「生娘シャブ漬け」発言が歌舞伎町で違う意味で物議を醸したワケ | FRIDAYデジタル

「生娘シャブ漬け」発言が歌舞伎町で違う意味で物議を醸したワケ

佐々木チワワ 現役慶應大生ライターが描くぴえんなリアル 令和4年、歌舞伎町はいま……第16回

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世間から猛批判を浴びた吉野家元常務による「生娘(きむすめ)シャブ漬け」発言は、歌舞伎町に入り浸る女性の間でも大いに話題を呼んでいる。

世間と同じく、彼女たちもこの発言には批判的である。しかし、批判的である理由がちょっと変わっている。

朝方の歌舞伎町にはホスト帰りの女性が溢れている

「吉野家の偉い人は牛丼をシャブにたとえていたけど、ホストクラブのほうがよっぽどヤバいですよ。今回の問題が起きて、改めて『牛丼なんかよりホストのほうが依存性あるよね!』ってみんなで盛り上がってます」

そう笑うのは、歌舞伎町のホストクラブにハマって1年になるカリン(仮名・21)だ。高校卒業後に北海道から上京し、一度はネイルサロンで働き始めたが、ホストへの出費がかさみ退職。現在は歌舞伎町のデリヘルで働き、稼いだカネはホストに全額突っ込んでいる。

「私ももともとは『生娘』だったんですよ。でも、友達に誘われてたまたま行って以来、ホストにどっぷりハマっちゃって……ホストクラブの依存性ってマジでヤバいんです。街中でシャンパンコールのときに流れてる音楽を聞いただけでお店に行きたくなるし、お酒飲んでたら金額とかどうでもよくなって、担当のホストに頼まれたら全部いいよって言っちゃう。何度も『もう行かない!』『お金使わない!』って思ってるんですけど、数日後には気づいたら店にいる(笑)」

実際、「ホストクラブ依存」で病院に通院する女性も少なくない。

ホストクラブはなぜ、これほど依存性が高いのか。どっぷりとハマっていた経験がある筆者自身としては、ポイントは「居場所」と「承認」にあると考えている。数万円を払えば自分に気を使ってくれて、チヤホヤしてもらえる。そして「お前が必要」「お前がいるから売り上げが上がる」と、自分の存在を必要としてもらえる。

カネさえ払えば認めてくれ、褒(ほ)めてくれる――こんな環境は他にはなく、これによって通うのをやめられなくなる女性は本当に多い。ホストがイケメンだから、という理由だけでホス狂いになる人は意外と少ないのだ。

しかも、近頃はマッチングアプリの登場によって、ますますホストにハマる女性が増えているという。歌舞伎町の大手ホストグループで働くマコト(仮名・25)が語る。

「今はマッチングアプリで集客するホストも多いですよ。歌舞伎町やホストクラブにまったく縁がなかった人が、たまたまホストとマッチングして転がり落ちる。ホストであることを隠して交際関係に発展させ、そこから『実は将来の目標のためにホストをやっているから、俺の仕事を見てほしい』って営業をかけるんです。なかには、そういう営業の仕方を推奨している店もあります。そこの店はマジですごいですよ。女の子が全員歌舞伎町っぽくないんです。で、全員が担当ホストの彼女だと思い込んでる。異様な空間ですよ(笑)」

マコトによると、そうしたいわゆる「生娘」のほうが、ホストにハマりやすいという。彼女たちはやがて担当ホストとの関係に悩み、他の店にも試しに行ってみる。そして、もっと楽しい店を見つけて……と、無限ループに陥っていく。そんな彼女たちが、明け方に牛丼を食べながらホスト談義をしているのだ。

以上、今回は「生娘シャブ漬け」発言から、ホストクラブの依存性について考えてみました。

佐々木チワワ
’00年、東京生まれ。小学校から高校まで都内の一貫校に通った後、慶應義塾大に進学。15歳から歌舞伎町に通っており、幅広い人脈を持つ。大学では歌舞伎町を含む繁華街の社会学を研究している。『「ぴえん」という病 SNS世代の消費と承認 』(扶桑社新書)が好評発売中

『FRIDAY』2022年5月20・27日号より

  • PHOTO結束武郎

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