巨人のドン・渡邉恒雄氏 半年ぶりに公の場に登場した本当の理由
ベンチ裏では熾烈な権力闘争 原辰徳監督は無軌道な補強路線で大ハシャギ
ドンの意地だろうな――。
巨人・原辰徳監督(60)の殿堂入りを祝うパーティに車イスで参加した渡邉恒雄・読売新聞グループ本社代表取締役主筆(92)を見て、スポーツ紙巨人番記者たちはこう口を揃えたという。
「ナベツネさんは夏に自宅で転倒。頸椎を折って、いまも入院中です。半年近く表舞台から姿を消したせいで死亡説まで流れましたが、オーラはありましたね。現役総理の安倍晋三さんを抑えて、最後に会場入りしていましたし(笑)。ただ、かなり痩(や)せていて、体力的にツラいのか中座していました。そこまでしてパーティに参加したのはなぜか? それは原さんを牽制するためでしょう」
原監督の1億円愛人トラブルは記憶に新しい。子飼いのスポーツ紙記者を編成にタッチさせるなど、原監督の球団私物化を糾弾する声もあった。そこへきて選手の野球賭博への関与が発覚――。「球界の盟主に立ち返るため、ナベツネさんが白羽の矢を立てたのがクリーンな高橋由伸でした。まだ現役だった彼に頭を下げ、監督に据(す)えた。ナベツネさんが元気だったら、由伸は続投だった」(スポーツライター・後藤茂喜氏)
だが、長く権勢を誇った渡邉氏もケガ、そして寄る年波には勝てず――第三次原政権は若大将の意のまま、無軌道な大補強路線を突っ走っている。
侍ジャパンの元正捕手・小林誠司(29)に加え、昨年のドラフト上位で二人も捕手を獲ったのに、FAで炭谷銀仁朗(31・前西武)を補強。若返りを図るため、’16年のチーム二冠王・村田修一(37)を切っておきながら、中島宏之(36・前オリックス)を獲得した。
「阿部慎之助が『来季から捕手に復帰する』と宣言したのは炭谷の獲得を牽制するため。自主トレに連れて行って手取り足取り指導するなど、阿部は小林を可愛がっていましたから……」(球団関係者)
だが、阿部の親心は華麗にスルーした。その後も5年25億円(推定)という大型契約で広島から丸佳浩(29)を強奪して、「吉報、吉報!」と大ハシャギ。こんな珍言で喜びを爆発させている。
「よくぞジャイアンツを選んでいただいたということに感謝しております。まだこれから脂がのるんじゃないかと、そういうものを感じております。彼とジャイアンツ、私が表裏一体となって合致したというところです!」
パドレスからは今季20発のバリバリのメジャーリーガー、ビヤヌエバ(27)を獲得。監督の鼻息は荒くなる一方だ。
「前マリナーズの岩隈久志も獲りましたけど、先発はすでに飽和状態。本当に補強すべきはクローザーなんです。新外国人に抑えを任せるなら、今季、先発で活躍したメルセデス、あるいはヤングマンのどちらかをファームに落とさないといけない。外野も陽岱鋼(ヨウダイカン)か亀井善行があぶれる。もっと痛いのが人的補償。すでに西武に内海を放出することになりましたが、広島は一番伸び盛りの選手を選ぶ可能性が高い。課題のバッティングが開花した俊足の重信慎之介、パンチ力のある石川慎吾、中継ぎで活躍した速球派の谷岡竜平、ドラ1・桜井俊貴、左腕・池田駿ら若手有望株を獲られるかも……」(スポーツ紙巨人担当記者)
それでも、セ・リーグ2年連続MVPの丸が打ちまくれば穴はカバーできるかもしれないが――前出・後藤氏が訝る。
「日本シリーズでサッパリ打てなかったように、丸はチキンで有名。マスクで変装してコソコソ買い物をする姿が広島のモールで目撃されています。ロッカー整理もチームメートがV旅行に行っている間にやっていたし……巨人の主軸という重圧に耐えられますかね?」
- 撮影:高塚一郎