知ってましたか…?難関大学合格のカギは実は「社会科」にあった | FRIDAYデジタル

知ってましたか…?難関大学合格のカギは実は「社会科」にあった

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なぜ「社会科」が軽視されるのか?

「一番重要なのは英数で、国語は結局センス、理科社会は短期集中で完成できるから、3年生になってやれば良い」などと学生時代に言われたことのある人は少なくないのではないか。

特に国立大志向の強い地方公立進学校は、この傾向が顕著な気がする。しかし、実際に文系で難関大に受かった子を見ると、圧倒的に社会科が強い子が多い。なぜなら、特に進学校では英語はほとんどの子が力を入れていて、高得点をとるのに対し、意外と取りこぼしてしまうのが、社会科だからだ。

なぜ文系受験において、社会科がそんなに大事だと学校では教えないのだろうか。

リクルート「スタディサプリ」、辰已法律研究所などで日本史を中心とする社会科講師を務める伊藤賀一氏に聞いた。

「なぜ社会科軽視になるかというと、特に地方の公立トップ校は国立志向で、東大や一橋にチャレンジするレベルまではいかず、早稲田や慶應に受かる実力がある子に地元の国立大学を勧める傾向があるからです。 

高校全体が国立志向で、先生達も地元国立大出身の人が多いから、まずは英数を、となる。社会科は国立大では2次試験にない学校がいっぱいありますから。 

例えば二次試験の旧帝大で社会科が使えるのは東大、京大、北大、名古屋大の文、大阪大の文、九州大の文くらいで、社会を重視していないんですよ。 

さらに、地方の国立大学は二次でほぼ社会科が使えないですから、要は共通テストだけ。共通テストだけなら教科書の内容だし、マークシートだから、進学校なら短期決戦できるだろうと考えているわけです。 

確かに共通テストは半年もあれば誰でもできますが、それが私立大となると話は別で、早稲田、慶應、上智、さらに言えばMARCH(明治、青山、立教、中央、法政)、関関同立あたりを含めても、実は最後は社会科で決まる部分がかなりあるんです」 

「社会科は“諸刃の剣”で、進学校の子には、油断していると下剋上される科目であって、非進学校の子においてはものすごい武器になるわけですよね」と“日本一生徒数の多い社会講師”伊藤賀一氏は言う

英語の1点も社会科の1点も同じ

「大切なのは、学校の担任の先生や親の学歴に振り回されないようにしないといけないということ」と伊藤氏は強調する。

「入試は総合点で決まるので、英語の1点も社会科の1点も同じなのに、身近な大人の学歴が社会科を軽視する環境だと、損をします。 

それに、学校の先生や親が言いがちなのが、『社会科なんて後回しで良いから、英数をやれ』と言うケース。 

もちろん1・2年生のうちから社会科ばかりやるのは得策ではありませんが、例えば、英語や数学に苦手意識があるけど、社会科だけは好きだという子の場合、ギリギリ机に座る習慣が社会科によってできているんです。 

それなのに、『社会なんて後回しでいい』『英数をやれ』と、学校の先生や親が言い過ぎると、その子の机に座る習慣自体が消えてしまう。好きでやっているものは止めてはいけないんです」

文系受験で重要なのは、やはり英語で、短期決戦ではどうにもならないのは事実だが、ある種の運命の分かれ道は「社会科」だと言う。

「ご指摘のように、進学校の生徒は英数重視で、社会科は『短期決戦でできる』『俺は進学校の生徒だからできるに決まっている』と謎の自信を持っている子が多いですよね。 

しかし、その思い込みが砕かれるのが社会科です。それは逆もまたしかりで、工業高校や定時制高校など、勉強が得意じゃない子や、不登校で大検を受検しようかというような生徒さん達相手に授業をすると、彼らが唯一すぐにでも開成高校の子に勝てるのは社会科なんです。 

例えば、『鬼滅の刃』が好き、『るろうに剣心』が好き、『戦国BASARA』『刀剣乱舞』が好きなど、きっかけは何でも良いですが、日本史にハマる子はすごく適性があるんです。 

実際、都立の底辺校に行っているのに、模試を受けたら社会科だけ偏差値78なんて子が普通にいるわけですよ。 

特に早稲田の教育学部や明治の文学部のように、英国社の配点が50/50/50や100/100/100といったフラットなものだと、英語の1点と社会科の1点が同じ価値なので、例えば極端な話、英語が2割しかとれなくても、社会で満点をとり、国語で9割とったら受かるんです。それを避けるために早稲田の教育は足切り点があるのですが、事実、私は43歳の時、それで合格しています。 

社会科は“諸刃の剣”で、進学校の子には、油断していると下剋上される科目であって、非進学校の子においてはものすごい武器になるわけですよね 

「早稲田の教育学部や明治の文学部のように、英国社の配点が50/50/50や100/100/100といったフラットなものだと、英語の1点と社会科の1点が同じ価値」と伊藤氏(写真:アフロ)

社会科の配点が高い大学・学部を伊藤賀一氏にリストアップしてもらった

文系受験生が今、真っ先にすべきこととは?

今は私立大入試の真っただ中で、国立二次試験の前期が2月25日から始まるタイミングだ。文系受験生が今、すべきこととは?

