<figure id="attachment_261512" aria-describedby="caption-attachment-261512" style="width: 2000px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="671cbe46"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2022/08/003.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-261512" class="wp-caption-text">飯田浩司（いいだ・こうじ）／1981年12月5日生まれ。2004年にニッポン放送へ入社。現在は『飯田浩司のOK！ Cozy up！』（平日朝6:00〜生放送）、『辛坊治郎 ズーム そこまで言うか！』（木曜15:30〜）を担当。（撮影：花村克彦）</figcaption></figure>
<p><span class="strongInContent">「ラジオほど忙しい現代人のライフスタイルに合っているメディアはありません。リスナーの目を奪わないし、手も止めない。何かをしながらでも聴くことができます。私のようにニュース番組を担当している立場からすれば、ラジオはテレビと違って映像にとらわれず、必要に応じてひとつひとつのニュースにしっかりと時間を割くことができる。単なる情報発信や感想に終わらず、背景や根拠を重層的に扱えるのが大きな強みですね」</span></p>
<p>そう話すのはニッポン放送の飯田浩司アナウンサー（40）。現在、自身の名前を冠した平日朝6時から2時間生放送の帯番組『飯田浩司のOK！ Cozy up！』のメインパーソナリティを務めるほか、『夕刊フジ』での連載や『新潮新書』から単著を刊行するなど、局の枠にとどまらず活躍するラジオ界のトップランナーだ。今年で入社19年目を迎えた飯田アナが駆け抜けてきた”ラジオニュースの現場”とは。</p>
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<h2>「ふざけんな！」他局に怒鳴られた選挙取材</h2>
<p><span class="strongInContent">「私自身は学生のころからスポーツ実況のアナウンサーになりたかったんですよ。だからいまのようにニュース番組を持つことなんてはじめは想像もしていなくって」</span></p>
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<p>新人時代の飯田アナが担当していたのは主にバラエティ番組だった。ただその間にも、”遊軍”という形で報道の現場に飛び込んでいたという。</p>
<p><span class="strongInContent">「選挙特番みたいな人手が必要な時に、『お前ヒマだから行ってこい！』みたいな感じで現場に行っていましたね。だけどしきたりもなにもわからなかったので、失敗もたくさんして……。</span></p>
<p><span class="strongInContent">忘れもしないのが2005年の郵政解散・総選挙。岐阜に出張して野田聖子さんの事務所に詰めていた時ですね。取材の順番を決めるくじ引きをしていたんですが、テレビ各系列がみんなクジ引いていたから、じゃあウチも、と思っていたら『テレビだけだよ！』ってドヤされた。『お前のせいでやり直しだよ！ふざけんな！』って。</span></p>
<p><span class="strongInContent">他にも取材中にどっかの局の音声コードを踏んでいたらしく『テメェ音が拾えねーじゃねーかバカヤロー！！』みたいなこともありました。入社2年目とかでしたね。散々だったなぁ」</span></p>
<figure id="attachment_261513" aria-describedby="caption-attachment-261513" style="width: 1331px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="e0bf96ff"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2022/08/2051.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-261513" class="wp-caption-text">現在40歳で、昔から年齢より上に見られがち。「中学の時にファミレスで店員さんに『おタバコお吸いになられますか』と真顔で聞かれたことがある」（撮影：花村克彦）</figcaption></figure>
<p>本格的にニュース番組を担当するようになるのは、入社8年目。2012年のことだった。夕方のニュース番組、『ザ・ボイス　そこまで言うか』のアンカーマンを担当したのだ。この時も”遊軍”というポジションで手探りの日々が続く。</p>
<p><span class="strongInContent">「報道記者の先輩はもちろんいたけれど、みなさん当然忙しい。バラエティからちょろっと来たやつなんかに手取り足取りみたいなことはなく。むしろまず『何しに来たんだ？』みたいな感じでした。最初は記者証もなかったんですよ。必死必死の毎日でしたね」</span></p>
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<p>暗中模索が続くなかで、番組プロデューサーにかけられた言葉が、飯田アナの原点になっているという。</p>
<p><span class="strongInContent">「『とにかくお前は”聞く”のが仕事だ』と言われました。自分の意見を挟んだりする必要はなくって、取材相手やコメンテーターに対して、『これはどうなんですか？』と、とにかく質問すればいいんだって。</span></p>
<p><span class="strongInContent">そうアドバイスを受けた時、自分には何ができるかなって考えると、やっぱり現場に出るしかないなと。現場に出て、人から話を聞いて、それを伝える。腹をくくって、より頻繁に現場に行くようになりました。</span></p>
<figure id="attachment_261539" aria-describedby="caption-attachment-261539" style="width: 2000px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="0238e0d1"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2022/08/1871.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-261539" class="wp-caption-text">窓の外を眺める飯田浩司アナウンサー（撮影：花村克彦）</figcaption></figure>
