バレて妻に刺され…不倫相手の”身体に溺れた”42歳男性の末路 | FRIDAYデジタル

バレて妻に刺され…不倫相手の”身体に溺れた”42歳男性の末路

【実録シリーズ】「不倫にはワケがある」亀山早苗レポート

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<’19年5月に新宿・歌舞伎町で20歳のホストが刺される事件があった。刺したのはこのホストの客だった女性。「好きすぎて刺した」という彼女の犯行直後の血まみれの写真が話題になった。相手を「刺す」ほどの熱情は、憎しみではなく、愛着によるものなのだろうか。不倫がバレて妻に刺された男性が、その恋の一部始終を話してくれた>

浮気がバレて、妻に刺された。そんな男性が彼女とどうしても別れられなかった理由は…。育った環境への同調と、身体の相性が彼を夢中にさせたのだろうか
浮気がバレて、妻に刺された。そんな男性が彼女とどうしても別れられなかった理由は…。育った環境への同調と、身体の相性が彼を夢中にさせたのだろうか

血みどろ不倫が起きた理由

不倫といえども、当事者にとっては「恋そのもの」だ。先々のことを見据えて恋に踏み込むわけではない。恋は情熱、そして欲情の赴くままに進んでしまう。

「妻に、包丁で刺されました」

そうつぶやくのは、トシオさん(47歳)だ。42歳のときだった。数えで後厄のその年、不倫がバレて妻に「刺された」という。まさに血みどろの不倫だった。

刺されたところ、今も傷が残っていますよ、このあたり」

そう言って彼は右脚の太ももを指さした。

「不倫していた彼女と会って、深夜に帰宅したら、妻が玄関で仁王立ちになっていたんです。『ヨウコとデキてるって本当なの?』と相手の名前を出されたので、つい、そんな下品な言い方をするなよと言い返してしまった。妻は激昂して、後ろ手に隠していた包丁を持ちだして『死ね』と向かってきたんです。とっさのことでよけきれず、左脚にグサッと。妻は自分で刺したくせに、ウワッと叫んで座り込んでしまったので、自分で救急車を呼びました。まあ、こうなっても不思議はないよなあとどこかで思っていた」

出血はひどかったが、幸い、傷はそれほど深くなかった。処置をしてもらって2日入院しただけですんだ。病院から警察に連絡がいきそうになったが、彼は必死に自分でやったと言い続けた。魚をさばいていたら、力のいれどころを間違え、手が滑ったのだと。

「医師は疑っていましたけどね。妻は病院には来させませんでした。退院すると、『ごめんなさい』と。謝るのは僕のほうだと言いました。妻は僕を愛しているから嫉妬したのか、自分がないがしろにされたと思い込んだのか、そのあたりはわかりません。でもとりあえずはどちらも離婚の意志はない。家庭生活は表面上、元に戻りました」

だが、ことはここからさらに泥沼化していく。

弱さで惹かれあった結婚

トシオさんは、東京近県の比較的裕福な家に生まれ育った。教育熱心な母親は、3歳上の姉を都内の私立中学に入れた。彼にはさらに「いい学校へ入ること」を望んだという。

「僕は、あまり成績優秀ではなかった。苛立った母は、僕を小学校3年生から塾へ行かせ、4年生からは家庭教師もつけた。それでなんとか中学受験には合格できました。父は子どもには無関心でしたね。どうやら別宅があったらしいんですが、父自身は普通のサラリーマン。裕福だったのは母の実家です。そんなことから父は母に妙な負い目を持っていたんじゃないでしょうか。今になるとわかるけど」

エスカレーター式に大学まで行けるはずが、離脱。1年浪人して別の大学に入った。その時点で母から「期待を裏切ったね。あんたにかけた教育費を返して」と言われた。彼は黙って家を出た。親が学費だけは払ってくれて大学は卒業できたが、それ以来、母とはほとんど会っていない。

「母に過剰な期待をかけられ、期待通りにいかないと裏切り者扱いされて、生きることが虚しくてたまらなかった。大学を卒業して、たまたま採用された会社に入社しました。別に希望も野心もなかった」

そんな彼だから仕事に意欲はもてず、がんばっている同期を横目に「適当に」働いていた。同期会にも出なくなった。だが、同期のカナさんだけは、なぜか連絡をくれたり、ときには飲みに行ったりもした。