「まず即効性があるのは、私大など知識系なら『一問一答集』。ただし水泳で言うと、例えば一問一答は飛び込みとターンの練習ばかりしている感じで、確かにタイムが縮まります。それに対して、『問題集』はプールを泳ぐことと等しいんですよ。 

プールにはコースロープが張ってあって、塩素も入っていて、体も良く浮く状態。悪問や難問、奇問がカットされているから、効率良い勉強ができるようになっていて、泳力はすごく上がるんです。 

一問一答は全体をざっくり復習できることにおいては効率が良いですが、問題集は1題解くだけで一問一答集を50題解いたのと同じぐらいの効果があるんですよ」

試験直前期に、英語や現代文の長文を読んでも、時間がかかるわりに新たな知識は得られにくい。それに対して、日本史や世界史の場合、直前期にできることはたくさんあると言う。

「リード文を読むだけでも、そこに情報が凝縮されているだけに、蘇ってくるものがいっぱいあります。4択問題の捨て選択肢からも、『これ忘れていたな』というところを復習できます。 

社会科は大問1個につき、試験本番でも15分、見直しの時間など考えると実質10分以内で解いているものです。同じ10分の使い方でも、問題集の大問を1個解くのは、一門一答集を何度もやることに比べて成長度合いが大きい。なぜなら、問題集は初めて見る状況なので、実は短い時間でものすごく学びが多いからです」 

間違ったアドバイスに惑わされるな! 

また、気をつけた方が良いのは「過去問」だという。学校では「過去問は、共通テスト後にやれば良い」と指導するところもあるが。

「『過去問』は、水泳で言うと、海なんですよ。試験本番では、難問も奇問も何もかも全部入っている荒波の中を泳がないといけないわけですが、力をつけることにおいては過去問よりも問題集の方が圧倒的に効率が良い。 

なぜなら、志望校の直近の過去問をやっても、それはもう二度と出ないですから。学校の出題傾向や解き時間の目安を知るために早い段階でやるならまだしも、直前期にやることではない。受験前日に同じ学部の5年分の過去問をやっても、ただの時間の無駄で、自分の不安を鎮めているだけです」 

それから、気をつけなければいけないのは、「新しいものに手を出すな」という誤った言説だと言う。

「社会科の場合は、見たことがない問題をやらないと意味がないので、新しい問題集にどんどん手を出した方がいいです。社会科は同じ問題を繰り返し解くことではなく、“同じような問題をたくさん解くこと”が大事なんです。 

例えば、大森貝塚を、エドワード・モースが発見したという問題を4回解いても、身につくのはその知識だけですが、大森貝塚はエドワード・モースが発見したという問題を1回解き、縄文時代後期のものだったという問題を1回解き、エドワード・モースはアメリカ人だという記述が模試で出たといった風に、いろんな角度からの出題を解くことで、バラバラの問題をやっているように見えてても、全て大森貝塚を学んでいるんですよ。 

同じような問題を、学校の授業、スタディサプリの授業、一問一答集、問題集1、問題集2、問題集3とかで解くことが大切で、同じ問題集を繰り返し解くよりも、新しい問題で大森貝塚に出会ってほしい。そうすることで、大森貝塚という知識が、要するにこのようなものだ、と抽象化され、本当に定着するんですよ」

ちなみに、こうしたペースで勉強していくと、入試前の3日間で問題集1冊はクリアでき、入試1週間前に問題集2冊やれば、ほとんどの範囲をカバーできると伊藤氏は勧める。

ギリギリまでバタバタできるかどうかが勝負

「特に私立大の社会科の場合はギリギリまでバタバタできるかどうかが勝負だから、会場に入ってからのキラーコンテンツは『一問一答集』」(写真:アフロ)

では、本番直前の心得とは?

「特に社会科は、本番開始直前までバタバタしないとダメ。そんな時に瞑想して深呼吸なんてしている場合じゃありません。落ち着くことに意味はなくて、特に私立大の社会科の場合はギリギリまでバタバタできるかどうかが勝負だから、会場に入ってからのキラーコンテンツは一問一答集なんですよ。 

自宅でせっかく机に座っている時間なら、一問一答集をやるのはもったいないので、10分で問題集大問1個を解きましょう。 

試験会場に向かう電車の中で見たり、歩きながら、試験開始ギリギリ直前までやるのは一問一答集が効率的です。あなたが直前1分間に見た一問一答集3ページぐらいの範囲からズバリ出る可能性を考えてギリギリ直前まであがきましょう」

伊藤 賀一(いとう がいち) 1972年9月23日京都生まれ。 リクルート運営のオンライン予備校『スタディサプリ』で日本史・倫理・政治経済・現代社会・中学地理・中学歴史・中学公民の7科目を担当する「日本一生徒数の多い社会講師」。 43歳で一般受験し、2021年現在、早稲田大学教育学部生涯教育学専修に在学中。

  • 取材・文田幸和歌子

    1973年生まれ。出版社、広告制作会社勤務を経てフリーランスのライターに。週刊誌・月刊誌等で俳優などのインタビューを手掛けるほか、ドラマコラムを様々な媒体で執筆中。主な著書に、『大切なことはみんな朝ドラが教えてくれた』(太田出版)、『KinKiKids おわりなき道』『Hey!Say!JUMP 9つのトビラが開くとき』(ともにアールズ出版)など。

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