先

そして岸田文雄。自民党有力代議士が解説する。

「岸田は、外相時代に安倍本人から政権禅譲というニンジンをぶら下げられ、総理の椅子を強く意識するようになった。そのとき、岸田派の名誉会長として隠然たる力を持っていた古賀誠元幹事長が目障りだった麻生が、『古賀切り』を条件に禅譲をちらつかせた。昨年暮れ、岸田はついに古賀を放逐して、今回の総裁選を迎えたんです」

どっぷり保守の安倍と麻生は、古賀にコントロールされている岸田派が安倍らに敵対する勢力になることを警戒した。そのため、根こそぎ排除したのだ。伝統の派閥「宏池会」の長老政治家を裏切り追いやった岸田には、総理の座が転がり込んでくるはずだったが…。

モリカケ、桜、河井夫婦への政治資金など解明されないまま放置されている安倍前政権の疑惑の数々。なかでもモリカケ問題について岸田は、BS番組で「さらなる説明をしないといけない」と発言。これが安倍の逆鱗に触れ、安倍と細田派は高市全面支持へと舵を切ることになったのである。

「岸田が安倍に謝った」(関係者)

直後に流れた怪情報とともに、岸田は「再調査は考えていない」と発言を一変させ、今度は「安倍の靴を舐めた」と世論からバッシングを受ける。波紋は拡大するばかりだ。

「総裁選は、どの候補者も過半数に達しないのがミソだ。決選投票で大派閥が票の流れを作る事になるだろう。おそらく、1回目の投票とはまったく違う結果がでることになる」

自民党の幹部は、含み笑いでそう言った。が、しかし、である。

党員票「383票」の大半を、河野なり石破がごっそりとかっさらい、万が一にも過半数に近い得票だったとき、世論はどのように反応するだろうか。

国民の声が反映されない総裁選を注視する

「党員·党友の声は、国民の声に近いのですから、本来なら反映されてしかるべきなんですが」(関係者)

態度を保留している石破がもし不出馬を決めれば、党員票は河野に集中すると見られている。その後の決選投票で、議員票が他の候補に集中して党員投票の結果が覆されたら「自民総裁選は公正な選挙ではなく大派閥による数の力学、単なるセレモニーだった」と断罪されるだろう。国民は懐疑の目を向けるに違いない。もちろん、中堅若手が立ち上げるという「党風一新の会(仮称)」にも、同じ目が向けられることは言うまでもない。

「若手議員のなかには、迷いに迷っている者も少なくない」(ベテラン議員)

「派閥は一致結束して主流派を獲り、党四役のポストを獲るべしと言います。けど、僕らはとにかく、まずは選挙に勝てる総裁を選びたい。まずは議員バッジが必要なんです」(自民若手議員)

自民総裁選に一般の国民は投票権をもたないが、自民総裁は総理になるのだ。まるごと自民党の、すべての振る舞いをしっかり見届けるべき総裁選挙だ。この国のリーダーが決まる選挙なのだから。

  • 取材・文永田タイラ

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