「彼女はその後、関西方面に配属が決まったんです。噂ではやり手の営業ウーマンとしてがんばっていたようです。僕はダメダメ社員のまま」

4年後、カナさんが東京に戻ってきた。もともと美形の彼女には、さらに自信がみなぎっていた。変わらず精力的に仕事に取り組み、彼にも積極的に誘いをかけてきた。引っ張られるような形でデートをするようになったが、彼はそもそも「人にも物事にものめり込んだことがない」から、それが恋愛かどうかの自覚もなかった。

28歳のとき、彼女がいきなり『結婚しよう』と言い出したんです。男女の関係もないのに。『なんだかあなたとは縁があるような気がして』と言われました。僕がきみを幸せにできるとは思えないと言ったら、私の幸せは私が決めると返されて」

彼女からのプロポーズには心が動いた。トシオさんが、感情が揺さぶられるのはめったにないことだったから、カナさんを女性として意識するようになり、ふたりで過ごす時間が増えた。その結果わかったのは「似たような環境で育った」ことだった。

カナさんは子どものころから厳しい父親に殴られながら育ったという。言葉より手が飛んでくるほうが早かった。悪人ではないけど、とにかく手が早い、母もよく殴られていたとカナさんは涙ぐみながら言ったそうだ。

「だから、意志があるのかないのかよくわからないぼんやりした僕のことが気になってしかたがなかったみたい。自分を怒らない人と一緒にいたいと彼女は言いました。それを聞いて、母に拒絶された僕と、親への不信感という意味で似てるなと」

それまであまり話したことのなかった子ども時代の話をしたことで一気に意気投合、結婚へと踏み切った。28歳のときだ。「これが縁」だと感じたという。

順調な日常から突然、女性に走った

結婚生活は慌ただしかった。同じ会社の別部署で働き、妻のほうが仕事ができる。子どもがふたり生まれると、トシオさんが時短で仕事をした時期もある。

「でもうちはそれでうまくいっていたんだと思う。カナは外でがんがん働くのが合っている。僕は子育てが楽しかったし。社内ではいろいろ言われてたみたいだけど、ふたりとも気にしませんでした」

それなのに、下の子も小学校に入って数年経ち、ホッとしたのか彼は突然、女性に走った。自分でも意外だったと振り返る。

「しかも社内の女性なんですよ。そのころカナは営業のトップを走っているような成績で、僕は時短勤務の影響もあって日の当たる部署にはいなかった。相手は別の営業部署のヨウコさん。これがまたできる女性で、同業他社から引き抜いてきた人だそうです。彼女は5歳年下。ひとり娘がいるそうですが、夫の母親と同居しているので仕事に全力をつぎ込めると言っているのを聞いたことがあります。夫は病気がちなんだとも言っていましたね」

妻が嫌だったわけではない。むしろ尊敬していた。生きるエネルギーに満ちた、太陽のような女性なのだから。ただ、もしかしたら「尊敬する人と夫婦でいる」のは、案外つらい面もあるのかもしれない。

濃密すぎる1年。身体に耽溺した

「ヨウコとは1年ほど、濃密な日々を過ごしました。ヨウコは妻同様、仕事のできる女性だったけど、顔立ちは和風美人で、どこかちょっと古風なところがある。なにより、そこはかとない色気があるんです。一緒にいると寛げるんですよね

性的にも相性がよかった。カナさんはいつも疲れて眠ってしまうので、夫婦はセックスレスだったのだ。

「女性の身体に耽溺したのは初めてです。ふたりでイチャイチャしているのがこんなに楽しいとは思わなかった。ヨウコとは花見に行ったり、夏は花火を見に行ったり、まるで若いころできなかったことをやり直しているような恋でした」

ヨウコさんの夫は一回り年上で、あまり会話がないと聞いていた。ふたりは「不倫の罪悪感」もなく、一緒にいることだけを優先させた。楽しかった。そんな日々が1年ほど続いたころ、妻に刺されたのだ。刺されたことで、妻を傷つけているとようやくわかった。ヨウコさんには全てを話し、別れることにした。

妻に刺され、終わったはずの「恋」。でも、終われなかった。そして、さらに事件が起きてしまった。【後編】「不倫相手と身体の相性がよすぎて…『どうしても別れられなかった』」につづく。

  • 取材・文亀山早苗

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