殴りかかられ…不倫相手の妻との”修羅場”の果てに起きたこと | FRIDAYデジタル

殴りかかられ…不倫相手の妻との”修羅場”の果てに起きたこと

【実録シリーズ】「不倫にはワケがある」亀山早苗

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<同期の彼と、静かに恋を育んだ。互いの家庭にはむしろ「いい影響しかなかった」というミドリさん。しかしそんな日々がいきなり暗転した。ミドリさんのSNSに「うちの夫と浮気してるでしょ」とコメントが…【前編】40代既婚女性が同僚との職場不倫の末に受けた”猛反撃”のその後は…>

40代の既婚女性が同僚と「恋」におちた。ふたりは静かに関係を続けたが、ある日恐ろしいことが…
40代の既婚女性が同僚と「恋」におちた。ふたりは静かに関係を続けたが、ある日恐ろしいことが…

「浮気しているでしょ」の書き込み

SNSが荒らされていることに気づいた週明けの月曜日、事件は起こった。

「ひとりの女性が会社に私を訪ねてきました。1階の受付で、知らない女性が私の名前を言っているところにちょうど通りかかったんです。ユウタさんの妻だと直感でわかりました。驚いている私を認めると彼女、いきなり殴りかかってきたんです。かわそうとして転びましたが、彼女もバランスを崩した。私はすぐ起き上がって、彼女を抱きかかえるようにして外に出ました。そして『あなた、わかってますか? 自分の夫の将来を壊そうとしていますよ』と言ったんです。すると彼女は『人の夫を取っておいて何を言ってんの』と押し殺したような声で言ったんです」

ミドリさんは彼女を近くの喫茶店に連れていった。ソファに座ると、彼女はじっとミドリさんをにらみつけてきた。

「何を誤解しているのか知らないけど、私はあなたの夫とは同期で仲がいい。でも同僚ですよ、それだけの関係と言い切りました。しらを切るしかないから、腹を決めたんです。そうしたら彼女は『夫の携帯を見たんだけど』と言う。私たち、携帯では怪しまれるやりとりをしないことに決めていたんです。だから怖いものはなかった。スクショを見せられたけど、そこにあったのは『昨日は楽しかったね』『またね』という会話程度しかない。『これは同期会があった翌日のやりとりですよ。私たちが幹事だったから、ねぎらいあっただけ。何が問題なの? そもそもなにか問題があるならユウタさんに言えばいいでしょ』と突き放しました。そうしたら彼女、急に泣き出したんです」

修羅場を回避した「共感」

ユウタさんの妻と喫茶店で向き合っていた。彼女は「夫とは心が通い合うような会話はない。夫は私を下に見ていて、私が何か話しても聞き流すだけ」と話し始めた。「女がいるに違いないと携帯を見たら、あなたと夫のやりとりが目に入り、浮気をしていると思った」と言って、泣いた。

「その瞬間、私には彼女の気持ちが痛いほどわかりました。ユウタさんと付き合う前、私も同じように思ったことがあったから。私の夫は浮気をするタイプではないけど、確かにあのころ、私と夫は心が通い合うような会話がなかった、共働きで時間がないから事務的な連絡しかしない関係だった。夫婦間は冷め切っていたと思う。そんなことを一気に思い出しました。そして、この人もつらいんだろうなと思ったら、なんだか共感してしまって

そんな「共感」をもって、不倫相手でもあるユウタさんの妻に向き合った。そして「夫のことばかり気にしないで、自分の好きなことをして生きたほうがいい」と妻に言った。彼女は「自分はパート勤めで経済的な余裕がない、今は夫の母親の介護もしているので時間もない」とつぶやいた。

擦り切れた裾で一気に冷めた恋

「ふと見ると、奥さんのコートの裾は少しすり切れていたし、セーターも毛玉がついていた。それを見て、私、一気に彼への気持ちが冷めてしまったんです。妻に犠牲を強いている、あるいは妻の苦悩に気づいていないユウタさんに怒りがわいてきてしまって。これならうちの夫のほうがずっといいと思った」

とにかくがんばってと彼女に声をかけ、ミドリさんはコーヒー代を支払って先に席を立った。店の外に出て窓から店内を見ると、彼女はうつむいたままだった。

「恋が冷めるときってあっけないですね。あんなに情熱的だった自分が、しなびたキュウリみたいになってしまった。そのまま会社に戻って彼と目が合っても、まったく気持ちがときめなかったんです。『何をやってるんだ、私』としか思わなかった」

彼女の「真摯な不倫の恋」は、突然、終わりを告げた。それはユウタさんの家庭を救うことにつながったが、それすらどうでもいいと思ったそうだ。

「たとえどういう終わり方であろうと、当時、私は真剣に恋した。それだけは事実です。残ったのはその事実だけ。それでいいと今は思っています」

不倫から教訓など得られない。ああすればよかったと後悔もしたくない。あの恋はあの恋独自の成り立ちと終わりがあった。それ以上でもそれ以下でもないと彼女はきっぱりと言った。

  • 取材・文亀山早苗

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