ライオンズ・中村剛也 「このチームで日本一になりたい!」

【インタビュー】主力選手が続々とFAするなかで、ホームラン王6回のミスターライオンズは何を思うのか

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97試合で28本塁打を放った大砲の去就に注目が集まったが、FA権を行使しての残留を表明。事実上の生涯ライオンズ宣言となった

これからもライオンズのユニフォームを着てプレーしたい。このチームで再び日本一を目指したいという気持ちが、残留を決めた一番の理由です。

打率.310、32本、127打点と大暴れした主砲・浅村栄斗のFA移籍に失望した西武ファンにとって、中村剛也(たけや)(35)の残留は心強かったに違いない。2季連続でホームラン王を逃(のが)し、打率も2割5分を下回るなど、ここ数年、打撃不振に苦しんだ中村。今季も前半戦は打率.171、5本塁打と精彩を欠き、ファーム落ちも経験した。ところが――チームが優勝争いの重圧に苦しみ始めた8月に月間12発と大爆発。後半戦だけで23ホーマーを放ち、ペナントをグイッと引き寄せたのは記憶に新しい。大砲復活――言うは易しだが、その裏で中村が野球人生最大の賭けに挑んでいたことは、あまり知られていない。

一昨年くらいから、「何かがズレている」と感じていたんです。「捉えた」と思った球をファウルにしたり、空振りしてしまっていた。今年に入ってもしばらく、そんな状態が続いていました。

4月下旬にケガをしてファームに行くことになったとき、「瞬発系が衰えているのかな?」と考えてタイミングの取り方を変えてみたりしたんですが、まあ、うまくいかず……その後、6月1日に一軍に戻ってからも、まったく打てなくて、試合に出られない日が続きました。そこで「手の動き」と「バット」を変えてみることにしました。実はファームにいたとき、二軍ブルペンキャッチャーの上本達之さんから「手を動かしてみたら?」とアドバイスをいただいていたんです。具体的には、打席で左足を上げたときに腕を少し上下させてから、トップに入っていく――という動きなのですが、6月27日に久しぶりに試合に出たとき、ためしに手を動かして打ってみたら、2打席連続でホームランを打てた。

同じタイミングでバットも変えました。しなやかで弾力性のあるアオダモから、硬く反発力のあるメープルに材質を変えた。重量も930~940gから895gと軽くした。動きにしてコンマ数秒、重さにして50gという一見、小さな変化ですが、僕の中では野球人生、最大の変化でした。これまで培ってきたものを変えるのは怖い。だから、なかなか打撃改造に踏み切れなかった。でも、やっぱりホームランを打ちたい。打ってチームの勝利に貢献したい、変えて打てるなら、思い切って変えてやろう、と。

ホームラン王6回は現役最多。「プロ17年目で初の打撃改造」という言葉にプライドが滲(にじ)む。松井稼頭央が引退し、野手では最年長となるが、子どものころから変わらず、「本塁打を打つために野球をやっている」と言う。

小学1年生のときに打ったランニングホームランが一番古い記憶ですね。大事にしているのは「力を抜く」こと。これも変わっていません。バットは軽く持つ。持つというか、中指と薬指の2本で押さえる感じです。力なんていらない。最低限、バットを振る力があればいい。ソフトバンクの柳田(悠岐)も力が入っているのはインパクトの瞬間だけ。めちゃリラックスしてスイングしていると思います。力が入ってたら、あんなに飛ばない。遠心力ってめちゃくちゃ強いんです。遠心力を生かすなら、やっぱり力を抜いて、ヘッドをきかさないと。

自分のスイングができればホームランになると思って打席に入っています。試合状況やカウントにもよりますけど、狙い球と違うボールが来て、思わず手が出てしまったら、僕は当てに行かずに空振りします。自分のスイングが崩れるくらいなら、空振りしたほうがいい。

中日・平田良介や日本ハム・中田翔、今ドラフトでは藤原恭大など、数多のスラッガーをプロに送り込んできた大阪桐蔭・西谷浩一監督。恩師が「最高のホームランバッター」と認めるのが中村だ。西谷監督が高く評価するのが高い技術力。「狙えば首位打者も獲れる」とまで師匠は豪語する。

うーん……もう無理です(笑)。

ここ最近、とくに今年に入ってから「心技体」で一番大事なのは「体」だと痛感して、以前よりストレッチに時間を割(さ)いています。背中が硬くなりやすいので、入念にマッサージをしてもらってます。

自分の持ち味はホームランです。コンディションを整え、ホームランを一本でも多く打ってチームの勝利に貢献したい。

浅村に加え、エースの菊池雄星(27)、炭谷銀仁朗(31)もチームを去る。だが、西武にはミスターライオンズが残った。

これが中村のホームランスイング。「バックスピンをかけるとか、余計なことは考えない。ボールの下にバットを入れれば打球は上がる」
  • 撮影ジジ

Photo Gallary2

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