山口県下関市生まれ。大学卒業後は日刊自動車新聞社に入社。その後、フリーへ。『くるまのニュース』『AUTOCAR JAPAN』『ベストカー』などの自動車メディアへの寄稿も多く、年間約300本の自動車関連記事を執筆している。

加藤 久美子

<figure id="attachment_262708" aria-describedby="caption-attachment-262708" style="width: 1280px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="f3f5725d"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2022/09/2cf5c9ecb84fc212ae46492a95754a7b-1.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-262708" class="wp-caption-text">一般の人でも参加可能なパレードランには1000台もの車が参加した（撮影：加藤博人）</figcaption></figure>
<p>8月11日、日本で初めて「FuelFestJAPAN」が静岡県の富士スピードウェイで開催された。</p>
<div data-friday-ad-slot="AD_inArticle"></div>
<p>FuelFest（フュエル・フェスト）とは、日本でも人気の映画「ワイルド・スピード」（Fast &amp; Furious）の世界観を再現したイベントで非営利の災害支援団体ROWW「Reach Out World Wide」への活動を支援するチャリティイベントとしての役割もある。</p>
<p>この支援団体を立ち上げたのが2013年に事故死したワイスピシリーズ主演俳優、故ポール・ウォーカーで、現在はポールの実弟であるコディ・ウォーカーが意志を引き継いでこのたびの日本開催時にも人気俳優サン・カンとともに来日した。</p>
<p>2019年にロサンゼルスで第一回が開催されて以降、世界各地で開催され、この８月は日本ではもちろん、アジアでも初開催だった。イベントに参加するために会場に来た来場車両は7500台におよんだ。さらに、イベントでの展示車両が2200台も集まり、映画「ワイ・スピ」に出てくるような車やアメリカの警察車両など、バラエティーに富んだ車が集結。見て楽しむだけではなく、パレードランや対決レースに参加するイベントも行われた。</p>
<div data-friday-ad-slot="AD_inArticle"></div>
<p>来場者も3万3000人と国内では史上最大級の盛り上がりを見せた。一般入場券は5500円で売られたため、チケットの収入は少なく見積もっても１億1000万円集まり、この中から寄付が払われる見通しだ。</p>
<p>&nbsp;</p>
<div data-friday-nextpage-lead="25万回以上再生された「盗撮シーン」"></div>
<div class="expapp-yahoo-paragraph-break"></div>
<figure id="attachment_262698" aria-describedby="caption-attachment-262698" style="width: 1125px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="e1caf9fc"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2022/09/e68f9994aadda76233391c30f9839930-1-1.png" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-262698" class="wp-caption-text">SNS上で拡散された問題の「盗撮」と思われるシーン。一部ではやらせを指摘する声もある（Twitterより、画像は一部加工しています）</figcaption></figure>
<p>参加者の満足度も高かったようだが、集まった人数が多すぎたのだろう。あちこちで看過できない犯罪行為が横行していた。</p>
<p>まずは物販ブースでの万引きだ。何度もこのようなイベントに出店している業者はこう打ち明ける。</p>
<p><span class="strongInContent">「レースやオートサロンなど人が大勢集まる場所に出店すれば、必ずと言っていいほど万引きの被害にあいます。今回うちは被害がなかったと思いますが、近くの店では中学生男子による万引きがありました。人があまりにも多く、お客さんの対応に追われて追えなかったそうです。盗まれたものが数百円の少額だったこともあるでしょうが…」</span></p>
<div data-friday-ad-slot="AD_inArticle"></div>
<p>それだけではない。男性がスマートフォンを使って女性のスカートの中をのぞこうとしている「盗撮シーン」がSNSにアップされ、25万回以上再生された。一部では「やらせ」の可能性を指摘する声もあるが、衝撃の動画として別の意味で話題を集めてしまった。</p>
<p>ピットレーンで車を眺めている女性２人に、背後から白いTシャツを着た20代くらいの男性がスマホを手に近づいていく。そのスマホを左の女性のスカートの下にセット。スマホを動かしてスカートの中を撮影しているように見える。仲間と思われる男性３人が後ろからついてきたところで動画は終了した。最初の投稿者はTikTok にアップしたが、その後削除しており、TikTok にあげた動画をTwitterでシェアした動画が拡散されている。</p>
<p>集まった人はクルマイベントの来場マナーを知っている人だけでなく、サーキットでのマナーを知らない来場者も多数いた模様だ。コースでの試乗では、爆音での空ぶかしや、バーンナウト（ハイパワーな車が停止状態でタイヤを高速回転させながら白煙を出す）、指定コース以外の走行、最高速度30キロの構内道路を100キロ近いスピードで走るなど、車好きでも眉をひそめる行為も散見された。</p>
