『六本木クラス』竹内涼真が“国民の彼氏”を封印してもがいた日々 | FRIDAYデジタル

『六本木クラス』竹内涼真が“国民の彼氏”を封印してもがいた日々

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ドラマ『六本木クラス』の主演として注目されている竹内涼真。ハリウッドへの扉も開くのか…
ドラマ『六本木クラス』の主演として注目されている竹内涼真。ハリウッドへの扉も開くのか…

俳優・竹内涼真が主演する木曜ドラマ『六本木クラス』(テレビ朝日系)の視聴率が10%超えのV字回復を果たし、注目を集めている。

このドラマは、’20年に放送され大ヒットを記録した韓国ドラマ『梨泰院クラス』(Netflix)のリメイク版。竹内演じる主人公・宮部新が、金と権力を振りかざす巨大企業・長屋ホールディングスの会長・長屋茂(香川照之)と息子・龍河(早乙女太一)に対して、人生を賭けて父親の仇討ちに挑む物語。

始まった当初は”オリジナルの劣化版”などと揶揄され、世帯平均視聴率も初回の9.6%から第2回8.6%、第3回7.0と右肩下がり。しかし第4回に8.1%と持ち直すと、その後視聴率を上げ、初回視聴率を上回る勢いをみせている。

「当初はネットでも『梨泰院クラス』と比較するコメントが多かったものの、徐々に『六本木クラス』の独自の世界観が視聴者にとって魅力的に映るようになってきた、と大江達樹プロデューサーも自信のほどを覗かせています。

そんな中、韓国はじめ、世界7つの国と地域での配信も決定。Netflixの視聴ランキングで『梨泰院クラス』を一時抜く快挙も成し遂げています」(ワイドショー関係者)

視聴率のV字回復と共に大きな夢を持ち、人望もあり、正直でまっすぐな主人公・宮部新を演じる竹内涼真の人気も右肩上がり。ネット民からも称賛コメントが寄せられている。

番組を担当する西山隆一プロデューサーによると、『梨泰院クラス』をリメイクしたいと韓国とやりとりを始めた時から、

「自分の中では、竹内さんに決めていた」

と話す。

「その理由について『彼の持っているパッション、熱い部分が、これまでのドラマや作品を観てにじみ出ていると感じていましたし、それを直球で表現される。人として、役者としての資質が宮部新にぴったりだ』と語れば、

チーフ演出を務める田村直己氏は『“梨泰院クラス”でパク・ソジュンが演じていた主人公・セロイも、いそうでいない。ちょっと高倉健が演じたキャラクターを思わせる古風な男。そのあたりを竹内くんがうまくやってくれている』と話しています」(制作会社プロデューサー)

昭和の匂いのする日本男児・新役のオファーを受けて、竹内自身は「新しい挑戦になる」としながらも

「目の前のチャンスに飛びつかない選択肢はなかった」

と覚悟を口にしている。’13年にデビューして、今年は10年目を迎える節目の年。思えば竹内ほど、恵まれた俳優もいない。

デビューの翌年『仮面ライタードライブ』(テレビ朝日系)に主演。’15年には日曜劇場『下町ロケット』(TBS系)で、新人ながらも人工心臓弁ガウディの開発チームのリーダー役を演じて注目を集めると、’17年NHK朝ドラ『ひよっこ』ではヒロイン有村架純の恋人役。

さらに同時期のドラマ『過保護のカホコ』(日本テレビ系)では、ヒロイン高畑充希の相手役を好演。さらに10月期には日曜劇場『陸王』(TBS系)に出演するなど、立て続けに話題作に出演して大ブレイクした。

映画『帝一の國』では、日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。いつしか“国民の彼氏”と呼ばれるまでになった。

「ところが’20年、思わぬスキャンダルが彼を襲います。3年間交際を続けてきた女優・吉谷彩子との関係を一方的に解消、コロナ禍にもかかわらず同棲していたマンションから放り出したと報じられ批判が集中しました。

さらに“建て替え金銭トラブル”、モデルで女優の三吉彩花との“乗り換え愛”が明らかになって、竹内の人気は急落。’20年11月に行われた初主演ミュージカル『17 AGAIN』の会見の席では『きゃー!きゃー!のピークはもう過ぎました。これから再生していきたい』と発言するなど、一時は“自虐的な発言”が話題になったこともあります」(前出・ワイドショー関係者)

まさかの人気急落。しかし、このタイミングを俳優として生まれ変わる好機と捉えた竹内は、 “国民の彼氏”を封印。脱アイドルを目指して、イメージチェンジを図る。

「’21年に公開された映画『太陽は動かない』では、1か月に及ぶ海外ロケをブルガリアで行い、名優・藤原竜也とバディを組み本格的なアクションにも挑戦。極限状態にありながら、みずからの正義感と冷徹なミッションの間で揺れる若者に文字通り体を張って挑戦。同名原作を手掛けた作家・吉田修一氏も『久々に“太陽”を感じさせる俳優さんが登場した』と高く評価しています」(前出・制作会社プロデューサー)

さらに同年1月期に放送されたドラマ『君と世界が終わる日に』(日本テレビ系)では、これまでの好青年のイメージを一新。どんな状況でも諦めず、死と隣り合わせの終末世界を生き抜くサバイバー役を熱演。

こうして竹内は、名実ともにタフでワイルドな俳優として生まれ変わることに成功している。そして今年、満を持して『六本木クラス』に主演。さらに8月26日に公開されたばかりの映画『アキラとあきら』では、『下町ロケット』『陸王』に続き、三度、池井戸潤作品に挑んでいる。

今作は父親が経営する零細工場が倒産したアキラ(竹内)と海運大手企業の御曹司のあきら(横浜流星)の二人がメガバンクに同期入行。リゾート投資を巡り生まれた開運大手企業・東海グループの倒産の危機を前に2人が協力し、難局を乗り越えていく感動のエンターテインメント作品。漢たちがお互いの信念をぶつけ合う言葉のアクション映画とも言えるこの作品で演じるアキラが、イメチェンを図った竹内涼真のハマり役となった。

「共演する俳優・江口洋介が『竹内くんは汗をかいて芝居をする、熱い心の持ち主。これからを背負っていく俳優だと力強く感じた』とコメントすれば、メガホンを取った三木孝浩監督は竹内とアキラの共通点について『自分はこうするんだという信念や芯の強さを持っていて、そこがすごく重なる』と発言。

確かに今の状況を宿命と捉え、乗り越えようともがく姿は、“国民の彼氏”を封印して新たな俳優像を作り上げようともがく竹内涼真の姿と生き写しなのかもしれません」(制作会社ディレクター)

『六本木クラス』における竹内の演技がきっかけとなって、米ハリウッドも一目置く韓国のショービジネス界から出演オファーが舞い込んでいるという。もし韓国のプロダクションの作品に出演するとなるとNetflixやディズニーチャンネルといった米ハリウッド進出も視野に入ってくる。

“国民の彼氏”を封印して、タフでワイルドな熱い男に生まれ変わった竹内涼真。30歳を前に、俳優として新たなステージに立とうとしているのかもしれない――。

  • 島右近(放送作家・映像プロデューサー)

    バラエティ、報道、スポーツ番組など幅広いジャンルで番組制作に携わる。女子アナ、アイドル、テレビ業界系の書籍も企画出版、多数。ドキュメンタリー番組に携わるうちに歴史に興味を抱き、近年『家康は関ケ原で死んでいた』(竹書房新書)を上梓。電子書籍『異聞 徒然草』シリーズも出版中

  • PHOTO近藤 裕介

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