「鈴木奈々いい人すぎる伝説」の真偽を親友・加藤綾菜さんが激白
最初は、面と向かって『本当に財産目当てじゃないの?』と疑ってきて(笑)
加藤茶さんとの結婚10周年を機に、初めての漫画&エッセイ『加トちゃんといっしょ』(扶桑社)を出版した加藤綾菜さん。笑いアリ涙アリの夫婦生活が描かれる中で、少々異彩を放っていたのが、親友・鈴木奈々さんのエピソードだ。
例えば、綾菜さんの記事がネットニュースに出るたび、コメント欄のポジティブな意見には全て「そう思う」をつけ、ネガティブな意見にはモザイクをかけてスクショして送ってくれるというもの。どこまでイイ人なのか……。

そこで、加藤綾菜さん(以下 綾菜さん)に親友・「鈴木奈々さん(奈々さん)との思い出を存分に語ってもらった。
「奈々ちゃんは本当に真っすぐな人で、仲良くなったばかりの頃は面と向かって『本当に財産目当てじゃないの?』と疑ってきて、ビックリしましたよ(笑)。バッシングが激しいときにも、直接言う人なんて一人もいなかったから」
二人の出会いは約10年前、綾菜さんが芸能活動を始める前、知人の紹介から。そのときLINE交換はしたものの、連絡はしなかったが、忘れた頃に突然連絡が来て、敬語で蕎麦屋に誘われたという。
「最初は異常なまでにテンションが高いし、同じことを何回も言うし、自分と正反対のタイプで、絶対に友達になれないと思ったんですよ(笑)。
当時の奈々ちゃんはギャルでした。私もギャルだったけど、ギャルをやめて奥さん風になろうと思っていた頃だったから、ギャルの友達を作りたくなかったこともあって。
でも、二人で会ってみたら、ものすごく素直で誠実な人で、帰りにはすっかり親友みたいになっていて。そのまま二人で代々木公園に行って語りあってから、週2~3回会うようになって、連絡も365日取り合うほどになったんです」
意気投合したきっかけは、共にいじめを経験していたから
初対面で意気投合したきっかけには、共にいじめを経験していることもあったと話す。
「中学生のときのいじめの経験を話したら、奈々ちゃんも同じような経験をしていて、『この人は辛い思いをしてきているから、人に優しくできるんだ』と感じ、信用できると思いました。
しかも、奈々ちゃんは、いじめられていることに途中まで気づいていなくて、みんなにバカにされて笑われても、周りが笑ってくれることに喜びを感じていたと言うんですよ」
急速に距離が縮まった二人。そこで、当時は友人にも話していなかった、世間からのバッシングについて話したのだと笑う。
「奈々ちゃんは、包容力じゃないですけど、不思議と何でも言える空気を持っていて。何を言っても聞いてくれる人だと瞬時にわかったから、初めて会ったのに全部話してしまったんですね。
奈々ちゃんはイイ人すぎて、感情移入しすぎて、『なんで綾菜ちゃんがそんな風に言われるの⁉』と、私以上に悔しがってくれて。そのとき、私に似ていると思ったんですよ。人は騙せないけど、騙されるタイプ(笑)」
綾菜さんが芸能事務所に所属したきっかけも、奈々さんだった。
「それまで加トちゃんの舞台などに同行してサポートすることを自分の喜びだと感じていたんですけど、加トちゃんが77歳になるとき、奈々ちゃんに対して『俺に何かあったとき、守ってくれる人がいないと綾が心配なんだよ』と話して、そしたら奈々ちゃんが『うちの事務所に入れば? 社長紹介するよ』と言ってくれたんです」
ただし、最初はテレビ番組に出演するのも、恐怖でしかなかった。
「一人でテレビに出たことなんてなかったし、特に最初はバッシングについて聞かれることばかりで。
今だから話せますけど、初めてテレビに出たときは3日間くらい眠れなくて、ずっと震えていて、そのときも奈々ちゃんが『大丈夫だから、一緒に練習しよう』と言って、何回も練習してくれたんです。本番直前にも電話で励ましのメッセージをもらって。
しかも、こんなにも嫌われている私が化粧品のイメージモデルになったときには、奈々ちゃんが万歳して喜んでくれたんですよ。『綾菜ちゃんの良さが化粧品会社の人に伝わって嬉しい』とお祝いしてくれて。