<p>会場となった富士スピードウェイ側に確認したところ、「レースであればいろいろと厳しいルールもありますが、あくまで車で楽しむイベントなので…」と返答。マナー違反ではあることは承知しながらも、黙認していた、とみられる。</p>
<div data-friday-ad-slot="AD_inArticle"></div>
<p>主催者にとって想定外の混雑が、このような「犯罪行為」の横行を許してしまった模様だ。イベントを主催した「KAMIWAZA JAPAN 」のCEO 一樂智也氏はこう分析する。</p>
<p><span class="strongInContent">「FuelFest開催が正式に決まったのが今年の1月で、当初は1万人集まればよいかな？程度に考えていたのですが6月上旬にイベント情報がメディアに告知されてから急激に参加申し込みが増えました。有料入場者数2万人でチケット完売となったのですが中学生以下を無料にしていたことで1万人が加わって合計3万人、さらに出展社やスタッフが3000名に来場いただきました。ただ用意していた警備スタッフは80名でした」</span></p>
<p>通常、「スーパー耐久」「スーパーGT」といった大規模なレースでは警備スタッフは200～250人投入される。想定していた２万人にさらに１万3000人加わるという「うれしい誤算」に加え、「あくまでもクルマを楽しむイベントなので…」と取り締まりを極力抑えたかったという気持ちもあるのだろうが、3万３000人集まったイベントに対する警備員が80人では、やはり少なかったと言わざるを得ない。</p>
<p>これらの犯罪行為を施設側である富士スピードウェイはどう見ているのか。また、現場での対応マニュアルとしてはどのようなことになっているのだろうか。</p>
<p>「富士スピードウェイ主催のイベントであれば、警備員がそのような犯罪行為を見つけた場合は必ず話を聞き、犯罪行為が明らかになれば警察に引き渡します。今回のFuelFestのようなイベントはサーキットでのレースと違って、人が集まる場所がある程度限定されるため、大変な混雑になっていたと聞きました」</p>
<p>今回はパレードランに参加したり、人気俳優のコディ・ウォーカーやサン・カンとの写真撮影など人気スポットに人が集中してしまい、観衆がレース観戦のときのように、コースのいろんな場所に散るようなことがなかった。犯罪行為が横行したこのイベントで大量の逮捕者が出た、といった類の報道はなかったものの、来場者が「二度と行きたくない」と失望しないよう、最低限のマナーだけは守りたいものである。</p>
<div class="expapp-no-provided-scope expapp-no-provided-scope-start"></div>
<figure id="attachment_262665" aria-describedby="caption-attachment-262665" style="width: 1280px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="31c42985"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2022/09/989dc3564399766c1047349bffd6ad79.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-262665" class="wp-caption-text">映画「ワイルド・スピード」シリーズ主演俳優、故ポール・ウォーカーでポールの実弟、コディ・ウォーカー（左）と人気俳優サン・カン（右）。イベントの合間の昼食はくら寿司だった</figcaption></figure>
<figure id="attachment_262666" aria-describedby="caption-attachment-262666" style="width: 1280px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="e62cb0a6"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2022/09/403682f2c596748dd8ef4f6d76d8cfc8.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-262666" class="wp-caption-text">大勢のファンにもみくちゃにされたサン・カン。レースの時と違い、特定の場所に人が一気に集中する状況によって犯罪行為が横行してしまった</figcaption></figure>
<figure id="attachment_262709" aria-describedby="caption-attachment-262709" style="width: 1152px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="46c5fe62"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2022/09/75b688e3de6f11beade767911347223c-1.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-262709" class="wp-caption-text">クルマファンにとっては盛り上がったイベントになったが、犯罪行為がおきない警備体制をしいてほしい</figcaption></figure>
<div class="expapp-no-provided-scope expapp-no-provided-scope-end"></div>


加藤久美子

加藤博人

一般の人でも参加可能なパレードランには1000台もの車が参加した（撮影：加藤博人） 8月11日、日本で初めて「FuelFestJAPAN」が静岡県の富士スピードウェイで開催された。 FuelFest（

史上最大級の海外車の祭典で「一般女性の盗撮被害」が横行した背景

あなたへのオススメ