芸人・エハラマサヒロが明かす「子ども5人を食わせる稼ぎ方」 | FRIDAYデジタル

芸人・エハラマサヒロが明かす「子ども5人を食わせる稼ぎ方」

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「今日1日が楽しかったっていう毎日にしよう」と心がけているという
「今日1日が楽しかったっていう毎日にしよう」と心がけているという

芸人のエハラマサヒロが11月26日に『エハラんち 芸人7人大家族 ドタバタ奮闘記』(集英社)を出版した。これは、妻と5人の子供と暮らしている彼が、家族との日常を描いた漫画作品である。

エハラは漫画だけでなく、YouTubeチャンネル「エハラ家チャンネル」でも家族との日常を積極的に発信している。彼が家族との時間を大切にするようになったきっかけとは?

収入面での苦労は…?

――5人のお子さんを養っていけるだけの金額を稼ぐというのは、それだけで大変なことのような気がしますが、収入の面で苦労されたことはないんでしょうか?

エハラ:そうですね、運が良かったというのもあるし、自分ができる人だと言いたいわけではないんですけど、一応バランスを取っていろいろ自分の中で回していたら、芸人でご飯食べられるようになってから今まで、1回も年収が下がったことがないんですよ。

――浮き沈みが激しい世界だというイメージがあるので、それはすごいですね。

エハラ:やっている仕事はブワーッて変えているんですけど、その中でお金の流れとかいろいろ勉強したり考えたりしていたら、1回も下がってないんです。

――エハラさんは2009年と2010年に『R-1グランプリ』(当時の表記は『R-1ぐらんぷり』)で準優勝して、その時期にCMにも出たりして仕事が一気に増えていたイメージがあります。

エハラ:その時期にテレビを一周していろいろやっていくうちに、ものまね番組に引っかかって、準レギュラーみたいになっていったんですよね。でも、とがったネタもやりたかったから『あらびき団』とかの深夜番組にも出ていました。メジャーなことはゴールデンとかの番組でやって、深夜ではめちゃくちゃやるっていうのがバランスがちょうどいいかなと思っていたんです。

でも、正直、その頃はそこまでお金が稼げなかったんです。そこそこブレークはしているかなと思ってたんですけど、収入としては普通に家族で生活できるくらいだった。そこで、家族のためにお金を作ろうって思って、仕事を全部、地方のイベントやショッピングモールでネタをやる「営業」に切り替えたんです。営業で認められてリピーターを多く作ろうと。一般的に、営業の方がテレビよりも実入りがいいということもありまして。

――営業を増やすためのコツはあるんですか?

エハラ:営業って、だいたいみんな時間稼ぎするんですよ。当時はネタの時間が15分あっても、みんな『爆笑レッドカーペット』とかに出ていて1分ネタしか持ってないから、最初の5~10分はお客さんをイジったり、ダラーッとしゃべったりして、最後に少しだけネタをやったりする人がいて。

だから、僕は最初から全部ネタで埋めて「長めにやっていいですか?」と相談して、何分でもできるよってアピールをしていました(笑)。

ありがたいもので、そこからお仕事が増えていったんです。そうすると、何カ月か前にはスケジュールが全部埋まるから、収録の1カ月前とかに来たテレビ出演のオファーが全部受けられなくなったんです。

そこでマネージャーにも言われたんですよね。「テレビは全部断っている状態なんですけどどうします? スケジュール空けますか?」って。でも僕は「いや、いい。営業を最優先にして全部入れてほしい」って言ったんです。家族を守った上で好きにやらなあかんというミッションが1個乗っかったから、そこでお金を稼ぐようになり始めたんですよね。

――営業だけをやっていてテレビに出ていないと、世間では「売れてない」「消えた」とか思われたりもしますよね。

エハラ:みんなには「最近何してんの?」「ちゃんと仕事あんの?」って言われていたけど、年収は上がっていたんです。だから、あまりそこまで考えていなかったですね。あと、僕はもし明日芸能の仕事がゼロになったとしても、何かしらお仕事は作れると思っているので。やり方はいろいろあるじゃないですか。

投資家って1つの会社に投資するわけじゃなくて、いろんな会社に投資しているから、その中の1つがバーンと行くと稼げるじゃないですか。芸能界も、歌が盛り上がっている時期、お笑いが盛り上がっている時期、ダンスが盛り上がっている時期、っていろいろあって、どこかで何かは常に盛り上がっているんですよね。僕はなんとかいろんなものにフックをかけようと思っています。

――たしかに、エハラさんはお笑い以外にもものまね、歌、ダンスなど特技の幅が広いイメージがあります。

エハラ:お笑いだけをやっている人はすごくカッコいいと思うんですが、そういう人は、ネタブームが終焉を迎えたときにわりと苦労している印象があります。ゴリゴリのお笑いしかやりたくないっていうストイックな人はそれでいいとも思いますが、僕はやりたいことが多いし、お笑いに固執していないので、お笑いを全くやっていないときもある。

そのおかげで有難いことに最近は千鳥さんがイジってくれたりするんです。結果としてそれが笑いにもつながっている。そういう偶然もあったりするので、あんまり怖くないんですよね。

家族のためにお金を作ろうと、仕事の幅を広げた結果が今につながっている
家族のためにお金を作ろうと、仕事の幅を広げた結果が今につながっている

――『R-1』で準優勝した頃にはお仕事に集中していて、ご家族のことをあまり顧みていなかったそうですが、それが変わったきっかけはあったんですか?

