30年ぶりにドラマ化される『悪女』主演・今田美桜の期待と覚悟
スペシャルインタビュー 30年ぶりにドラマ化される名作マンガ『悪女(わる)』で初主演
3月にクランクインして以来、連日、早朝から夜まで撮影しているというのに、今田美桜(25)は元気いっぱいだった。外ハネボブも意外によく似合う。
「主演のオファーをいただいたのは……あれ、いつだったっけ? (マネージャーに確認しつつ)去年の夏ごろでした。家族には『私、主演するんだ!』という感じではなく、食事しながら自然に伝えました。
母は『いま、撮ってるの?』とか『楽しみ』とか興味津々。逆に父は口には出しませんが、いつも一番に私が出るドラマの原作を買ってきて読んでいます。楽しみにしてくれているんだなって、すごく感じます」
今回のドラマの原作は『悪女(わる)』。平成初期の人気マンガだ。
「初主演ということで不安のほうが大きかったんですけど、『悪女(わる)』の田中麻理鈴(まりりん)を演じられるのは楽しみでした。ここまで底抜けに明るいキャラクターを演じたことがないので、自分がどんなふうになるのか、期待もありました」
麻理鈴はピュアでポンコツな新入社員。ミスを連発してもめげず、憧れの先輩に近づくため、モーレツに働いて出世していく、という難しい役どころだ。
「そうなんですよ! 原作はまさにマンガタッチというか、動き方がポップで、憧れのT・Oさん(向井理)に出会う場面ではものすごくキラキラする。『この感情をどう表現したら田中麻理鈴になれるんだろう』と悩みました」
原作の連載が始まったのは’88年。30年前には石田ひかり(49)主演で一度、ドラマ化されている。前作との違いをどう出すかにも、腐心したという。
「スタッフさんと相談して髪型を変えたり、ネクタイをして衣装をポップにしたりすることで、自分らしさを表現できているかなとは思います。あとは活発さ。原作と同様、とにかく走り回っています。両足で『ズサーッ!』と滑りながらブレーキをかけるシーンも再現しているんですよ。麻理鈴は突拍子もないことを躊躇(ちゅうちょ)なくやれる、真っすぐで憎めない子。
一方で私は、何をするにも『大丈夫かな?』と人の目を気にしてしまうところがある。あんな風になれたら無敵だと思いますけど、違和感なく演じるのは難しいですね。麻理鈴と私の重なるところは……お酒好きなところだけかな?(笑)」
本作で彼女がもうひとつ、楽しみにしていたのが江口のりこ(41)との共演。役どころは備品管理課の先輩で「出世するには悪女(わる)になることも必要よ」と助言するキーパーソンだ。
「もう、本当に刺激ありまくりです。江口さんとは、いろんなことを話させてもらっていますが、楽しくてしょうがないです。麻理鈴は出世して備品管理課からいなくなりますが、江口さんは毎話登場するのでお見逃しなく。原作の舞台は平成。当時と女性の働き方は大きく変化しました。
ただ、麻理鈴の魅力はまったく色褪せていません。いろんな人に助けてもらいながら成長していく、麻理鈴の姿を応援していただけたら嬉しいです!」
『FRIDAY』2022年4月29日号より
- 撮影:鬼怒川 毅(2枚目)