政治の世界には「10回の挨拶よりも１回の食事」という言葉がある。一度食事をともにすれば、人となりもわかり、関係も深まる。「政治と食」は切っても切れないものであり、そのため多くの政治家が「食」には強いこだわりと哲学を持って、政界を生きてきた。
<figure id="attachment_227558" aria-describedby="caption-attachment-227558" style="width: 2500px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="b4de4860"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2022/02/DSC_6688.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-227558" class="wp-caption-text">’18年に側近らと六本木の鉄板焼き店で会食した際の岸田総理　撮影：西 圭介</figcaption></figure>
まもなく就任から４ヵ月が経とうとしている岸田文雄総理（64）。政治の面では、派閥や霞が関の力学をうまく受け止める「優等生」という印象だが、はたして「食」の面ではどうなのか。就任以来、岸田総理が通う「キシダノグルメ」を徹底検証する。
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まず目をひくのが、都内のホテルに入っている店の利用率の高さだ。紀尾井町のホテルニューオータニにある中華料理店の大観苑、永田町のザ・キャピトルホテル東急にある日本料理 水簾、虎ノ門のThe Okura Tokyoにある日本料理の山里、中華料理店・桃花林などだ。
「これらのお店に岸田総理は萩生田光一経産相（58）や高市早苗政調会長（60）など、閣僚や党三役などと訪れています。もちろん政務に関する打ち合わせを兼ねての会食ではありますが、どこも官邸などから近く、『岸田さんらしい手堅い店ばかりだ』と言われています」（自民党議員）
他にも、丸の内のパレスホテル東京にある中華料理店琥珀宮や日本料理店和田倉、日比谷の帝国ホテル内の鉄板焼き嘉門、ザ・プリンスギャラリー 東京紀尾井町の日本料理店蒼天などにも通っている。料理評論家の山本益博氏が語る。
「総理ともなれば、食事を楽しむというよりもまずは警備が優先される。雑居ビルなどではなく、ホテル内のような警備がしやすい店が望まれます。食事は二の次で、警備面という要素が強いのではないでしょうか」
<h2>年末は家族とすき焼き</h2>
実際に会食した際の岸田総理の印象自体は悪くないという。全国紙政治部記者が語る。
「日本酒が好きで、飲んでも、ちょっとネクタイを緩めるぐらいで、乱れるようなイメージはありません。飲んで他人の陰口を言うというタイプでもないです。誰かが『最近の小池さんは……』なんていう話をしても、『小池さんはそういう人だから』と相づちを打つ程度です」
上の写真は’18年に岸田総理（当時は政調会長）が、六本木の鉄板さくら 田谷で側近議員らと会食をした際のものだ。会食後、同席者や店の関係者と思われる人物とがっちり握手を交わすなど、きさくな様子が窺（うかが）えた。
岸田総理は事務所のスタッフや裕子夫人とも、度々会食に訪れている。四ツ谷にある一軒家のフランス料理店オテル・ドゥ・ミクニ、神楽坂にある焼き鳥店本家あべや神楽坂店、赤坂の焼き肉店叙々苑游玄亭赤坂などだ。昨年の大晦日には、家族で浅草のすき焼き店浅草今半国際通り本店を訪れている。
キシダノグルメについて、フードビジネスコンサルタントの永田雅乙（まさお）氏が語る。
「訪れている店を見ていると、保守的な方という印象です。まず立地でいえば、国会や官邸の周辺ばかり。緊急時に対応するためとも言えますが、裏を返せばそういう批判を封じ込めたいのではとも映ります。どのお店もいいお店ですが、手堅く、失敗しないようにという選び方です。お店選びも『優等生』と言えると思います」
政治評論家の有馬晴海氏はこう語る。
「菅義偉前総理（73）は、会食を人脈を広げたり、何かを学んだりする場と位置付けていました。そのうえで、相手が『ちょっと行ってみたいな』という店を選んでいました。一度気に入ると、その店をずっと使うという印象です。総理ではありませんが、小沢一郎氏（79）は庶民的な居酒屋の庄やに好んで立ち寄っていました。もちろんきちんとしたお店にも行きますが、気心の知れた人たちとは必ず庄やに行っていました。岸田総理の行く店を見ていると、人脈を広げるために会食に行っているようには見えませんし、かといって思い切って庶民的な店に行くようなメリハリもありません」
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岸田総理には新型コロナ禍という先人が経験したことのない状況でのかじ取りがかかっている。自分の本当に好きなものを食べ、英気を養ってもらいたい。
<figure id="attachment_227559" aria-describedby="caption-attachment-227559" style="width: 2500px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="f9420297"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2022/02/SH499673.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-227559" class="wp-caption-text">馬肉を使った「さくらのオムライス」が名物</figcaption></figure>
<figure id="attachment_227560" aria-describedby="caption-attachment-227560" style="width: 2500px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="0e3204ff"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2022/02/SH500083.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-227560" class="wp-caption-text">昨年11月に裕子夫人と行ったオテル・ドゥ・ミクニ。三國清三氏がオーナーシェフを務める一軒家フレンチだ</figcaption></figure>
<figure id="attachment_227562" aria-describedby="caption-attachment-227562" style="width: 2500px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="1b27d69f"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2022/02/SH499743.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-227562" class="wp-caption-text">年末に岸田総理が家族と訪れた、浅草今半国際通り本店。この日はそのまま家族と都内の高級ホテルに宿泊した</figcaption></figure>
「FRIDAY」2022年2月11日号より

西 圭介（1～2枚目）　濱﨑慎治

政治の世界には「10回の挨拶よりも１回の食事」という言葉がある。一度食事をともにすれば、人となりもわかり、関係も深まる。「政治と食」は切っても切れないものであり、そのため多くの政治家が「食」には強いこ

岸田文雄総理が通う店「キシダノグルメ」を一斉調査！

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