巨人主力へ苦言!コーチ桑田が目指す「意外すぎる野球」の行方
「相変わらず制球が悪い」
「アバウト過ぎるね。2ストライクからド真ん中なんてありえない」
巨人の桑田真澄・1軍投手チーフコーチ(53)が苦言を連発している。批判のターゲットは、2年連続9勝の戸郷翔征と昨年11勝をあげた高橋優貴の若手投手2人だ。ともに2月24日の練習試合で四球を要所で出すなど、先発の柱と期待されながら背信の投球。原辰徳監督が「心配する2人がね……」と嘆く結果となった。
「巨人には、エース菅野智之に続く安定した先発投手が出てきていません。普段は温厚な桑田さんも、気が気ではないでしょう。珍しく手厳しいコメントをしたのは、戸郷や高橋に対する期待の裏返しです。『オマエたちがガンバってくれないと困るんだ』という、激励メッセージだと思います」(球団関係者)
別の見方もある。桑田コーチの苦言は、戸郷や高橋だけに向けたモノではないというのだ。
「桑田さんはメジャーリーグ(パイレーツ)に在籍し、早稲田大学の大学院を首席で修了。東京大学野球部の特別コーチも務め米国式理論派と思われていますが、決してそうではありません。安易にメジャー方式を採用する現状に、違和感を持っているんです。
最近は5回100球を投げれば、先発の役目を果たしたと思われている。確かに中4日で投げ、遠征で移動距離が長いメジャーでは投手の疲労がたまるため、5回100球は理にかなっているでしょう。しかし中5日から6日の日本では、疑問符が出ます。120球、130球投げても良いのではないか。
理想は昭和時代の先発投手のように完投すべきだ、というのが桑田さんの考えなんです」(同前)
「後ろがいる」という甘え

昨年、戸郷は26試合に先発し完投が1。高橋にいたっては、同じく26試合に先発し完投ゼロだ。背景には、メジャー方式浸透による先発投手の甘えがあるという。
「桑田さんが納得いかないのは、『5回まで投げれば後はリリーフに任せればいい』という最近の雰囲気です。彼の考えでは、完投しようという強い思いがないと5回さえ投げきれない。『後ろ(リリーフ)がいる』という甘えを捨て、先発としての覚悟を持ってほしいと願っているんですよ」(スポーツ紙担当記者)
もちろん桑田コーチは、単なる「根性主義」論者ではない。
「肌寒い3月、4月は中6日。暖かい5月、6月になったら中5日というローテーションを考えているようです。桑田さんは温厚なイメージで、理論派と思われています。その印象を払拭し、厳しい面を出したいという考えもあるのでしょう。
現に『選手に嫌われてもかまわない』と発言している。確かにメジャーに在籍していましたが、米国流の現状に一石を投じようとしているようです。目指しているのは、桑田さんなりの野球改革ですよ。日本の良い面とメジャー方式を取り入れた、ハイブリッドなスタイルです」(同前)
桑田コーチの目指す「投手革命」。メジャー流が浸透した若手投手たちが共鳴し、巨人に変革をもたらすことはできるだろうか。

写真:共同通信社 アフロ