<figure id="attachment_262528" aria-describedby="caption-attachment-262528" style="width: 2000px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="6b5ebf2b"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2022/09/rev0331.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-262528" class="wp-caption-text">前島花音（まえじま・かのん）／1996年7月25日生まれ。2019年4月よりニッポン放送アナウンサーに。『ラジオマガジン・登竜門』（日曜20:30〜21:00）、『うどうのらじお』（金曜15:30〜17:10）などを担当。（撮影：花村克彦）</figcaption></figure>
<p><span class="strongInContent">「（プロ野球中継番組）『ショウアップナイター』の放送前、毎回『1分前です』と言われたら、一人っきりのブースのなかでスタッフさん達にわからないように”独り言”で気合いを入れるんです。</span></p>
<p><span class="strongInContent">『大丈夫、いけるいける。野球が楽しいってことはわかってるじゃん。その楽しさ伝えちゃおうよ！』</span></p>
<p><span class="strongInContent">みたいに。これをしないと、緊張している自分に飲み込まれちゃう感じがして」</span></p>
<p>ニッポン放送の前島花音アナウンサー（26）は今年で入社4年目。現在は、前出の『ニッポン放送ショウアップナイタープレイボール』（月曜17:30～）のほか、『ナイツ　ザ・ラジオショー』（月曜-木曜 13:00～／ラジオリビング担当）『ラジオマガジン・登竜門』（日曜20:30〜21:00）、『うどうのらじお』（金曜15:30〜17:10／中継リポーター）を担当しており、ポッドキャスト『チルラレルネ』の配信も行っている。</p>
<p>ハキハキとした話しぶりに加え、空手歴12年という経歴を持つことから「活発でパワフルなイメージを持たれることが多い」と話す前島アナだが、実は緊張しやすく心配性な一面があるという。日々自分を奮い立たせて現場へ挑む彼女に、ラジオアナウンサーという仕事との向き合い方を聞いた。</p>
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<h2>”トラウマ級”のニッポン放送最終面接</h2>
<p>ラジオを聴く習慣は、群馬県で生まれ育った幼少期からあったという。空手道場への送り迎え時にいつも車中で流れていたことや、家では買ってもらったラジカセを抱えて聴いていたことを鮮明に覚えている。</p>
<p><span class="strongInContent">「私の地元ってAM放送局の電波が入りにくかったんですよ。だから、ラジカセを抱っこしながら電波を探して家の中をウロウロして（笑）。ここだ！と思ったのが洗面所。アンテナを伸ばしたラジカセを抱えて、いつも体育座りで聴いていました」</span></p>
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<p>幼い頃からラジオの世界に親しみを持っていた。なかでも、軽快なトークから緊急時や災害時には聴いている人を安心させるように話をするアナウンサーの声には憧れを抱いていたという。しかし、</p>
<p><span class="strongInContent">「アナウンサーを目指そう、とはずっと思っていなかったんです。大学に進学して上京し、就職活動を始める段階になっても不思議と考えたことはありませんでした。むしろ将来何になりたいのかハッキリわからない状態だったので、厳しい環境に身を置いて、まずは自分自身を高めたいと思い、即戦力として働くことのできるIT企業のインターンに参加しましたね」</span></p>
<p>インターンを順調にこなした結果、そのままIT業界への就職を考えるようになる。だが、いざ採用面接が進み、現実味が増すにつれて「このままで本当に後悔しないか？」という思いが頭をよぎるようになっていった。</p>
<figure id="attachment_262478" aria-describedby="caption-attachment-262478" style="width: 2000px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="d369dd24"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2022/09/0082.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-262478" class="wp-caption-text">IT企業へのインターン参加は自身の成長につながった（撮影：花村克彦）</figcaption></figure>
<p><span class="strongInContent">「自分が昔から憧れていたもの、かっこいいなと思っているものに対して、一切挑戦もせずに終わってしまうのはどうなんだろう、と思うようになって。だから進んでいたIT系の企業の選考も辞退させていただき、アナウンサーの仕事一本を目指すことに決めました。</span></p>
<p><span class="strongInContent">とはいえ、あまりに遅すぎるタイミングだったし勝手もわからないしで、本当に手探り状態。周りからも『え、今から受けるの？　マジで言ってる？』なんてたくさん言われました」</span></p>