このとき改めて私は、何があっても奈々ちゃんを守って、奈々ちゃんが苦しいときには助けて、一緒に歳を取っていこうと誓ったんです」
他にも「人の悪口は一回も聞いたことがない」「町で声をかけられると、誰でも構わず『ありがとうございます』と言って握手する。なかには『ウザイ』『握手なんかしたくねえ!』などと暴言を吐く人もいるが、それでも笑顔で対応する」「広島の綾菜さんの実家が営む飲食店に来て、周りのお客さん全員に『鈴木奈々です!』と挨拶して盛り上げた」など、信じられない「イイ人エピソード」」が続く。
どこかでは無理していると思うんですけど、本人が気付いていないんです
ここまで良い人だと心配になるけど……。
「でも、奈々ちゃんのご両親もあんな感じで、絵に描いたような良い人なんですよ。どこかでは無理していると思うんですけど、無理していることに本人が気付いていないんです」
さらに、こんな衝撃エピソードも。
「私も奈々ちゃんの実家に行って、奈々ちゃんのご両親やお兄ちゃん家族と一緒にバーベキューとかするんですけど、奈々ちゃんが『茨城で一番良いとこ連れてってあげる』と連れて行ってくれたのが、茨城で一番長い滑り台。もう衝撃ですよ!(笑)
その後、『もう一個すごいところがあるから』と連れて行ってくれたのが、ターザンロープで遊ぶところで、結果、すごく楽しかったんですけどね(笑)。しかも、遊んだ後に『茨城で一番美味しいご飯屋さん』と連れて行かれたのが、しゃぶしゃぶチェーンの木曽路(笑)。私の家から3分のところにも木曽路はあるんですよね……。
何回も茨城に行っていますが、毎回木曽路で、しばらく経ってから『木曽路はチェーン店だよ』と教えてあげたら、すっごい驚いていました(笑)」
鈴木奈々流「サンドイッチ法」コミュニケーション術とは?
さらにすごいのは、「どんなに間違ったことを言っても絶対に否定しないこと」。
「奈々ちゃんが編み出した『サンドイッチ法』という会話法があるんですが、褒める+ちょっと正しいことを言う+褒めるという繰り返しで、サンドイッチみたいに相手を包み込むんだそうです。
絶対間違っていると思うような人生相談でも『わかるよわかるよ』って言いながら1時間も2時間も聞いてあげた後に、『もう少しこうやったらいいんじゃない?』と言って、また『うんうん、わかるよ』と。
その影響で、逆に奈々ちゃんが悩んで相談してくるときも、私はこのサンドイッチ法で返すようにしているんですが、奈々ちゃんは3回も4回も同じことを言うから、話が前に全然進まなくて、めっちゃ長いんですよ(笑)」
鈴木奈々さんが休養中には加藤さんに救われたと語っていたが……。
「電話でたわいのない話をしたり、奈々ちゃんの茨城の家まで車で会いに行って、奈々ちゃんを連れて筑波山に行って山登りしようと誘ったりしたくらいですよ。しかも、意外に奈々ちゃんの方が元気で、私は途中でギブして、奈々ちゃんと私のお父さんだけが頂上まで登ったんです(笑)」
ちなみに、綾菜さんと奈々さんは互いの誕生日などに何度も「クサイ手紙を送りあっている」そうだ。
「『綾菜ちゃん、生まれてきてくれてありがとう。綾菜ちゃんのお父さん、お母さんありがとう』と奈々ちゃんが書いてくれたり、私も『奈々ちゃん、ずっとおばあちゃんになっても一緒だよ』と書いたり。ちょっとかゆいですよね(笑)。
しかも、奈々ちゃんは私が送った手紙を玄関の横に開いて飾っていたんですよ。恥ずかしさを通り越して、涙が出そうになりました(笑)。あんなに謙虚で良い人はいない。学ぶところばかりです」

取材・文:田幸和歌子
1973年生まれ。出版社、広告制作会社勤務を経てフリーランスのライターに。週刊誌・月刊誌等で俳優などのインタビューを手掛けるほか、ドラマコラムを様々な媒体で執筆中。主な著書に、『大切なことはみんな朝ドラが教えてくれた』(太田出版)、『KinKiKids おわりなき道』『Hey!Say!JUMP 9つのトビラが開くとき』(ともにアールズ出版)など。