大谷翔平 メジャー初「5億ドル契約」の行方を握る4人のGM候補
「ワールドチャンピオン」を狙えるチームに生まれ変わるか!?
8月24日、エンゼルスのオーナー、アート・モレノ(76)が球団の売却を検討していることを発表した。米経済誌『Forbes』によるとエンゼルスの資産価値は22億㌦(約3000億円)といわれており、アメリカでは早くも新オーナー候補が盛んに報じられている。
「最有力はNBAのウォリアーズのオーナーであるジョー・レイコブ(66)です。過去にドジャースやアスレチックスの買収を検討しており、『ロサンゼルス・タイムズ』のメール取材にも『良い機会を見据えている』と笑顔の絵文字付きで返信しています。株式投資で財を成し、個人資産は15億㌦(約2000億円)。買収となれば、レイコブが旗振り役となり投資家グループを形成し、資金を捻出するでしょう」(地元スポーツ紙記者)
8月31日時点で11勝&29本塁打と大活躍の大谷だが、球団売却はその去就にも影響を与える。カギを握るのは、オーナーとともにやってくる新GMだ。現在、名前が挙がっているGMは4人。メジャーリーグ評論家の福島良一氏が候補に挙げるのは、球界屈指の優勝請負人だ。
「現行契約が満了となる来年オフに起こる大谷争奪戦はメジャー史上初となる5億㌦(約690億円)規模になるといわれています。GMの正式決定にはまだまだ時間がかかると思いますが、球団は大谷が望む『勝てるチーム』を実現するために、MLB機構の相談役を務めるセオ・エプスタイン(48)を説得することが考えられます。統計学を駆使した野球で、レッドソックスとカブスをワールドチャンピオンに導いた人物です。大枚をはたいて選手を集めるより基礎からチームを作るため、時間は必要ですが、早ければ3年後には常勝軍団になる可能性があります」
スポーツライターの友成那智氏は現在好調のチームから二人の名前を挙げる。
「パドレスのGM付シニアアドバイザーのローガン・ホワイト(59)はいいですよ。彼は海外市場に強い。過去にはドジャース時代に黒田博樹(47)や斎藤隆(52)の獲得に尽力しました。いまのエンゼルスには大谷以外の投打の軸が必須なので、たとえばオリックスの山本由伸(24)や吉田正尚(29)らの獲得に乗り出すかもしれません。基本的には大谷を中心に据えたチーム作りをしていくでしょう。
もう一人の候補はドジャースの上級副社長を務めるジョシュ・バーンズ(52)。’14年に加入して以来、チームを常勝軍団へと育て上げました。高いスカウト能力と育成能力には定評があります」
最後の候補者は、映画『マネーボール』のモデルとなった名GMだ。しかし、その就任は大谷にとって必ずしもプラスに働かない可能性がある。
「あくまで大穴候補ですが……ビリー・ビーン(60)が就任する可能性もゼロではありません。その場合、大谷は真っ先に放出候補となるでしょう。データをもとに弱小球団を強豪に化けさせてきたタイプで、優秀な若手を好みます。市場価値の高い大谷やマイク・トラウト(31)と、マイナーの有望株10人くらいをトレードしてもおかしくありません」(友成氏)
8月28日の試合後、球団売却について聞かれた際には「あと1ヵ月やり切るだけ」と答えた大谷。どのGMになるとしても、なるべく早く野球に集中できる環境が整えばよいのだが……。
セオ・エプスタイン(48)
MLB機構 競技部門相談役
GMとしては三振の奪える本格派の投手を好む。就任すれば大谷中心のチーム編成が期待される。

ジョシュ・バーンズ(52)
ドジャース 上級副社長
在籍7季で2人の新人王獲得者を出すなど育成に強み。’20年にはドジャースを世界一に導いた。

ローガン・ホワイト(59)
パドレス GM付シニアアドバイザー
’12年には大谷の視察で、自ら花巻東高を訪問。当時から自身を知る大物の加入は、大谷にもプラスだ。

ビリー・ビーン(60)
アスレチックス 上級副社長
データを積極的に活用する『セイバーメトリクス』で一時代を築いた。7年振りの現場復帰となるか。

『FRIDAY』2022年9月16日号より
PHOTO:アフロ(エプスタイン、ホワイト、ビーン) ゲッティイメージズ(大谷、バーンズ)