フォーム解析でわかった!中日根尾 「来季は守護神で30セーブ」 | FRIDAYデジタル

フォーム解析でわかった!中日根尾 「来季は守護神で30セーブ」

甲子園を沸かせた実力は本物だった! 連続フォーム解析でわかった類まれな才能 スポーツ科学の第一人者・筑波大学川村卓准教授が太鼓判

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ジャイアンツの4番に対して、圧巻の全球ストレート勝負だった。

8月11日に行われた巨人戦。リリーフとしてマウンドに上がった中日の根尾昂(あきら)(22)は、主砲・中田翔に2ボール1ストライクから149㎞の直球を投げ込みセンターフライに打ちとったのだ。試合後、根尾は大阪桐蔭高の大先輩・中田との勝負をこう振り返っている。

「胸を借りるつもりで、思いっきり投げました。マウンドに立たない時も、先輩の投球を見て勉強しています。学んだことを、取り入れられたのが良かった」

根尾は、6月に外野手から投手へ登録変更したばかり。14試合に登板し防御率は2.63だ(8月15日現在)。当初は異例の転向を危惧する声もあったが、及第点の成績と言って良いだろう。

甲子園では、優勝投手になったこともある根尾。数年ぶりとなる実戦投球を見たスポーツ科学の第一人者、筑波大学の川村卓(たかし)准教授は驚きを隠さない。

「ブランクがあっても直球は150㎞前後を計測しています。非凡さを感じますね」

課題は野手投げ

今回、川村氏はあらためて根尾の投球フォームを解析。長所と課題を解説してもらった(以下、発言は川村氏)。

「まず、投球動作に入る前の姿勢(写真1)を見てください。右の軸足に体重が乗って、姿勢が安定しています。この後、根尾は左ヒザをベルトより高く上げ始動する。それくらい脚を高く上げると通常は背中が反りフォームが乱れるのですが、根尾は姿勢が崩れません。股関節に、しっかりと体重が乗っている証拠です」

写真2~3では課題も見えるという。

「力強い球を投げるには、上半身ではなく下半身をうまく使わなければいけません。お尻から打者の方向へ向かっていくイメージです。しかし根尾は、お尻がセンター方向に残り気味。おそらく、野手の投げ方が身についているのが原因でしょう。野手はボールを捕ったら、スグに投げないといけません。自然と上半身に頼り、動作が早くなります。ゆっくりした体重移動をする投手の投げ方とは、根本的に違うのです」

それでも写真4~6では、踏み出した左脚にしっかりと体重が乗っている。

「両脚の内側の力で、上半身に頼りがちなフォームがうまく修正されています。根尾は、幼い頃からスキーをやっていると聞きました。スキーのおかげで脚の内側が鍛えられているのでしょう。真上から、しっかり右腕を振り下ろしているのも良い。身長177㎝とプロ野球選手としては小柄な根尾が、150㎞の直球を投げられるのは、そのためです」

投球フォームの特徴から、根尾は抑え向きだという。

「体重移動がうまくできていないので、先発として長いイニングを投げると疲れてしまうでしょう。現状ではリリーフ向きです。ブランクがあるのに、威力のある直球を投げられるのはさすが。カーブなどの変化球を覚え、緩急をつけられれば鬼に金棒です。来季、守護神に定着すれば30セーブはあげられると思います」

投手・根尾の実力は本物のようだ。伸びしろの大きい大器に期待が膨らむ。

『FRIDAY』2022年9月2日号より

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