エハラ:たぶんそこから7~8年経って、一応この仕事はある程度ずっとやっていけるな、と思ったからかもしれないですね。僕はほんまに40になったらもう辞めていると思っていたんですよ。MCクラスじゃないとなかなか残り続ける芸人も少ないんじゃないかなと思っていて。

そこで何とかやっていけるなとなってから、子供との時間をもっと作りたくて。子供は小学校までは絶対に家族といる時間が長いし、その時期に人格形成をされるから、そこまでは一緒にいる時間が長い方がいいなと思ったんです。子供が増えてママさんの負担もデカくなっていたし。それで結構時間を取るようになって、じゃあこの時間をどうしようかと考えて、YouTubeも視野に入れました。

――最初はご家族のためにお金を稼いできて、それでお子さんがどんどん育っていって、今はそのご家族がYouTubeや漫画でネタになることで、またそこからお金が入ってくるようになっているわけですね。それを狙っていたわけではないかもしれませんが。

エハラ:そうですね。結果的に家族でやっていることが話題になって、テレビに呼ばれるようになったりしています。テレビをセーブしなきゃ家族に時間使われへんなと思っていたのに、家族に時間使ったことでテレビに呼ばれるという好循環が生まれた感じはします。

――YouTubeをやる上では、あくまでもホームビデオ的な感じで撮ることを心がけていて、お子さんに対して「こういうことをやってほしい」などとは言わないようにしているそうですね。

エハラ:何かをやらせるとそれって仕事になってしまうじゃないですか。仕事ってやらされるから楽しくないんですよ。自由にやっていいよって言われたら楽しいんです。子供ってわかりやすくて、楽しいか楽しくないかの二択で全部動いてるので。こうしなきゃいけないとなったら子供は「なんでやらなあかんの?」ってなるから。

だから、楽しそうにしているときに「カメラ回していい?」って聞いてから回し始めるっていう形にしているんです。子供たちは何を撮ったか覚えていないですよ。週3で動画投稿しているんですけど、「次は何の動画が出るの?」って聞いてきます。「この間、みんなでちゃんこ鍋食べたやん」って言うと、「そっか、そういえば撮ってたな」って。それくらい気付いてないです。

――普通に遊んだり生活したりしているところを映像に収めているだけなんですね。

エハラ:だから、エハラ家の『テラスハウス』ですよね。ただカメラが回っている中で生活していたら、それがエンターテインメントになっているという。

――撮影や編集はご自分でやっているんですか?

エハラ:編集は指示だけして別の方に頼んでいます。カメラは僕が回しています。ディレクションとカメラマンが僕なので、僕のチャンネルってほとんど僕自身が出ていないんですよ。

――そういえば出ていないですね。

エハラ:そう。だから、ビックリされることもありますよ。だいたいディレクターか誰かがカメラ回していて、タレントが真ん中に立っていて、「さあ、今回は……」って言って仕切るじゃないですか。僕は絶対やらない。だからこそ、いつでも撮れるんですよ。

ただ、そういうふうに撮るためには、僕が自分の仕事でお金をちゃんと稼げていて、YouTubeはいつやめてもいいっていう状態にしておかないといけない。

――なるほど。ほかで稼げていないとYouTubeが仕事になってしまうわけですね。

エハラ:そう、そこでお金稼がなきゃいけなくなっちゃうから。だから、僕は子供が明日「やめたい」と言ったらやめます。もともと子供がやりたいと言ってスタートしたので。

YouTubeでもエハラファミリーのドタバタ日常生活は大人気だ
YouTubeでもエハラファミリーのドタバタ日常生活は大人気だ

――ご長女がやりたいと言ったのがきっかけだったそうですね。

エハラ:そうですね。もう今は次女、三女が「撮らないの?」ってめっちゃ言ってきます。自分がやっていることが映像になるのが楽しいみたいで。でも、子供が嫌になったらたぶんすぐやめますし、あまりそこに固執はしていないです。

――エハラさんって最終的な目標とか夢を持たないようにしていると聞いたことがあるんですが、本当ですか?

エハラ:もともとはあったんですよ。23のときに33の自分のビジョンを決めて、逆算して生活していたら、それが26で全部叶ったんです。それで燃え尽き症候群みたいになった時期があったんですけど、その後にずっと生活していく中で、どんどん新しいものが出てきて、それを触っていたら楽しいことはずっと目の前にあったんですよね。

でも、自分に大きな目標はないというのをずっとコンプレックスに思っていたんです。そこでちょっと振り切って、明日楽しく生きられるように考えよう、って。今日1日が楽しかったっていう毎日にしようって考えてやっている感じです。だから、大きな目標で言うたら、僕は誰よりも人生満足度高い人間でありたいです。

――それは仕事だけでなく、家庭とか全部を含めてということですよね。

エハラ:全部、全部。だから、「今日、俺、世界で一番楽しかったわ」と言うやつおったら、「いや、お前よりたぶん俺の方が楽しかったで」って言える自分でありたいですね。

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  • 取材・文ラリー遠田撮影中村和彦

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