<p><span class="strongInContent">相変わらずしきたりとかには強くなかったのですが、遊軍というどこにも属さないボジションだったことが、なににも縛られず、身ひとつでどこにでも顔を出せるフットワークの軽さにつながった部分があったかもしれません。</span></p>
<p><span class="strongInContent">当時は民主党政権の末期。とにかく連日連夜みんな会議でモメにモメるみたいな時期でした。行けば行くだけなにかしらネタを得ることができたんです」</span></p>
<div data-friday-nextpage-lead="こんな報道姿勢は避けるべき"></div>
<h2>日々、リスナーから学んでいる</h2>
<p>徹底した”現場主義”の姿勢で実績を積み始めた飯田アナ。夕方の番組だけでなく、選挙特番のキャスターまで任されるようになっていく。</p>
<p>そして迎えた2018年4月、36歳にして前述の朝の生放送『飯田浩司のOK！ Cozy up！』がスタートした。</p>
<figure id="attachment_261517" aria-describedby="caption-attachment-261517" style="width: 2000px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="9a5fa9d1"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2022/08/2011.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-261517" class="wp-caption-text">共働きで子育てをしており「この（取材の）後は息子を耳鼻科に連れていくんです」と微笑む（撮影：花村克彦）</figcaption></figure>
<p><span class="strongInContent">「番組が始まってもう5年目。自分のなにが強みでここまでやってこられたのか、あらためて振り返ると難しいですね。無我夢中でやってきただけなので、手元にはなにもない気すらします。ただ、自分が前に出たいと考えるタイプではないので、その点MCとしては向いているのかもしれません」</span></p>
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<p>謙遜する飯田アナだが、番組作りをしていくなかで明確に意識していることがあるという。</p>
<p><span class="strongInContent">「”二項対立”をつくらないことですね。どちらかが良くて、どちらかが悪い、みたいに伝えることはシンプルでわかりやすくはあるけれど、実際はそんな単純なワケないと感じることがすごく多くて。たとえば新型コロナウイルスの話題ひとつにしても、『医療と経済、どちらをとるか』、みたいにね。</span></p>
<p><span class="strongInContent">そんな時にリスナーさんが実際に起きていることをたくさん教えてくれるんです。生放送中にもリアルタイムでどんどんメッセージが寄せられてきて。放送で話したことや伝えたニュースについて、『何を言っているんだ、現場ではこうなってるぞ』とかね。結局、机の上だけで練られたような意見やルールだけじゃやっぱりうまくいかないよなと学ばせてもらうことがとても多くて」</span></p>
<p>リスナーの声、出演するコメンテーター、そして現場取材で出会う人達。多種多様な意見に耳を傾け、ラジオならではの温かさをもって発信する。ラジオアナウンサーとして独自のポジションを築きあげた飯田アナに今後の展望を聞いてみると、意外や急に自信なさげな表情を浮かべるのだった。</p>
<figure id="attachment_261518" aria-describedby="caption-attachment-261518" style="width: 2000px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="505f3dff"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2022/08/1873.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-261518" class="wp-caption-text">「松坂屋でセミオーダーしました」という自前のスーツで取材に応えた（撮影：花村克彦）</figcaption></figure>
<p><span class="strongInContent">「いやー、そこは真剣に悩んでいますね。朝の番組を担当するって、ラジオアナウンサーにとって達成感がある分、次に何をしたらいいんだろうと迷うこともあって。でも、これからもずっと現場に行きたいし、現場で喋っていたい。いろんな人を見ながら、いいところをつまみ食いしていくしかないのかな。</span></p>
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<p><span class="strongInContent">あまり他の人を意識したり、比べたりすることもないですけど、（TBSの）安住（紳一郎）アナはやっぱりすごいなと思います。朝の帯番組でテレビの司会をしながら、日曜日は冠ラジオ。しかもそのラジオのために、前日から泊まり込みでハガキを読むとか、僕にはできないだろうから。</span></p>
<p><span class="strongInContent">（共演している）辛坊（治郎）さんのように鮮やかな解説をしたり、（かつて共演していた）小倉（智昭）さんのように、いろんなジャンルに詳しい人もすごい。周りの人たちを見ては、打ちのめされることも正直ありますね。顔出しして、名前も出して仕事をしている以上、もっと貪欲に前へ行かなきゃいけないと思っています」</span></p>
<p>ラジオがネットとの融合を見事に果たし、多彩な展開を見せているように、ラジオ界のトップアナウンサーも、今後新たな活躍を見せてくれることだろう。</p>
<p>profile<br>
飯田浩司（いいだ・こうじ）<br>
1981年12月5日生まれ。神奈川県横須賀市出身。<br>
横浜国立大学経営学部国際経営学科卒業後、2004年にニッポン放送へ入社。<br>
担当番組は『飯田浩司のOK！ Cozy up！』（平日朝6:00〜8:00生放送）、『辛坊治郎 ズーム そこまで言うか！』（木曜15:30〜17:30）。<br>
阪神タイガースファンで、趣味は野球観戦、競馬、読書など。<br>
著書に『「反権力」は正義ですか─ラジオニュースの現場から─』（新潮新書）を持つ。<br>
公式ブログ<a href="https://www.1242.com/blog/iida/">『イイダコウジ そこまで言うかブログ』</a></p>
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花村克彦

今年で入社19年目を迎えるニッポン放送・飯田浩司アナウンサー。新人時代の失敗や、ニュースとの向き合い方、リスナーへの思いについて語る。

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