寺田心 「くん」よりも「さん」よりも、一番しっくりくる敬称は… | FRIDAYデジタル

寺田心 「くん」よりも「さん」よりも、一番しっくりくる敬称は…

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「子役」の成長で発生する「くん」「さん」問題

「子役」から大人の役者に変化していく狭間で発生する「『くん』なのか、『さん』なのか」問題。

芦田愛菜のように、ずいぶん前から「芦田愛菜ちゃんというより、芦田愛菜さま」に到達したケース、「国民の子ども」で永遠の「神木くん」もしくは「神木きゅん」にまで飛び越えていったケースを除き、女子の呼称は本田望結でも鈴木梨央でも福原遥でも、ずっと「ちゃん」のままで違和感がない。しかし、男子の場合はどう呼んで良いか、どう接して良いかわからず周囲が迷い、なんとなくモゾモゾするという珍妙な現象が起こりがちだ。

そして今、そんな混乱の真っただ中にいるのが、映画『鋼の錬金術師 完結編』の宣伝のため、メディア露出を高めている寺田心くん(さん)14歳である。

おそらく同じ合同会見・取材を通して書かれたと思われる以下の記事の見出しや画像のキャプションだけ見ても、その迷いが垣間見える。

タクシーに一度は乗車しかけていたが、声を掛けられスタッフへと向き直って会話する心くん(2019年撮影:山田宏次郎)

扱いに悩む、メディア各社の対応…

  • 寺田心 声変わり&身長20センチ伸びた 山田涼介「心『さん』に」と2年の成長に驚く(デイリースポーツ 6月13日)
  • 【写真】笑い顔もすっかり大人びた寺田心(ヤフー転載版)
  • “14歳”寺田心、2年間で「身長が20センチ伸びた」「声も低くなった」とも(オリコンニュース 6月13日)
  • 『鋼の錬金術師 完結編』山田涼介、渡邊圭祐、寺田心からコメント到着!新場面写真も解禁(THE FIRST TIMES 6月15日)
  • 【画像】ダークな寺田心くん
  • 山田涼介「寺田心“さん”になった」、成長感じ取り目を細める(映画ナタリー 6月13日)
  • 【画像】寺田心の成長ぶりに目を細める山田涼介

基本的には公式に発表された出演者たちのコメントと会見でのやりとりから「2年で身長が20センチ伸びた」「変声した」事実をもとに記事をまとめているはずだ。しかし、「笑い顔もすっかり大人びた寺田心」と「大人」として若干の距離を持って説明したり、かと思えば「ダークな寺田心くん」と、TOTO「ネオレスト」CMの頃から変わらない心くん像を求めたり。また、山田涼介のコメントの「心さんになった」を拾いつつ、「成長ぶりに目を細める」と、第三者を登場させてやっぱり子ども扱いしたり。

振り切った演技が話題のブックオフのCM

鈴木福は「くん」、芦田愛菜は「さま」…

しかし、こうした迷い・混乱は、年齢だけではなく、寺田心の特異なキャラクターによる部分も大きい気がする。

例えば、6月17日に晴れて18歳の誕生日を迎え「新成人」になった鈴木福の場合、昨年3月にインタビューした際(オリコン3月6日)、「言いやすい呼び方で呼んでいただければと思っています」「いつまでも『福くん』と呼んで欲しい」と語っていることにより、永遠の「くん」呼びが承認された。

そうした流れを受け、次のターンに寺田心くん(さん)が来ているように見えるが、鈴木福くん(さん)とはまた別の難しさがある。

なぜなら鈴木福の場合、『マルモのおきて』(2011年/フジテレビ系)で共演した芦田愛菜が「天才子役」から頭脳明晰な素敵な女性・完璧超人になっていく一方で、その対比として、顔立ちも雰囲気もあまり変わらない安心感・親しみやすさで当たり前のように「くん」呼びしてしまう人が多かった。しかし、年齢的には気づいたらすでに大人の一歩手前……という戸惑いで生じた「くん・さん」問題だった。

ちなみに、今では同じく子役出身の濱田龍臣(21歳)と並んで特撮オタクの最上クラスに君臨し、かなりトシの離れた男性などとも対等に語り合えるところに来ている。鈴木福くん感をフレッシュなまま真空パックで閉じ込め、そのまま「鈴木福氏」の境地に至ったわけだ。

だが、寺田心の場合、非常に幼い見た目に反し、大人顔負けの落ち着きと丁寧な言葉・態度とのギャップから「プロ」感が強かった。そういった意味では、同じく「芦田プロ」と長年呼ばれてきた芦田愛菜と同ジャンルにも見えるが、芦田愛菜が早くに凛々しく大人びた雰囲気に変わったのに対し、寺田心は小柄かつ幼い顔立ちの期間が長かったこともあり、年齢不詳の「コナンくん」(名探偵コナン)と言われてきた。演技力などを置いておいて、お茶の間では普遍的キャラクターとして受け止める人も多かった。

加えて、寺田心の場合、ゆっくりした喋りや丁寧さが、思春期・青年期を飛び越えて、むしろ知恵袋をすでにいくつも持っていそうな「おばあちゃん」的空気も感じさせる。いくつものインタビューで「おばあちゃんが大好き」「おばあちゃんと一緒によく遊んでいる」と語っている生粋の“おばあちゃん子”であることから、語彙のセレクトや佇まいにおばあちゃんの影響が出るのかもしれない。

誰ともかぶらないベクトルを突き進む寺田心くん(さん)

ちなみに、昨年、彼にインタビューした際、「タメ口でお兄さん目線」から質問する男性記者、大人としてフラットに淡々と接する女性記者などが混在する中、彼は自身の学校生活についてハキハキと語り始め、「〇〇だと思う人~」「では、△△だと思う人~」と記者たちに挙手を促し、突然クイズを始めた。その場にいる記者全員の顔を順に見ながら話すという気配りを見せつつ、その場を統べるベテランのような貫禄。それでいて、「イケメン化」とSNSで話題になっていたことについて問うと、大きく開けた口を手で覆い、「僕がイケメンだなんて。そんなそんな。まさかまさか」と顔の前で手を大きく横に振って謙遜してみせる。

悟りきった仙人のような落ち着きと帝王的貫禄の一方、子どもらしい愛嬌・礼儀正しさには「良く出来た子」の空気が変わらず漂う。今は「くん・さん」の狭間にいるようでいて、その実、誰ともかぶらないベクトルを突き進んでいる感のある寺田心。「くん」よりも「さん」よりも、一番しっくりくる敬称はもしかしたら「師匠」かもしれない。

  • 田幸和歌子

    1973年生まれ。出版社、広告制作会社勤務を経てフリーランスのライターに。週刊誌・月刊誌等で俳優などのインタビューを手掛けるほか、ドラマコラムを様々な媒体で執筆中。主な著書に、『大切なことはみんな朝ドラが教えてくれた』(太田出版)、『KinKiKids おわりなき道』『Hey!Say!JUMP 9つのトビラが開くとき』(ともにアールズ出版)など。

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