<p>アナウンサーの著書やインタビュー記事を読み漁り、参加できそうなセミナーを見つけてはすぐに参加。いわゆるキー局にはエントリーすら間に合わかったので、北海道から沖縄まで、全国津々浦々、エントリーシートを出せるところはすべて出したという。1日で最大5通出したこともあったと振り返る。</p>
<p><span class="strongInContent">「書類の段階で落ちてしまうことがほとんどでしたし、面接に進んでも撃沈ばっかり。周りには笑われていたし、絶対に無理だって言われていました」</span></p>
<p>そんななか最終試験まで進むことができたのがニッポン放送だった。有楽町にある本社の地下2階で行われた最終試験は、役員7人対1人の個人面接だった。</p>
<p><span class="strongInContent">「エントリーシートに、これまで経験してきたアルバイトを書いていたのですが、それを見た面接官の方に『バイトによっていろんな声色を使ってきたと思うんだけど、実践してくれる？』と言われたんです。</span></p>
<p><span class="strongInContent">座っていたイスの横にはスタンドマイクが置いてありました。ずっと気にはなっていたものの、こういう形で使うんだ!?　と。”声”をチェックされる大事な審査だと思い、張り詰めた空気のなかでしたが腹をくくって挑みました。</span></p>
<figure id="attachment_262491" aria-describedby="caption-attachment-262491" style="width: 1331px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="d5455621"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2022/09/0315.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-262491" class="wp-caption-text">最終面接を振り返ると今でも緊張するという（撮影：花村克彦）</figcaption></figure>
<p><span class="strongInContent">『じゃあ、コールセンター』と振られたら、『はい！コールセンターの前島です』なんて、少し高めの声でハキハキと。『次は、法人営業』と言われると、『いつもお世話になっております〜』と、適度な距離感や親しみを感じさせる雰囲気で応えていって。そんな流れで『次、居酒屋』と振られたときでした。ここはメリハリが大事だ！ とギャップを見せるために勢いをつけて『ぃらっしゃぁせーーー！　ナマぁいかがっすかー！！』とやってみたんです。</span></p>
<p><span class="strongInContent">緊張感に満ちた最終面接の空気が少しは和らぐかなと思って7人の顔を見たらですね。みなさん口が真一文字で表情の変化は一切なし。『……ありがとうございました。ご着席ください』とだけ言われました。そこからの記憶はまったくありません」</span></p>
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<p>臨場感たっぷりな語り口で、今でも思い出すとドキドキするという試験の日を回顧する。合格の手応えを微塵も得ることができなかった前島アナは、試験後、茫然自失の状態で日比谷公園をさまよっていた。気づけば4時間が経ち、ようやく帰路につくため底の擦り切れたヒールで地下鉄への階段を降りていた時に携帯が鳴る。</p>
<p><span class="strongInContent">「内定の電話でした。たくさんの人が行き来していることをすっかり忘れて、『はい！よろしくおねがいします！』と大声で話したことを覚えています」</span></p>
<div data-friday-nextpage-lead="報道の現場で意識すること"></div>
<h2>リスナーさんのおかげで私は……</h2>
<p>悲願の入社から現在まで、前島アナは報道取材に足を運ぶことが多かった。災害が起きた現場に、たった一人で向かうこともしばしばだ。</p>
<p><span class="strongInContent">「とにかく現地へ急いで向かい、飛び乗ったタクシーの運転手さんに『現場に向かっていただけませんか』なんていうこともありました。</span></p>
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<p><span class="strongInContent">報道の現場で意識するのは、リスナーの皆さんにただ”伝える”ではなく、しっかり”伝わる”ように話すこと。</span></p>
<p><span class="strongInContent">先輩の増山さやかアナや、上柳昌彦アナは、限られた時間のなかでも焦ることなくすごくゆっくりでわかりやすい話し方をされるんです。地震速報では、避難しなければいけないことを伝えながらも、大丈夫だから気をつけてねって安心するような声で伝えてくれる。</span></p>
<p><span class="strongInContent">実際に災害現場でたくさん取材されている新行市佳アナも、聴いてくださっている人に”伝わる”とはどういうことかを考えているだけでなく、ご自身の言葉にすごく責任を持っていて。新行アナがある時、『言葉で救える命もあるんだよ』と教えてくれたことは、いまも強く意識しています」</span></p>
