剣道大会に出場したASKAが試合後に見せた「剣士のプライド」
ファンの女性に手を振りながら堂々の会場入り 10月21日剣道『東京都シニア大会』に出場
「ASKAさ~ん! 頑張って~!」
秋晴れとなった10月21日朝10時、ミュージシャンのASKA(63)の姿が東京・足立区にある『東京武道館』前にあった。芸能界きっての剣士として知られるASKAはこの日、『第26回シニア健康スポーツフェスティバルTOKYO 剣道大会』の59~64歳の部に出場。集まった女性ファンが手を振ると、それに応えるように拳を突き上げ会場入りした。

ASKAといえば、一昨年の10月に出場した『北区剣道大会』での活躍が記憶に新しい。60歳以上の部に出場したASKAは激しい気合と共に勝ち進み、最後は足を捻挫(ねんざ)しながらも優勝をもぎ取った。
「’14年に覚醒剤取締法違反で逮捕されたASKAさんは、’18年に執行猶予が明けるのを待って音楽活動を再開しました。現在は、音楽活動以外の時間のほとんどを剣道の稽古にあてています。幼少期から打ち込んできた剣道は四段の腕前。加えてストイックな稽古を積んでいますから、シニア部門ならほとんど敵なしです」(ASKAの知人)
コロナ禍のため今大会は無観客での開催となり、会場内でASKAの勇姿を見ることはできなかった。途中、ASKAは何度か外にタバコを吸いに出てきたが、表情はどことなく冴えない。はたして今回の結果はいかに。待つこと約6時間、夕方4時頃に試合を終えて外に出てきたASKAに声をかけた。
――ASKAさん、突然すみません。フライデーです。
「はい、こんにちは」
――大会はどうでしたか。
「優勝されましたね」
――優勝! すごいですね。
「いやいや僕がじゃなくて」
――? 今日の結果はどうだったんでしょうか。
「僕は1回戦負けで、(ASKAに勝った)その方が優勝されました」
――ツアーも始まるそうですね。これからも応援させていただきます。
「ありがとうございます。ありがとうございます」
そう語ると、ASKAは女性ファンに見送られながらタクシーで走り去っていった。
今回は不運にも強豪剣士と当たってしまい、1回戦敗退という結果に終わったASKA。しかし、本誌の直撃に言いわけは一切せず、剣士としての「PRIDE」を見せてくれた。試合後に更新したブログにも〈何にもさせてもらえず、1本負けでした。残念ですが、これが勝負です〉と潔(いさぎよ)く負けを認めた。
ブログによると、ASKAは来年には五段への昇段にも挑戦するという。60歳を過ぎて剣の道への情熱は未だ衰えず。コロナ禍が収束すれば、大会で躍動するASKAの姿も再び見られるはずだ。




『FRIDAY』2021年11月12日号より
PHOTO:等々力純生