<figure id="attachment_262492" aria-describedby="caption-attachment-262492" style="width: 2000px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="2695a8c2"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2022/09/0064.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-262492" class="wp-caption-text">大好きなポケモンのシールをたくさん貼ったストップウォッチは彼女のマストアイテム（撮影：花村克彦）</figcaption></figure>
<p>憧れのラジオアナウンサーの仕事に就き、現場やラジオブースから情報を届ける毎日。そんななかでも悩みや迷いが生じることもある。</p>
<p><span class="strongInContent">「もともと声が低いことがすごくコンプレックスでした。先輩方やリスナーの方々に『聴きやすい』とか『ニュースに向いてる』と言ってもらえることがあるので、ちょっとずつ自分の声を好きだと思えるようになってきましたね。</span></p>
<p><span class="strongInContent">ただ、いまもすごく緊張しやすいですし、失敗をループしやすいところがあります。いざニュースを読むという時に、『またお前間違えるよ』って、もうひとりの自分の声が聞こえるような時があって。そうなると確実にノドが閉まるのがわかるんですよね。その感覚から、正直抜け出せてはいないです」</span></p>
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<p>自身の課題を痛いほど理解しているからこそ、克服するために人一倍の努力を続けている。</p>
<p><span class="strongInContent">「自分の番組は聴き直しますね。ここの相槌はいらなかったなとか、ここは明らかに言葉が足りないからリスナーさんはわからなかっただろうなとか、反省ばかり。ラジオを聴いてくださっている方には、楽しさを100のまま伝えたいんです。私のせいで、100あった楽しさを50とかに減らしたくないんです。まだ私の力では80くらいかもしれないけど、ちゃんと”伝わる”放送を届けられるアナウンサーでありたいですし。</span></p>
<figure id="attachment_262493" aria-describedby="caption-attachment-262493" style="width: 1331px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="d70195eb"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2022/09/0384.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-262493" class="wp-caption-text">前島花音アナウンサー（撮影：花村克彦）</figcaption></figure>
<p><span class="strongInContent">放送に出る仕事をしている以上、自分の仕事に対して”こんな私ですが”みたいな自信のない言い方をしてはいけないと思うんです。自信を持って放送に臨まなければいけないはず。</span></p>
<p><span class="strongInContent">ただ、そんな私に対して、聴いてくださったり、コメントをくださったり、メールをくださるリスナーさんがいる。リスナーさんのおかげで私はアナウンサーという仕事をしていられます。その感謝の気持ちを日々しっかりと伝えられて、それがしっかりとリスナーさんに”伝わる”、そんなアナウンサーになりたいですね」</span></p>
<p>profile<br>
前島花音（まえじま・かのん）<br>
1996年7月25日生まれ。群馬県出身。<br>
早稲田大学スポーツ科学部卒業後、2019年4月よりニッポン放送アナウンサーに。<br>
担当番組は『ラジオマガジン・登竜門』（日曜20:30〜21:00）、『うどうのらじお』（金曜15:30〜17:10／中継リポーター）、『ニッポン放送ショウアップナイタープレイボール』（月曜17:30～）、『ナイツ　ザ・ラジオショー』（月曜-木曜 13:00〜／ラジオリビング担当）。<br>
ポッドキャスト『前島花音のチルラレルネ』配信。<br>
空手歴12年で、三度の飯よりポケモン好き。</p>
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<p>公式ブログ<a href="https://www.1242.com/maejima/">『おいでよ！花音道場』</a><br>
公式Twitter（<a href="https://twitter.com/lfkanonmaejima">@lfkanonmaejima</a>）</p>
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<p><a href="https://friday.gold/article/129824">『FRIDAYサブスクリプション』(有料サイト)では前島花音アナウンサーが、大好きな『ポケモン』について語る特別インタビュー＆スペシャル撮り下ろしを公開中！</a></p>
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花村克彦

松島茜

加藤志穂

ニッポン放送とFRIDAYのスペシャルコラボ企画。前島花音アナウンサーがラジオとの向き合い方を語るインタビュー＆撮り下ろし。

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